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★今日の画像は、広島市中区の本通りに建立された『黒田博樹の手形モニュメント』と、牛田山の切り倒された木が芽を刺した様子、そして散った桜。大リーグから20億円超の年俸を蹴って、古巣カープに4億円で帰参、『男気・黒田』が全国にまん延。その結果、カープは25年ぶりのリーグ優勝を達成。その貢献を記念し、広島一の繁華街・本通りに黒田手形モニュメントが。広島の名所の一つになるだろうなあ。切り株から芽。牛田山にあった中国電力の鉄塔2基を撤去するため、トロッコを施設するため雑木を伐採。が、この春、切られた雑木の切り株から芽が出ているのを発見。なんとも生存力の旺盛な雑木達ではある。感動ものだった。右下をクリックすると、大きな画が見られます。
★★昭和58年、成城大学文芸学部国文科で、私は万葉集の大家である中西進先生のゼミを取っていた。3年生の春、ゼミの卒論に何を選べばいいか、中西先生に相談することにした。黒縁のメガネをかけた中西先生は厳かに口を開かれた。『斎藤君の親戚の中で、おじいさんの斎藤茂吉について研究しておられる方はいないのですか』『誰もいないと思います。伯父の斎藤茂太の子供達は、斎藤病院の事務長や精神科医、会社員、画家で、他の親戚にも研究している人はいないと思いますが・・』『それはもったいない。折角だから、斎藤君はおじいさんの作品を卒論にやってみたらどうかね』。学校の先生に『斎藤さんのおじいさんは凄い人なんだよ』と言われても実感がない、まるで遠い存在だった。それでも『もったいないねえ』という、中西先生の声が耳に残って、家に帰ったら夕食の席で父と母に相談しようと思った。
しかし、丁度その頃、父はまた大躁病になっており、その夜は巨人阪神戦の野球中継に夢中だった。私は思いきって話を切り出した。『パパ、中西先生が折角だから、齋藤茂吉をやったら、とおっしゃったんだけど、どう思う?』。中西先生の言葉に対し、母はすかさず言った。『あなた、おじいさんの歌なんて読んだことないでしょう。無理なんじゃない?』。すると、濡れタオルを頭に巻き、大声で阪神を応援していた父がおもむろに言った。『斎藤家の歴史が分かるから、折角だからやってみたら?』。躁病の父にしては珍しく真っ当な答えが返ってきたので仰天した。そして、その一言で、私は歌人・齋藤茂吉の研究をやることにしたのである。
翌月のゼミでは、学生がそれぞれ自分の卒論テーマを発表しなければならなかった。四年生の先輩も同席しており、私は緊張した。私は中西先生や四年生の先輩達、そして三年生の同期が何十人と見守る中で、『齋藤茂吉をやります』と、発表した。私が初めて、『齋藤家』を意識した瞬間であった。
卒論に向けて、まずは作品に当たることにした。自宅の二階には父の書斎と本棚が置いてある部屋の二部屋がある。久し振りに入ると、湿気た埃の匂いがし、たまにしか雨戸を開けないので黴臭かった。埃臭い薄暗い部屋で本棚を見ていくと、その中に『赤石シャッコウ 齋藤茂吉』という背表紙の本を見つけた。『あったー!』、思わず心の中で叫んだ。生まれて初めて祖父・齋藤茂吉の本にさわった。
ぺらぺらめくるも、初めてお目にかかる歌ばかり。が、一つあった。『みちのくの 母のいのちを一目みん 一目みんとぞいそぐなりけり』。初めて知っている歌があったと私は嬉しくなり、本を持って一階に下りて行った。『パパ、初めておじいちゃまの本読んだよ。知ってる歌があったんだ』『何と言う歌?』『「みちのくの 母のいのちをいちもくみん いちもくみんとぞいそぐなりけり」という歌だよ』。母が仰天した。『あなた、由香ったら「ひとめみん」を「いちもくみん」って言ったわよ!』『だめだなあ、由香は』。父は深いため息をついた。
そもそも私が言葉を知らず、知識がないのは父のせいである。私は一度も『勉強しなさい』と言われたことがなかった。が、この『一目』を『いちもく』と読み、母から指摘されたことはショックだった。『ねえ、ママ、輝子おばあちゃまに「いちもく」の事をお伝えしたら、びっくりされるかなあ?』『あまりのひどさに、輝子おばあちゃまだって何もおっしゃらないわよ』、母は冷たく言い放った。
