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『チキンラーメン生みの親「安藤百福伝㉕」 「カップライス、発売直後に撤退す」』

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今日の画像は、日々進化する広島の自動車メーカーマツダのヒットSUV『CX-5 25T』です。世界に広島からはばたく名車、ガンバレCX-5です。歴史的な名車『マツダ・ロードスター』に続いて『世界の名車』になっとくれな、広島のためにも。カープもサンフレも応援しているよ。`右下をクリックすると、大きな画が見られます。


★★NHKの朝ドラ『まんぷく』。チキンラーメンの生みの親『安藤百福さんの妻仁子さん』を主人公にしたドラマ。フィクションの部分もだいぶある。百福さんが台湾生まれで、織物の商売で独り立ちされたこと、終戦時には不動産に手を染め、その関係で信用組合の理事長に祭り上げられたことなど、経済人、財界人としての横顔が落ちている。ここに百福さんの『私の履歴書』を参考に、『チキンラーメン、即席ラーメン、百福さん』の歴史を綴る。


★★★『あの時にこれがあったらなあ。戦地では火がたけなかったから、干飯をかじって頑張ったものですよ』。衆議院議員の園田直さんが、感に堪えないように言われた。東京・赤坂の料亭『新長谷川』で、カップライスの試食会を開いた時のことである。福田赳夫さん、田中龍夫さん、歴代の農林大臣、それに経団連の土光敏夫さんらがおられた。熱湯をかけるだけで出来る『エビピラフ』『ドライカレー』『チキンライス』など7種類の商品を、異口同音に『素晴らしい』と褒めていただいた。

食糧庁の大広間で、長官以下幹部職員を集めて試食会を開いた時も絶賛された。農林省食品総合研究所の評価は『歯触り、味ともに優れ、即席ライスとしてこれ以上望むことは難しい』と言うものだった。新聞にも『奇跡の食品』『米作農業の救世主』といった見出しが躍った。私自身も長い経営者人生の中で、これほど褒めそやされたことはなかった。インスタントラーメンの世界では、相変わらずカップめんに関する特許紛争が続いている時期だったし、心の片隅で『ラーメンはほかの者に任せて、この新しい市場に全力を傾けたい』という誘惑に駆られていた。完全に舞い上がってしまったのである。

土光さんはカップライスに大きな関心を持たれた。ある会合でこの新製品についてお話したら『日本の農業のためになる。大いにやってください』と励まされた。そればかりか、東芝関係の技術者を呼ばれて、カップライスを大量に調達する炊飯器の開発を命じられた。学校給食用に消費することを考えられたのである。目刺しに一汁の食事を旨とされていた土光さんに、米食文化復興の思いがあることを知った。


私は、滋賀工場にカップライスのための新鋭設備を4ライン建設した。当時の日清食品の資本金の2倍、ほぼ年間利益に匹敵する30億円を投じた。事前のマスコミ報道もあり、流通筋の受けも良かった。こうして1975年(昭50)10月、カップライスが世に出た。前途洋々の船出のはずだった。

ところが発売から1ヵ月後、営業担当者が『追加注文がありません』と言ってきた。そんなはずはない。私はスーパーの店頭を見て回った。陳列コーナーには1個200円のカップライスが山と積まれていた。見ていると一度は買い物籠に入れた主婦が、しばらくすると戻しに来た。どうして返されるのですか、と聞くと、『高すぎます。カップライス1個で袋入りラーメンが10-個買えますから』と言う。あるメーカーが隣の棚でラーメン5個100円の特売をしていたのである。さらに主婦はこう付け加えた。『よく考えると、ご飯は家でも炊けますからね』。

小麦粉の5倍もする米を原料にしていたのでは、とうていめんとの競争には勝てない。土光さん発案の炊飯器も試作段階を経てほぼ完成に近づいていたが、コスト高や既存の給食業者との競合があって、実用化には至らなかった。私はカップライスの人気が実態のない砂上の楼閣であることをに気付いた。撤退を覚悟した。30億円は捨てても仕方がないという気持になった。

社内では、時間をかけて消費者の需要を掘り起こそうという意見が大半を占めた。しかし、私の意志は固かった。経営は進より退く方が難しい。撤退の時を逃したら、泥沼でもがくことになる。自分の責任で決断出来た。多数の意見を聞いて決断を先延ばしにしていたら、本業の即席めんまで危うくなっていたかも知れない。(参考: 2001年9月・日経新聞『私の履歴書』。07年没、享年96歳)



