『鉄は水より安いんですよ』。新日鐵住金の営業マンが取引先への説明でしばしば使うセリフ。価格競争の激しさと、良質で安価な素材の供給でものづくりを支えているとの自負が込められています。
鉄鋼製品の母材となる圧延コイルのアジアでの取引価格は、現在1電燭5万8千円程度。リーマン・ショック前のほぼ半値。1租燭58円。ミネラルウオーターの1肇椒肇襪蓮▲屮薀鵐鰭覆覆100円以上はします。
2013年の中国の粗鋼生産量は7億8千万鼎汎椶7倍。7年間で倍近くに増え、世界的な供給過剰を招いています。『需給ギャップは5年、10年では解消しないだろう』(新日鐵住金宗岡会長)。テレビや半導体など日本のかつての主力製品は新興国の低価格攻勢などに押されて国際競争力を失いました。鉄の世界でも、05年には粗鋼生産量の世界上位10社に入るのは宝鋼集団だけだった中国勢が、11年には6社を占めるようになるなど勢力図は激変。
新日鐵住金は製鉄部門で14年3月期に前期の6倍近い3,050億円の経常利益を見込みます。踏みとどまれるのは何故か。新日鐵と住金の合併が一つの答ですが、合併によるコスト改善効果は今季300億円にすぎません。『韓国や中国の鋼材も使っているが、超ハイテンは日本のものでないと』。タイ駐在の日系自動車大手の技術者は新日鐵住金の製品をこう評価します。超ハイテンは自動車の構造部材に使う強度が高いのに軽い鋼板。自動車の燃費向上に欠かせません。熱延コイルに精緻な圧延や熱処理を施し、2倍程度の価格になっても顧客が欲しがる『稼げる製品』に仕上げます。
新日鐵住金では今、ミタルと共同買収する独テッセンの米国工場の改良計画に熱が入ります。トヨタ、日産、ホンダなど米南部に集まる日系工場に鋼材を供給するために。『国内の金型を持ち込んでもそのまま楽々プレスが出来る鋼材を出す』と(樋口副社長)。
自動車向けだけではありません。昨年、極低温に耐える液化天然ガスLNGのタンク用鋼板の新製品を実用化。石油資源枯渇や環境問題からLNGの需要増を見越し、希少金属のニッケルの添加量を減らしてコストを1割削るのに10年かけました。いわば顧客ニーズの待ち伏せです。新日鐵住金の06~10年の国際特許件数は908件、韓国ポスコの4倍、アルセロール、ミタルの9倍に達します。
『鉄は国家なり』。しかし、国境にこだわっていては生き残りが難しく。官営八幡製鉄所を源とし、日本の産業界に1世紀以上君臨してきた新日鐵住金も例外ではありません。4月に就任する進藤新社長は『技術は魔法。他社がマネが出来ない優位性を持ち、勝ち残りたい』と抱負を語ります。その実現は水より安い鉄をどこまで磨き上げるか、にかかっています。
鉄鋼業界の力はかつてより衰えたとはいえ、いまだ健在。自動車メーカーに対する価格交渉力も相当のものです。まさに鉄は国家なり、は『鉄の基礎は100年なり』ですね。そう簡単に途上国がハンテン、テーラーメードなどの高級鋼板に進出できるものではないでしょう。どういえば、神戸製鋼所の小型高炉。普通の高炉のように莫大な費用がいらず、格安小型高炉が建設出来ると。この世界も技術革新が企業を守りますねえ。(^.^)
★小保方晴子さんの『STAP細胞』の発見の感動がさめやらぬ時間帯に、ジャンルは違いますが、『ローザンヌ国際バレエコンクール』で日本の若者が1位、2位、6位を受賞。今時の若者は、すごいことをやってくれます。あの『諏訪内晶子さん』が、バイオリンで『チャイコフスキーコンクール』で優勝した時も大変感動しましたが、今回の受賞にはさらに進んだ『文化国家・日本』を感じます。1位は、長野県松本市の高校2年生・二山治雄さん(17)、2位は横浜市の前田紗江さん(15)、6位はモンテカルロ在住の加藤三希央さん(18)。優勝の二山さんは、バレエに進んだのは『好きな女の子がやっていたから』という、なんとも素朴でほほえましい動機でした。
ローザンヌは、IOC本部があるところ。かつて私は、夫婦でジュネーブからベルンに行った帰り、途中下車し、傾斜を運行する登山電車でレマン湖畔まで下りて、ローザンヌのたたずまいを満喫した覚えがあります。素晴らしい国、スイス、素晴らしい都市ローザンヌです。(*.^)
★よかったですねえ、札幌の少女行方不明事件。事件後1週間経ったので、もうダメかと思っていた矢先の犯人逮捕。26歳、無職、男性。事件の詳細はこれからですが、とにかく仕事をしなくて、ぶらぶらしているとろくな人間になりません。
先日東京で開かれた農業法人の求人説明会。大繁盛です。これまでは自分で農業を立ち上げるという大きなリスクありましたが、農業法人の進出で、いわば会社に勤める感じで就職出来ると好評。なぜこんないいアイディアが農水省から20年前に出てこなかったのでしょうかしら、不思議な官僚達です。
★日立製作所は、インド西部にアジア最大規模の海水の淡水化工場を建設します。2年後をメドに化学工場などへ工業用水の供給を始めます。総事業費は620億円、国際協力銀行が資金を提供して。工場の処理能力は1日当たり33万填で、アジア最大規模。自動車や化学産業が進出しているダヘジ工業団地では、15年までに1日当たり31万鼎凌紊不足する見通しで、工場建設により水不足を解消します。
31万鼎凌紊竜模、広島県と市が島根県から江の川水系の『土師ダム』から、毎日40万鼎凌紊鯊静沈邨呂吠けてもらっています。相当の量と言えますねえ。21世紀は水の時代だ、と誰かが言いましたが、本当、その様相が現実になりつつあります。
★なんと、相撲協会の理事選出に大波乱が。定員10名に、11人が立候補。落選者は1人。その1人が歴代2位優勝31回の元横綱・ウルフ、千代の富士の『九重親方』。協会ナンバー2の実力者の脇が甘かったのか、不人気か。世の中、明日のことはまったく分かりません。親方は『不徳の致すところです。しょうがない』と語りました。
■今日の画像は、『ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した二山治雄さん(中央)、2位の前田紗江さん(左)、6位の加藤三希央さん』と、『美しき、ヒメツルソバ』、そして寒気が入ったのでしょう、現在の『霧に覆われた千田公園』です。ヒメツルソバ、35mm換算100mmマクロの魅力がっぷりな画ではあります。(^.^) (昨日のアップからのアクセス件数は、320件でした)