(参考: 斎藤由香著『猛女と呼ばれた淑女』)
★俳優・黒柳徹子さんの自伝的物語『窓際のトットちゃん』が中国でベストセラーになっているが、このほど累計販売冊数が1千万部を超えた。小学校1年で退学になった、おてんばなトットちゃんを受け入れた小学校『トモエ学園』が舞台。個性を伸ばすユニークな教育を実践する小林校長や、そこに学ぶ友達との交流を生き生きと描く。終戦間際の空襲で学園は消失した。『以前は英雄が登場する本ばかり読んでいて、人は何か大きなことを成し遂げてこそ価値があると思っていた。しかし、子供は努力していれば、必ずしも他人に勝てなくていい。人生を豊かに送ってくれればいい。そう思えるようになったのが、この本の価値だと思う』。この本を中国語に翻訳した趙さんが最初に読んだ時の驚きを語る。日々の生活を楽しみ、学校の先生になる夢を持つ。そんなトットちゃんに違和感を覚えたが、今は違う、と。
教育に対する考え方に少しずつ変化が現れていることも後押ししたようだ。中国では大学入試『高考』が一生を左右すると言われ、幼稚園から塾通いも当たり前。成績重視でトットちゃんのように好奇心旺盛で先生の言うことを聞かない子は『問題児』扱いされてきた。だが今は、子供の個性を大事にするようになってきた、と言う。トットちゃんのような子供が大切にされ、大人になったら中国という国時代が大きく変わると思える。とてもいいことだなあ、前進、前進。
★空港での出入国審査が、簡便・正確・時短、に進む。利用者の多い、成田、羽田、中部、関西の4空港で、日本人の出入国審査を平成30年度から『顔認証技術』を活用して、本人確認する自動化ゲートの本格運用を始める。審査官に余力を生じさせ、増加する外国人入国者への対応に当てる狙いもある。羽田空港に今年10月から3台先行導入する予定だ。
パスポートを機械にかざしてICチップ内に保存されている顔画像を読み取った上で、利用者の顔もその場で撮影、照合する仕組み。同一人物と確認されれば、ゲートが開いて通過できる。このシステムによる審査の時間は、1人当たり十数秒。政府観光局によると、2010年に410万人だった訪外国人客数は28年に2,400万人まで増加。政府は32年に4千万人とすることを目指している。とてもいいことだなあ、あの出入国審査で長い列に並んで、時間を浪費させている現実が解消できるのだから。嬉しいねえ。まさにIT技術を生活面に活用する優れた例になるだろう。
★農業の担い手を育てるために各地に置かれている『農業大学校』が経営人材の育成に力を入れ始めた。大規模生産を手掛ける農業法人が増える中、生産技術だけではなく、法人経営のノウハウも就農者に求められるようになったためだ。地元の中小企業診断士が教壇に立ち『リーダーシップ論』を講義する。ノートを取る学生達の表情は真剣そのものだ。長野県農業大学校が2014年に設置した『実践経営者コース』。教育課程には簿記やマーケティング論、経営戦略論など、従来の農業大学校の枠を超えるような科目が並ぶ。学生は作業着姿で農作物を栽培する実習授業をこなす一方、座学の講義も受ける。公認会計士や農業法人の経営者などが講師を務めることもある。
農業生産法人の設立を目指している1年生の鈴木駿介(33)は、『農業を企業経営として考える時代。リスクの低減など重要なことを学べる』と興味津々。同じ1年生の高橋洋平(29)も、『技能は現場で経験を積めば習得出来るが、経営の勉強は現場では出来ない』と話す。学生は2年生になると農場を割り当てられ、売上高100万円規模の農家を運営する。全てを学生自身が担って農作物を売りさばいて行くと言う。また新潟農業大学校では、稲の生産工程の管理を必須で学んでいる。生産工程管理は食の安全を求める消費者の声の強まりを受け、農業経営で重視されるようになった概念だ。特に輸出を目指す農業法人には不可欠で、農業経営の基礎になっている。
農業大学校は現在全国に40校あり、高校卒業レベルの若者を受け入れている。主に2年制の専修学校で、農作業の習得に力点を置く。農林水産省と文部科学省は各大学校に対し、2019年度にも制度化される『専門農業大学』へ移行するよう求めている。第一弾として、静岡県立農林大学校が移行に向け検討に入っている。農業にも大改革の大波が押し寄せているようだ。5年くらい前に見た、オランダのトマト農園の規模、技術、IT化などを見て驚いたが、いよいよ日本にもその大波が押し寄せてくる時代だ。この大波にサーフィン同様、うまく乗り切り、農業長者が全国にあまた生まれることを期待するなあ。ガンバレ、農業大学校。
