師走も押し迫ってから、よい話を聞いた。長野県小県郡チイサガタグン真田町を訪れた時だ。真田一族、武田信玄など日本の歴史が庶民の語り継ぎの中に生きているこの町は、1,100人余りの小中学校の児童生徒に地道な、しかし刮目すべき指導を行い、大成功を収めてきた。第一が、食事に関することだ。
教育長を就任前には校長を勤めていた、大塚貢教育長が語る。『私が行った学校は、世間で言う荒れる学校が多かったのです。朝礼で子供がバタバタ倒れる。調べてみると貧血です。授業に集中出来ずに騒ぎ出す。調べてみると、空腹なんです』。
こんな体験を重ねた大塚さんは、意を決して早朝からコンビニの前に立った。自宅で手作りの朝食を食べさす代わりに、コンビニのおにぎりや弁当を子供に与える家庭を割り出したのだ。『探してどうしようとか、いわんや公表するつもりは全くありませんでした。子供達が荒れるのも非行に走るのも、その背後におなかが満たされない、従って、文字通り健康な子供になり得ない実態があると感じましたので、そのことを確かめたかったのです』。
直感は当たっていた。コンビニ弁当を多食していた子供達と、校内で問題を起こしていた子供達がほぼ一致。そこで、大塚さんは猛然と取り組んだ。学校給食の改善である。基本としてパン食を発芽玄米混じりの米食に切り替えた。育ち盛りの子供達のためにボリュームをいっぱいにし、栄養のバランスを考え、そしてなによりも、おいしくした。『地元の産物を活用したんです。コメも地元、野菜も卵も果物も地元の穫れたて。子供達の評判は良かったですねえ』と大塚さんは笑う。
それでも現場では抵抗が。米食よりパン食のほうが扱いが簡単だ。生徒の母親達の中にも、米食ベースの給食に反対の声も。そこで、大塚さん達は給食の現場を開放。親達は昔ながらの家庭の味の給食に納得。反対も徐々に無くなった。荒れていた学校が健全な学びの場に。教育長に就任すると、大塚さんは町の学校全体で同様の取り組みを始めた。給食は、五食とも米食。モリモリ食べさせ、学校の花壇には皆で花を植えた。土作りから始まる本格的な取り組みによって、子供達は体を動かし植物を育てる、つまり、命を育むことを知った。
『この3年間、真田町では子供の非行はゼロです。外の人達はなかなか信じてくれませんが、本当ゼロなんです。しかも、都会の子供などにも負けない学力があります。体力も、思いやりや優しさもあります』。全国規模の学力テストでは、真田町の子供達の平均学力は抜群に高いという。学校単位でなく、小学4校、中学3校の町の学校全体の平均でずば抜けている。
大塚さんの表情は明るい。学校と共に、さぞかし各家庭も努力を重ねたに違いない。そう言うと、意外な答えが返ってきた。『お母さん方の中には、朝も学校で食べさせて欲しいという人もある』そうだ。大人を再教育することがいかに難しいか。それでも、学校給食だけでも子供はこんなに変わってくれれる。希望を持ちたいものだ。
(参考: 週刊ダイヤモンド新年合併号 櫻井よしこ筆、コラム『オピニオン縦横無尽』)
櫻井さんの、このコラムを読んで、嬉しくなったと同時に、一方で愕然としました。このような良い教育の現場事実があるのに、何故全国で水平展開できないのか、と。文部省の高級官僚達は目が見えない人達なのでしょうねえ。一体何を見ているのか。こんな優れた教育現場があれば、横浜の逃亡事件など起きるはずもないし、また友人達は力一杯自首を勧めたでしょう。逃亡を助けるような青年達はいないはずです。東大などを出た、文部省高級官僚達、無駄飯食いに終わるな!
★広島の『モルテン』のハンドボール試合球が、国際ハンドボール連盟の公式試合球に認定されました。今年6月にクロアチアで開かれる女子ジュニア世界大会で使用される見通し。モルテンは自動車部品が事業の柱ですが、サッカー、バスケット、ハンドボールなどの試合級のメーカーで、ブランド力も国際級でもあります。サッカーW杯の試合球をアディダスへのOEM供給でも知られています。Jリーグの試合で、ロスタイムを掲示する電子版にモルテンのロゴを掲載してますねえ、広島から世界へ飛躍するモルテンではありあます。
広島はゴム工業が昔から盛んな土地です。理由は知りません。『ミカサボール』は、バレーボールの国際公式球で知られ、世界に羽ばたいています。社名は『ミカサ』ですが、以前の名称は『明星ゴム』、運動靴なども作っていましたね。(^.*)
★それにしても、政府が自ら音頭を取って、賃上げの旗振りをするのは前代未聞ではありますねえ。連合は『1%以上の賃上げ』を指示していますが、多くの企業がすでに賃上げの意志表示を。今春闘は『親がかり春闘』と名前を変えなければなりませんねえ。
★腐敗王国中国で昨年規律違反や違法行為で処分を受けた共産党員と政府の官僚らが合計18万人超に。さすが超大国、中国ではあります。12年は16万人余り、11年は14万人余り。毎年これほどの処分者を出す土壌とは一体なんだ、と言いたくなりますが、よその国のことですから放って置きましょう。が、その反動として、国民の目を日本との尖閣諸島などの摩擦に向けさせる根性は立派ですねえ、習主席殿。
■今日の画像は、『死者が50人を超え、鳥インフルエンザ予防のため家禽を調査する中国の衛生当局のスタッフ』と、『白いコムラサキ』『名称無名の実』『名称不明の赤い花・イトソマもどき』です。