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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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『ポスト炭素繊維を狙う植物系素材 「CNF」』

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今日の画像は、海の守りを固める『空母型護衛艦「かが」』の雄姿。『かが』は、ヘリコプター14機以上を収納でき、航空母艦には及ばないまでも、その機動性に高い期待がかかっている。全長はほぼ戦艦大和に匹敵する大きさ。中国の海洋バッシングに備え、尖閣列島守備への任務につくと予想される。

『セルロースナノファイバー=CNF』という新素材への注目が集まっている。木材パルプなど植物から作る次世代素材で、鉄より軽く強く『ポスト炭素繊維』とも呼ばれる。最も熱心に取り組むのが日本の製紙業界で、国内最大手の王子HDだ。

CNFとは、木材パルプを化学的、物理的に処理したナノメートル(1/10億m)単位の繊維がCNFで、解きほぐしたり砕いたり出来る。強さは鉄の3~5倍、重さは鉄の1/5と軽い。CNFで強化した樹脂は鉄の代わりに自動車や家電部品に採用されるだろう。透明なシートはガラス代替として曲げられるディスプレー部材に使える。軽くて強い繊維素材の代表である炭素繊維との違いは、持続可能な天然素材であること。原料の将来的枯渇は基本的にない。製造工程を見ても長期的にコスト競争力で徹底的に差が出せる。

製紙業界は、年々内需が減っていく中でCNFは販売面で期待が出来る。王子製紙では今年後半から透明シートの生産を開始する。ジェルや粉末状態でも既にサンプル供給している。自動車や航空機、電機など200社程度と秘密保持契約を結んで、新しい製品・部材への採用を促す。


経済産業省では、CNFの自動車部品への普及を想定しており、2030年頃には関連市場を1兆円とする構想を掲げる。用途開発がうまく進めば、これくらいのボリュームは可能と業界では見る。そして新素材の領域で3割程度のシェアの確保も目指す。また、ガラス並みの透明度でシートが作れるのは現時点では王子製紙だけとも。

製紙業界は、パルプから紙を作る段階で木の繊維と格闘してきた歴史がある。化学処理など蓄積した技術が強みだ。設備的にいち早くCNFを作り出したのは北欧の製紙会社だが、物理的な処理だけでパルプの域を出ていない。色々な分野に使えるように化学的な処理を施す手法を確立してきたのは日本勢だ。

CNFは全く新しい素材分野だけに、その用途開発に時間がかかりそうだ。王子製紙では2年後くらいから収益が確保できそうだが、本格的に軌道に乗るには10年を要すると見ている。液体に粘り気を出す添加剤として化粧品や塗料での採用は増えるが、まだ稼げる段階ではいと。一方で、CNFが水に弱いという弱点を持っているが、この点は克服の目途が立っているとも言う。現下では、炭素繊維の2~3倍というコストの低減が大きな課題だ。天然資源に恵まれない日本で、木材資源が新しい素材として活用出来れば、まさに無公害の夢の素材として世界に広げられる楽しみなアイテムではある。


★トランプ政権の先行きに影が差し始めたねえ。医療保険制度『オバマケア』を改革すると意気込んだが、改正案が下院で成案の見込みがないとして、撤回。共和党内部からも反対派が多く出て。さらに、オバマ政権がトランプを盗聴していたという主張に対し、下院情報特別委員会のニューネス委員長は、トランプの主張を裏付ける証拠はない、と言明している。さあ、さあ、新聞にも『トランプ・スランプ』の行方、などの文字が躍るなあ。混迷を深める米政権ではある。

★森友学園問題、長引くねえ。幕引きをしたい安倍首相、そうはさせじと籠池元理事長は、あれこれ数字や事例をあげ、さらに昭惠夫人とのメール交換の内容まで触れて、自己主張する。どうやら籠池側に分が悪いのだが、まだ一点9億円の売値を8億円も値引いたいきさつが一切明らかになっていない。大阪財務局長や国土庁大阪航空局長は一切政治的な影響は受けていない、忖度はなかった、と言明するが、証拠はない。担当者レベルを引き出し、計算方法を報告させ、それを専門家が審査する手順が必要だろう。それがないまま幕引きを図ると、存外安倍政権の命取りになるやも。口で『丁寧な説明』を常套句で並べる首相は、この時ぞ丁寧に国民に明らかになるよう手筈を整えるのが筋だろう。頭から籠池側が悪、安倍側が善と決め込んで事を運ぶと、意外に嵐が吹くかも。次の衆院選で、国民の判決が出るわいなあ。