★その農業が県経済の基盤を支える長野県で、世界の投資家が注目するミニシャベルのメーカー『竹内製作所』がある。『今はどういう新製品を造っているのか』『どんなニーズがあるのか』。竹内製作所には外国人投資家が頻繁に訪れ、対応する役員達は質問攻めだ。北海道のニセコでスキーをした後、工場見学を挟み県内の白馬村で再びスキーという『ゴールデンルート』が欧州のファンドマネージャーの間で人気だ。
古くは刀鍛冶が集い、今は機械関連の企業が多い長野県坂城町。竹内製作所は主力の小型建設機械をここで造り、欧米やアジア諸国に輸出する。海外売上高比率は9割を超え、大半が欧米だ。得意分野は全長3~4mのミニショベルで、竹内製作所が初めて開発し海外で売り出した。竹内社長は、『大手と同じではなく、独自製品で勝負しなければ中小製造業は生き残れない』と話す。後継機の米国やアジア諸国で需要を伸ばしている。狭い場所で小回りが利き、山あいの宅地造成にも使われる。
アベノミクスで円安・ドル高が進んだ恩恵で、13年2月期に3%台だった営業利益率は16年2月期に16%台になり、その後も2ケタを維持している。外人投資家の関心も高い。野村證券が年末に開く海外投資家向けイベントは、投資家の求めで参加企業が決まる。16年は長野県から竹内製作所とセイコーエプソンだけが呼ばれた。従業員数500人弱の、まさに規模からすると本当の中小企業。が、18年2月期の営業利益率は15%を目指す。あのトヨタを凌ぐ優良企業に変身したスバルでさえ、18年3月期の営利は12%弱。いかに竹内製作所が意欲的で優良は企業かがうかがわれる。同社は『建機のベンツ』の異名を取る。ガンバレ、長野県、だ。
★カープ2年目薮田が、8日対ヤクルト戦に先発。7回を124球投げ、被安打3、与四球3、奪三振11、自責点2の大好投。山田を2三振、バレンティンを1三振に取るなど、低め外角に決まる切れのある直球などでチームを勝ち星に。カープはこの試合でリーグ一番の50勝に到達。2位阪神との差を9と広げ、首位独走態勢に入りつつある。
薮田のカープ入りについては、かつて書いたが、薮田のお母さんが運転するタクシーにたまたまカープの松田オーナーが乗り込んだのが話の始まり。お母さんは、ここぞとばかり息子が大学で野球の投手をしており、プロ野球加入への希望を持っている、一度見てくれ、と懇願。オーナーはその旨約束し、結果ドラフト2位で2015年にカープ入りが実現したもの。入団した薮田は、直球の威力はあるが球はバラバラ、コントロールに難のあるいまだ未完の右腕。それでも15年5.76だった防御率は、16年2.61と改善し、好悪織り交ぜての投球、投手陣の末尾に名を連ねるだけだった。今季は中継ぎからスタートしたが、投球内容も格段に進歩、とりわけコントロールがよくなった。結果途中から先発に抜擢され、合計28回の登板で防御率2.25と形ができてきて、なんとこの日の勝利で8勝目を挙げ、リーグで菅野と並ぶハーラーダービートップに躍り出た。見事というしかない薮田だが、お母さんの必至の努力が実ったと言え、なんともほほえましい孝行息子ではある。
★台湾から関空に向かっていた格安航空会社LCC『バニラ・エア』の機内にあるトイレ2か所で、金塊数十キロが見つかった。台北を早朝に出発し、午前8時半過ぎに関空に到着した便。飛行中に機内を見回っていた乗務員が、機内後方トイレ内に不審な布袋が隠されているのを見つけたと。到着後、大阪府警や税関が布袋の中身を調べると、金塊が大量に入っていた。昨今海外から日本に金塊を密輸する事件が相次いでいる。日本で売りさばき、諸費税分の利ザヤを稼ぐのが目的。関空でも多くの密輸が発見されているが、小型船を使って佐賀県唐津市の港に206キロ、9億円の金塊を密輸し、逮捕された事件は記憶に新しい。たかが8%の利ザヤと言っても、10億円の金塊を密輸すれば8千万円の利ザヤがかせげる。暴力団などが新しい資金源にしているに違いない。
