千葉県市原市の農家、根本さんが出荷するコメは極端な『1物2価』。肥料や排水をきめ細かく管理し、皇室にも納めた自慢の『献上米』。自ら物産店に卸せば、60租燭2万6千円で売れます。しかし農協を通せば、1万3千円と半減。根本さんは『農協の引き取り価格で生産するのは厳しい』と。
JA農協は、農薬や農機具の購入、売り場の提供を通じて全国の農家を支えてきました。コメどころの新潟県は、JA全国農業協同組合中央会・全中の万歳会長の出身地。このお膝元で『脱農協』の動きが。南魚沼産のコシヒカリの生産を手がける『みわ農園』は、政府が決めた5年後の減反廃止をにらみ、2014年度産米から農協への出荷を止める予定。三輪代表は『独自に販路を設けるため、農協に出荷していたコメを振り分ける』と言い切ります。同社が卸会社に売る米価は農協に出す場合に比べ60租燭3千円高くなります。減反廃止後の競争激化によるコメの値下がりを視野に、有利な価格で売れる先を今のうちに確保する狙いもあります。
『農家のための農協を』。『越前たけふ農業協同組合』のスローガンは至って平凡に響きますが、全国初の挑戦を続けています。昨年1月に経済事業を子会社『コープ武生』に譲渡し、農協グループから切り離しました。肥料をメーカーから直接仕入れられるようになり、コメなどは直接売れます。冨田組合長は『消費者のための農協になる必要がある』と力説。
このような地殻変動に政治も敏感です。菅官房長官は、昨年8月政府内の会合で『農協の役割を含めて、事業、流通の見直しに取り組んでほしい』と指示。今月林農林相は『専業農家と兼業農家との農協のあり方への改革を着手する』と、農家の自立を阻む悪平等を改める舵取りを発表。
一方、かつて誇った選挙における農協の集票力は落ちるばかり。生産者を束ねる全国農政連が推す山田参議院議員の13年参議院選の得票数は07年から25%も減りました。
優秀な専業農家を伸ばせば、手取足取りは徐々にいらなくなります。農家と農協、そして政治。鉄の結束がほころぶ中、政府与党は今年6月、『農協改革』の結論を出します。
遅かりし鹿之助、ではありますが、農協改革、やらぬよりはまし、ですねえ。農家の霞を喰って生きている農協にも生き残りの断崖絶壁が迫ったようではあります。
★『マルハニチロ』の農薬混入問題で、容疑者が逮捕されたことに関し、アクリフーズの社長、マルハニチロの社長共々引責辞任と。契約社員の差別待遇が大きな社会問題を引き起こしたことに。一見おとなしく、何事も問題がないような人物がこのような大それたことをしでかします。人間は外見だけでは見分けがつきません。日常から、きめ細かい労務管理を敷いておくことが寛容ですねえ。ちなみに同社は、今季の業績下方修正を発表し、税引き後利益が25億円減の45億円になると発表しました。
★オリックス主催の『マネー川柳』。応募は8万8千句。大賞は『ゲゲゲから じぇじぇじぇになって 好景気』(東京・40代男性)と。その他に『八五三 すくすく育つ 消費税』、『ベア実施 リニアに乗って 早く来い』。しっかりと、世相を反映しています。
■今日の画像は、『オランダ ザーセスの風車』と、『冬の花、プリムラ』です。5月にオランダに行きます。自転車を漕いで、でこの風景を見たいと思いますねえ。(^.^)