★★いよいよ『平成』も終わる。『昭和』はどんどん遠くなる。その昭和の歌謡界で、是非ともアップしておきたい人、『西条八十さん』。西条さんは、早稲田大の仏文の教授でありながら、童謡や校歌、歌謡曲の作詞も行って、同僚らから『堕落だ』と厳しく攻められた。なら、大衆のためだと、教授職を投げ打つ。そして作詞と仏文の研究を貫きとおし、幾多の名曲を生み出した。(「おみやげ三つ」「お山の大将」「女ごころ」「風」「肩たたき」)


『西條八十㉔ 著作権協会会長に、喉にガンを発見』
昭和37年1月15日、八十の70歳の誕生日に、門下生と友人60人が日比谷の『陶々亭』で古稀を祝う会を開いてくれた。この会はもうひとつお祝いの意味があった。昨年11月、日本芸術会員内定したのである。『フランス文学、詩、童謡、歌謡など、幅広い活動と業績により』というのが推薦理由だ。その会が終わると、CISAC本部(国際著作権協会)及び欧米の主要音楽家著作権団体に著作権法改正への協力を要請するため、アメリカ、ヨーロッパへ赴く。NYにあるアメリカの2つの著作権団体、ASCAPとBMIへの訪問した。両協会の会長は共に、日本の著作権法は極めて時代遅れのもので、第38条の撤廃は急を要すると主張し、『アメリカ音楽のレコード放送の禁止を要求する権限を西條会長に一任する』と表明。これで法改正に向けて大きな力を得たことになった。

NYからパリへ飛び、フランス音楽著作権協会の元会長で現在はCISACの事務総長を努める旧知のレオン・マラブラートと懇談する。ここでもフランス政府に陳情書を提出し、日本へ法改正を働きかけると約束を得た。帰国して年が明けると、八十の体調が思わしくない。時々咳き込んで、呼吸が苦しくなる。診察を受けると、精密検査の結果、肺気腫の気味があると診断された。煙草がいけないようだ。現在缶入りピースを日にひと缶、50本も吸っている。30年間巣続けたのをすぐやめれるものではなく、徐々に本数を減らす約束をした。

この年、歌謡界は新人歌手の豊作だった。女性歌手では『島のブルース』の三沢あけみと『こんにちは赤ちゃん』の梓みちよ、男性歌手ではコロンビアの、『高校三年生』の舟木一夫である。舟木は高校を卒業していたが、まだ学生服が似合う19歳の若者だ。『高校三年生』のレコードは1年足らずのうちに百万枚を突破した。作詞は門下生の丘灯夫とあって八十も鼻が高い。昭和39年5月、舟木が担当ディレクターに伴われて西條家へ挨拶に来た。屈託のない若者は、いきなりこう尋ねた。『先生はこの数年、ほんの数曲しか歌をお書きになってませんね。どうしてですか』。側でディレクターがはらはらしているが、八十はそんな舟木に好感を抱いて率直に答えた。『それはね、一夫君。仕事をしてもお金を稼いでも、それを使ってくれる人がいなくなっちゃったんだよ』『どういうことですか』『僕の奥さんが大変な浪費家でね。こんな大きな家を買ったり、アメリカの大きな外車を買ったり、稼いだお金をじゃんじゃん使ってくれたんだ。ところが、その人が亡くなってしまい、仕事をしてもお金の使い道がない。使わないお金をむきなって稼ぐことはないだろう』。舟木は納得したようで、微笑みながらうなずいた。八重歯が愛らしい。この若者のためにいい歌を作ってやろうと思った。


◇『花咲く乙女たち』
  カトレアのように 派手な人 鈴蘭のように 愛らしく
  またわすれな草の 花に似て 気弱でさみしい 眼をした子
 みんなみんな どこへゆく 街に花咲く乙女たちよ

レコード発売直後の10月2日、八十は再び入院した。喉に違和感があり、痰に血が混じったので、虎ノ門病院で検査をすると、扁桃腺の上に親指大のガンが見つかり、手術の必要があると言う。早速除去手術をしたところ、転移がなくて安心した。ただ喫煙は許されないので禁煙せざるを得ない。この1年半の間に、兄の英治と妹の冨貴を続けて亡くした。英治は8歳も年上なので先に逝くのはしかたないが、冨貴は5つも下である。しかも晴子の死後、よく家を訪ね慰めてくれたので悲しみは深い。妻に続いて兄妹に先立たれ、ガンの手術を受け、好きな煙草も止めた。楽しみはランボオの研究だけで、ようやく出版のメドが立った。病室に原稿を持ちこんで、コバルト情報で衰弱した身体に鞭打ちながら校正ペンを入れている。