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★今日の画像は、広島市中区の本通りに建立された『黒田博樹の手形モニュメント』と、牛田山の切り倒された木が芽を刺した様子、そして散った桜。大リーグから20億円超の年俸を蹴って、古巣カープに4億円で帰参、『男気・黒田』が全国にまん延。その結果、カープは25年ぶりのリーグ優勝を達成。その貢献を記念し、広島一の繁華街・本通りに黒田手形モニュメントが。広島の名所の一つになるだろうなあ。切り株から芽。牛田山にあった中国電力の鉄塔2基を撤去するため、トロッコを施設するため雑木を伐採。が、この春、切られた雑木の切り株から芽が出ているのを発見。なんとも生存力の旺盛な雑木達ではある。感動ものだった。右下をクリックすると、大きな画が見られます。
★★昭和58年、成城大学文芸学部国文科で、私は万葉集の大家である中西進先生のゼミを取っていた。3年生の春、ゼミの卒論に何を選べばいいか、中西先生に相談することにした。黒縁のメガネをかけた中西先生は厳かに口を開かれた。『斎藤君の親戚の中で、おじいさんの斎藤茂吉について研究しておられる方はいないのですか』『誰もいないと思います。伯父の斎藤茂太の子供達は、斎藤病院の事務長や精神科医、会社員、画家で、他の親戚にも研究している人はいないと思いますが・・』『それはもったいない。折角だから、斎藤君はおじいさんの作品を卒論にやってみたらどうかね』。学校の先生に『斎藤さんのおじいさんは凄い人なんだよ』と言われても実感がない、まるで遠い存在だった。それでも『もったいないねえ』という、中西先生の声が耳に残って、家に帰ったら夕食の席で父と母に相談しようと思った。
しかし、丁度その頃、父はまた大躁病になっており、その夜は巨人阪神戦の野球中継に夢中だった。私は思いきって話を切り出した。『パパ、中西先生が折角だから、齋藤茂吉をやったら、とおっしゃったんだけど、どう思う?』。中西先生の言葉に対し、母はすかさず言った。『あなた、おじいさんの歌なんて読んだことないでしょう。無理なんじゃない?』。すると、濡れタオルを頭に巻き、大声で阪神を応援していた父がおもむろに言った。『斎藤家の歴史が分かるから、折角だからやってみたら?』。躁病の父にしては珍しく真っ当な答えが返ってきたので仰天した。そして、その一言で、私は歌人・齋藤茂吉の研究をやることにしたのである。
翌月のゼミでは、学生がそれぞれ自分の卒論テーマを発表しなければならなかった。四年生の先輩も同席しており、私は緊張した。私は中西先生や四年生の先輩達、そして三年生の同期が何十人と見守る中で、『齋藤茂吉をやります』と、発表した。私が初めて、『齋藤家』を意識した瞬間であった。
卒論に向けて、まずは作品に当たることにした。自宅の二階には父の書斎と本棚が置いてある部屋の二部屋がある。久し振りに入ると、湿気た埃の匂いがし、たまにしか雨戸を開けないので黴臭かった。埃臭い薄暗い部屋で本棚を見ていくと、その中に『赤石シャッコウ 齋藤茂吉』という背表紙の本を見つけた。『あったー!』、思わず心の中で叫んだ。生まれて初めて祖父・齋藤茂吉の本にさわった。
ぺらぺらめくるも、初めてお目にかかる歌ばかり。が、一つあった。『みちのくの 母のいのちを一目みん 一目みんとぞいそぐなりけり』。初めて知っている歌があったと私は嬉しくなり、本を持って一階に下りて行った。『パパ、初めておじいちゃまの本読んだよ。知ってる歌があったんだ』『何と言う歌?』『「みちのくの 母のいのちをいちもくみん いちもくみんとぞいそぐなりけり」という歌だよ』。母が仰天した。『あなた、由香ったら「ひとめみん」を「いちもくみん」って言ったわよ!』『だめだなあ、由香は』。父は深いため息をついた。
そもそも私が言葉を知らず、知識がないのは父のせいである。私は一度も『勉強しなさい』と言われたことがなかった。が、この『一目』を『いちもく』と読み、母から指摘されたことはショックだった。『ねえ、ママ、輝子おばあちゃまに「いちもく」の事をお伝えしたら、びっくりされるかなあ?』『あまりのひどさに、輝子おばあちゃまだって何もおっしゃらないわよ』、母は冷たく言い放った。
