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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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『自転車「シマノ」、自転車部品のブランド化で世界制覇を狙う』

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自転車部品メーカー大手の『シマノ』が世界で快走しています。欧州債務危機の逆風が吹く中、欧米での販売を堅持。新興国でのスポーツタイプ自転車の成長もあって、2013年12月期も過去最高益を更新する勢いです。独自の部品ブランド力で世界制覇を狙うシマノ。アジアで生産体制を増強する一方、マザー工場である堺の本社工場の全面刷新を進めるなど、モノづくり企業としての足場を固めます。

『総合トップはクリス・フルームで固いだろうね』。堺市に本社を置くシマノの社員たちのうわさ話は、欧州の世界最高峰自転車レースの話題でしきりでした。『ツール・ド・フランス』、100回目の記念大会が今年行われました。ここに出場した22チームのうち、6割の13チームがシマノ製の自転車コンポーネントを使用しています。この欧州がシマノの主力市場。12年のユーロ全体の成長率は▲0.6%でしたが、シマノの欧州売上高は前年比+6%と健闘しました。予想通り、今年の『ツール・ド・フランス』の優勝者はシマノの社員達が期待した、『英クリス・フルーム』。

シマノ製コンポーネントを使用するチームのほとんどが最高級コンポーネントの『デュラエース9000系』を採用します。昨年のロンドン五輪などで使われた7000系よりさらに軽量化し、強度を高めたもの。リチウムイオン電池を電源に、フレームに取り付けた耐久性を高めた小型モーターでギアを切り替えて変速し、誤作動を防ぎます。こうした国際レースでの実績が同社の製品への信頼感を高め、ブランド価値を高めます。

日常的に選手や整備担当者の声を新製品にフィードバックするシステムができあがっているからこそ、可能な手法。そのベースとなるのが、同社の培ってきた金属加工技術。自転車部品は過酷な条件下で使われ、精密さと耐久性が求められます。同社は、1957年に常温で鍛造する冷間鍛造技術の研究を始め、いち早く量産体制を確立しました。

鉄を叩いて造形し、併せて鉄素材自体を強化する鍛造技術は材料を熱して行うのが一般的です。刀鍛冶の叩き工程と同じ内容です。冷間鍛造は、熱により材料がもろくなるのを防ぎ、表面の強度を高めることが出来ます。自転車の変速ギアの刃を良く見ると、均一ではなくチェーンを別のギアに送り出すために微妙に角度を変えています。冷間鍛造でこうした精密加工が出来ることがシマノの大きな強みの一つです。

もともと自転車部品はギアなど個々の部品毎に生産・販売されていましたが、同社はそれを最適な性能を引き出せるように組み合わせたシステムコンポーネントの形での販売を他社に先駆けて始めました。自転車競技で使われる高級タイプからマウンティンバイク向け、通常使われる自転車用まで様々なコンポーネントを製造・販売しているのです。海外販売もいち早く進めて。2014年に生産開始を予定するフィリピン工場は各国の生産設備がフル稼働状態のため、新設を決めています。初期投資は35億円。

国内工場は主に付加価値の高い高級タイプの製品を製造し、欧米向けを中心に輸出しています。堺市の本社工場も増強します。3年間で150億円をかけ、工場全体の更新を順次進め、14年中に完了予定。研究開発機能を高めると同時に、効率的な製造手法を生み出す拠点ともします。

高級自転車は自動車のブランド向上にも一役買います。BMWなど独仏メーカーが相次いで自転車を販売しますが、トヨタ自動車も『レクサス』ブランドで100台を限定生産しました。価格はなんと100万円。この高級自転車の変速機やホイールはシマノ製です。

自転車産業の空洞化が進み、12年の国内での自転車販売に占める国内生産比率は10%程度にすぎません。が、輸入される自転車の多くにシマノ製部品が使われます。基幹部品に特化した『コンポーネント戦略』を推し進め、国内外で生産体制を築く同社の軌跡は、日本のモノ作り企業の一つのモデルと言えます。

私が使っている、ホームセンターで買った中国製8,800円のチャリンコの、後輪ハブ(軸)もシマノ製です。単に高級品に特化するだけではなく、普及品、格安品にも適応出来る生産体制、受注体制がシマノの最大の特徴でしょう。国内にあった多くの自転車ブランドが消え去った今、シマノのブランドの輝きが一層引き立ちます。1957年に冷間鍛造に着手したとは、国内の全メーカーの中でもトップクラスではないでしょうか。(^.*)

★中央アルプス檜尾岳2728mで、韓国人パーティ9人が遭難。全体は20人のパーティで、避難したり見つかっている人達をのぞき9人と連絡が不通に。そのうち2人が心肺停止状態で発見され、今朝ヘリコプターで下山。パーティは、檜尾岳から宝剣岳・駒ヶ岳方面に縦走中の遭難の様子。天気予報からすれば登山は断念するべき状況ですが、韓国から遠征したという気負いが実行決断に向かわせたのでしょう。来週立山に行く私としても対岸の火事ではありません。 合掌

★先月の完全失業率は3.9%と、4年8ヵ月ぶりに3%台に下がりました。また有効求人倍率は0.92倍と4ヵ月連続で改善。応じの失業率6%とか、求人倍率0.5倍台の時期を思い返すと、相当な改善と言えます。要は好き嫌いを言わなければ仕事はある、という状態に回復したわけですから。でも公共投資へのバラマキが利いているような。人為的な押し上げに終わらなければいいですがねえ。(^.*)

■今日の画像は、三重県伊勢市の『お白石(手前)を綱で引きながら五十鈴川を進む奉献団』と、広島市東区『牛田山261m山頂の風景』です。牛田山山頂は戸坂城址の遺跡です。ゴマダラチョウ、ギボウシ、ノカンゾウなどが花を添えてくれます。 (昨日のアップからのアクセス件数は、435件でした)


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