★寿司の『ネギトロ』。語源は、ネギにトロを使うから、と思っていたら、なんと、マグロの骨についた肉を『ネギ取る』ことから由来すると、すし屋の兄さん。が、発祥地、本家本元の東京のすし屋の言うことにゃ、近くに『麦とろ』を出す食堂があり、それが好評だったから、寿司に『ネギトロ』を作ってみたと。昭和の初めの時代の話。物事の真相はよくよく聞いてみないと分からないものだ。


★延床面積8万平方メートルと北陸最大級の商業施設『イオンモール新小松』がオープンした。このような大規模な大型店舗が開業すると、地域の小売業者が根こそぎ苦境に陥り、廃業などに追い込まれるため小規模小売店を保護する『大規模小売店舗立地法』なるものがある。が、いつからかこの法律が実質骨抜きになり、このようなかつてない大規模店舗が現れるに至った。

広島では、イオンとゆめタウンのイズミがしのぎを削り、市内経済圏に各々複数の店舗を展開している。が、この店舗、値段が高いんだよね。特に野菜もの、お米などは小規模個人商店に比べ高い。これでは消費者養護の姿勢ではなく、大企業流通業者のための政策と言われても仕方ないだろうなあ。本当、高いんだよね、モール店は。

★横綱稀勢の里、春場所13日目、日馬富士との対戦で土俵下に背中からさかさまに落ち、左肩を強く打った。見ていて骨折か、と思うほどの痛さがあった様子。病院で手当てを受けて、稀勢の里は翌日の土俵も務めたが、鶴竜にあっさりと寄り切られて2敗。最終日は1敗の大関照ノ富士との対戦。
結果、本割でも勝ち、決定戦でも勝った。左腕がだめなら、右腕で戦うと。照ノ富士の誤算は、稀勢の里のケガを過小視したこと。勝負は紙一重だったのだが。来場所の奮起を期待しましょう、照ノ富士。

また、この場所で帰り大関を狙った琴奨菊は、10勝に達せず大関復帰はならなかった。残念だが、序盤で下位に取りこぼしをしているのだから、仕方がないなあ。勝負の世界は厳しい。


★書斎デスクの電気スタンドの電球をLEDに変えた。40W相当で、1,000円ほどしたが、明るくていい。何より熱を持たないので夏場が過ごしやすくなるだろう。消費電力は4Wと記載されているので、もう電気料金はかからないのと一緒。LEDの世界ってすごいねえ。そしてこれに目をつけたアイリス・オーヤマもまたすごい。仙台に本社があるこの会社は、シャープやパナソニックのリストラに合わせて、退職者した技術者を採用し、大阪に研究所を設置、業容を拡大している。注目点は、商品を電気店だけではなくホームセンターに流通網を築いている点であろう。見事な経営ではあるが、この会社も大阪で一度は倒産状態にまで陥り、そこから仙台で這い上がった企業なのだねえ。芯が強くなって再生されたと聞く。

★『魚民』『笑笑』『白木屋』などを展開する居酒屋大手の『モンテローザ』が大量閉店に踏み切っている。2016年末と2017年2月末では、100店減の2,017店と大幅減。大漁閉店に踏み切った理由を会社側は『人で不足のため、労働環境を改善させる必要があった』と説明している。外食産業は拘束時間が長く、給与も低く、糖同環境が悪いというイメージが定着している故か。

一方で、居酒屋業界は少子高齢化や消費者のアルコール離れといった需要の縮小や、専門店が人気を集め、豊富なメニューに特徴がある総合居酒屋が陳腐化するなど環境変化に苦しんでいる。ワタミやコロワイド、大庄といった大手が次々と店舗網を縮小する中、モンテローザだけが店数を増やし、いわば業界の流れに逆行していた。そして、この15年間で店舗数だけは1、000店も増やしたものの、売上高はほぼ1,300億円前後と横ばいで推移している。要はチェーン全体が水膨れ状態にあったと言える。今回の店舗閉鎖には、経営体質の改善も視野にいれたもののよう。確かにモンテローザの店は以前から、安いけど、質、味、そして店員のマナーに問題はあったねえ。

★無念だねえ、栃木県那須温泉スキー場の雪崩事故。ベテランのスキー教師や顧問がついていながら、強風注意報、積雪注意報、雪崩注意報の出る中、一応尾根歩きは中止し、スキー場での積雪歩きに変えたものの、雪崩によって8名もの事故死が。勇気を出し、中止を呼びかける声はスポーツイベントではなかなか出来ないことなのだろうが、それでも悔やまれる事故ではある。

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