(参考: 斎藤由香著『猛女と呼ばれた淑女』)
★俳優・黒柳徹子さんの自伝的物語『窓際のトットちゃん』が中国でベストセラーになっているが、このほど累計販売冊数が1千万部を超えた。小学校1年で退学になった、おてんばなトットちゃんを受け入れた小学校『トモエ学園』が舞台。個性を伸ばすユニークな教育を実践する小林校長や、そこに学ぶ友達との交流を生き生きと描く。終戦間際の空襲で学園は消失した。『以前は英雄が登場する本ばかり読んでいて、人は何か大きなことを成し遂げてこそ価値があると思っていた。しかし、子供は努力していれば、必ずしも他人に勝てなくていい。人生を豊かに送ってくれればいい。そう思えるようになったのが、この本の価値だと思う』。この本を中国語に翻訳した趙さんが最初に読んだ時の驚きを語る。日々の生活を楽しみ、学校の先生になる夢を持つ。そんなトットちゃんに違和感を覚えたが、今は違う、と。
教育に対する考え方に少しずつ変化が現れていることも後押ししたようだ。中国では大学入試『高考』が一生を左右すると言われ、幼稚園から塾通いも当たり前。成績重視でトットちゃんのように好奇心旺盛で先生の言うことを聞かない子は『問題児』扱いされてきた。だが今は、子供の個性を大事にするようになってきた、と言う。トットちゃんのような子供が大切にされ、大人になったら中国という国時代が大きく変わると思える。とてもいいことだなあ、前進、前進。
★空港での出入国審査が、簡便・正確・時短、に進む。利用者の多い、成田、羽田、中部、関西の4空港で、日本人の出入国審査を平成30年度から『顔認証技術』を活用して、本人確認する自動化ゲートの本格運用を始める。審査官に余力を生じさせ、増加する外国人入国者への対応に当てる狙いもある。羽田空港に今年10月から3台先行導入する予定だ。
パスポートを機械にかざしてICチップ内に保存されている顔画像を読み取った上で、利用者の顔もその場で撮影、照合する仕組み。同一人物と確認されれば、ゲートが開いて通過できる。このシステムによる審査の時間は、1人当たり十数秒。政府観光局によると、2010年に410万人だった訪外国人客数は28年に2,400万人まで増加。政府は32年に4千万人とすることを目指している。とてもいいことだなあ、あの出入国審査で長い列に並んで、時間を浪費させている現実が解消できるのだから。嬉しいねえ。まさにIT技術を生活面に活用する優れた例になるだろう。
★農業の担い手を育てるために各地に置かれている『農業大学校』が経営人材の育成に力を入れ始めた。大規模生産を手掛ける農業法人が増える中、生産技術だけではなく、法人経営のノウハウも就農者に求められるようになったためだ。地元の中小企業診断士が教壇に立ち『リーダーシップ論』を講義する。ノートを取る学生達の表情は真剣そのものだ。長野県農業大学校が2014年に設置した『実践経営者コース』。教育課程には簿記やマーケティング論、経営戦略論など、従来の農業大学校の枠を超えるような科目が並ぶ。学生は作業着姿で農作物を栽培する実習授業をこなす一方、座学の講義も受ける。公認会計士や農業法人の経営者などが講師を務めることもある。
農業生産法人の設立を目指している1年生の鈴木駿介(33)は、『農業を企業経営として考える時代。リスクの低減など重要なことを学べる』と興味津々。同じ1年生の高橋洋平(29)も、『技能は現場で経験を積めば習得出来るが、経営の勉強は現場では出来ない』と話す。学生は2年生になると農場を割り当てられ、売上高100万円規模の農家を運営する。全てを学生自身が担って農作物を売りさばいて行くと言う。また新潟農業大学校では、稲の生産工程の管理を必須で学んでいる。生産工程管理は食の安全を求める消費者の声の強まりを受け、農業経営で重視されるようになった概念だ。特に輸出を目指す農業法人には不可欠で、農業経営の基礎になっている。
農業大学校は現在全国に40校あり、高校卒業レベルの若者を受け入れている。主に2年制の専修学校で、農作業の習得に力点を置く。農林水産省と文部科学省は各大学校に対し、2019年度にも制度化される『専門農業大学』へ移行するよう求めている。第一弾として、静岡県立農林大学校が移行に向け検討に入っている。農業にも大改革の大波が押し寄せているようだ。5年くらい前に見た、オランダのトマト農園の規模、技術、IT化などを見て驚いたが、いよいよ日本にもその大波が押し寄せてくる時代だ。この大波にサーフィン同様、うまく乗り切り、農業長者が全国にあまた生まれることを期待するなあ。ガンバレ、農業大学校。
★その農業が県経済の基盤を支える長野県で、世界の投資家が注目するミニシャベルのメーカー『竹内製作所』がある。『今はどういう新製品を造っているのか』『どんなニーズがあるのか』。竹内製作所には外国人投資家が頻繁に訪れ、対応する役員達は質問攻めだ。北海道のニセコでスキーをした後、工場見学を挟み県内の白馬村で再びスキーという『ゴールデンルート』が欧州のファンドマネージャーの間で人気だ。
古くは刀鍛冶が集い、今は機械関連の企業が多い長野県坂城町。竹内製作所は主力の小型建設機械をここで造り、欧米やアジア諸国に輸出する。海外売上高比率は9割を超え、大半が欧米だ。得意分野は全長3~4mのミニショベルで、竹内製作所が初めて開発し海外で売り出した。竹内社長は、『大手と同じではなく、独自製品で勝負しなければ中小製造業は生き残れない』と話す。後継機の米国やアジア諸国で需要を伸ばしている。狭い場所で小回りが利き、山あいの宅地造成にも使われる。
アベノミクスで円安・ドル高が進んだ恩恵で、13年2月期に3%台だった営業利益率は16年2月期に16%台になり、その後も2ケタを維持している。外人投資家の関心も高い。野村證券が年末に開く海外投資家向けイベントは、投資家の求めで参加企業が決まる。16年は長野県から竹内製作所とセイコーエプソンだけが呼ばれた。従業員数500人弱の、まさに規模からすると本当の中小企業。が、18年2月期の営業利益率は15%を目指す。あのトヨタを凌ぐ優良企業に変身したスバルでさえ、18年3月期の営利は12%弱。いかに竹内製作所が意欲的で優良は企業かがうかがわれる。同社は『建機のベンツ』の異名を取る。ガンバレ、長野県、だ。
★カープ2年目薮田が、8日対ヤクルト戦に先発。7回を124球投げ、被安打3、与四球3、奪三振11、自責点2の大好投。山田を2三振、バレンティンを1三振に取るなど、低め外角に決まる切れのある直球などでチームを勝ち星に。カープはこの試合でリーグ一番の50勝に到達。2位阪神との差を9と広げ、首位独走態勢に入りつつある。
薮田のカープ入りについては、かつて書いたが、薮田のお母さんが運転するタクシーにたまたまカープの松田オーナーが乗り込んだのが話の始まり。お母さんは、ここぞとばかり息子が大学で野球の投手をしており、プロ野球加入への希望を持っている、一度見てくれ、と懇願。オーナーはその旨約束し、結果ドラフト2位で2015年にカープ入りが実現したもの。入団した薮田は、直球の威力はあるが球はバラバラ、コントロールに難のあるいまだ未完の右腕。それでも15年5.76だった防御率は、16年2.61と改善し、好悪織り交ぜての投球、投手陣の末尾に名を連ねるだけだった。今季は中継ぎからスタートしたが、投球内容も格段に進歩、とりわけコントロールがよくなった。結果途中から先発に抜擢され、合計28回の登板で防御率2.25と形ができてきて、なんとこの日の勝利で8勝目を挙げ、リーグで菅野と並ぶハーラーダービートップに躍り出た。見事というしかない薮田だが、お母さんの必至の努力が実ったと言え、なんともほほえましい孝行息子ではある。
★台湾から関空に向かっていた格安航空会社LCC『バニラ・エア』の機内にあるトイレ2か所で、金塊数十キロが見つかった。台北を早朝に出発し、午前8時半過ぎに関空に到着した便。飛行中に機内を見回っていた乗務員が、機内後方トイレ内に不審な布袋が隠されているのを見つけたと。到着後、大阪府警や税関が布袋の中身を調べると、金塊が大量に入っていた。昨今海外から日本に金塊を密輸する事件が相次いでいる。日本で売りさばき、諸費税分の利ザヤを稼ぐのが目的。関空でも多くの密輸が発見されているが、小型船を使って佐賀県唐津市の港に206キロ、9億円の金塊を密輸し、逮捕された事件は記憶に新しい。たかが8%の利ザヤと言っても、10億円の金塊を密輸すれば8千万円の利ザヤがかせげる。暴力団などが新しい資金源にしているに違いない。