入院中の12月29日、三木露風が亡くなった。詩の世界へ導いてくれた恩人である。翌年1月18日の告別式の時は退院していたので葬儀委員長は引き受けたが、喉の調子が戻らないので、霊前に捧げる『弔詩』は嫩子フタバコに代読させた。  (参考: 吉川潮著『流行歌・西條八十物語』)


★★<萩市に4億円超を寄付『大学進学時に援助』男性が遺言>山口県萩市出身で、東京都内で航空機エンジン修理業を営んでいた会社経営者の男性が昨年3月に死去し(享年84)、遺言によって萩市が44億735万円の寄付を受けた。藤道健二市長は『高額寄付には感謝しかない』。使い道については今後、検討するという。

寄付したのは、東京都の小原実夫さん。遺言執行者の司法書士によると、小原さんは『市の発展に寄与する建物の建設資金にあてて欲しい』と希望していた。萩市などによると、小原さんは県立萩高校を卒業後、都内の大学へ進学。航空機エンジン修理会社を起こし、亡くなる直前まで同社の社長を務めていた。小原さんは生前、『生まれ育ち、大学に進学する時に援助してもらった関係者が住む萩市に寄付したい』との意向をもっていたという。司法書士が今年1月17日付で、市の口座に振り込んだ。

市によると、2005年の1市2町4村の合併以降、寄付としては最高額。ふるさと納税などを積み立てている『あなたのふるさと萩応援基金』に全額を繰り入れた。

すがすがしい話だねえ。あの青森市の匿名20億円の寄付といい、なにか心を打つものがある。世の中で仕事をし、成功した結果をまた社会に還元する心意気、本当にすがすがしい。


★★<河野景子の元貴乃花親方との結婚生活“暴露本”が大炎上>『ふざけている』と非難ゴウゴウ。昨年10月に元貴乃花親方(花田光司・46)と離婚した元アナウンサーの河野景子さん(54)が告白本『こころの真実 23年間のすべて』(世界文化社)で、これまでの結婚生活や離婚理由などを赤裸々に明かした。

同書では結婚当初から嫌がらせ誹謗中傷の手紙が届き精神的に追いつめられ自傷行為を繰り返したことや円形脱毛症になりカツラをつけて生活していたこと、さらに執筆の動機などについても言及している。この話題を取り上げた3月7日放送の『バイキング』に出演した中条きよしは、『別れたのに、なんでこんなこと書くの? ふざけてる』と痛烈に河野さんを批判した。

さらに『後々、相手だって再婚するわけだし結婚するわけだし…、こんなこと、本にして書く必要性がない。なんで書くんだって。全部知らせなきゃいけないって、オレの中では分からない』と続けた。

『告白本に関しては、ネットでも批判的な意見が目立っています。なかには「息子と同じで、空気読めない親子」「結局、自分が目立ちたいんでしょ」など、離婚後に事実を明かした姿勢に対して批判する声が後を絶たない』。罪な、河野景子さんだねえ。

これまでも別れた後に出版された暴露本といえば、郷ひろみの『ダディ』や辺見えみりの『エミリブック』、また長谷川理恵の『願力』などがあるが、『いずれも読者からはあまり好意的に受け容れられなかった』(同前)という。『当事者の2人しか知らない秘め事というのを暴露するのは、芸能マスコミ的にはいい話題の一つではありますが、たとえば、子どもや親戚、あるいは相手が後に別の家庭を築いた時のことを考えたら、やはり語らなくていいこと、他の人には知らせなくてもいいこともあるはず』(同)。

芸能リポーターの川内天子さんも『ちょっとルール違反』と話す。『どこの家庭もいろいろな問題を抱えているし、離婚の理由も千差万別。相撲部屋という特殊な環境での苦労もあったと思いますが、だからこそ言っていいことの限度があると思います』。

河野さんは、23年間の結婚生活があったからこそ成長できたこと、そして何より花田氏への感謝を綴っているが、有名人であればこそ、“秘する花を知ること”も大事なのでは…。


★★<日々進化するマツダCX-5 『25T Lパッケージ試乗記>さりげなくデキる。広島の自動車メーカー・マツダが開発したヒットSUV『CXー5』。日日新しい技術を導入し、進化するその姿。その『マツダCX-5』のラインナップに加わった、最もパワフルなガソリンターボ車『25T』に試乗。その走りは驚くほど軽快かつさわやかで、いまどき貴重な“内燃機関のよさ”を印象づけるものだった。

◇ラインナップを続々強化
2012年に初代が投入されたマツダCX-5は、2016年に発表された第2世代でも好調な販売をキープし、いまや同社のグローバル販売台数の4分の1を占める。

マツダは近年、年次改良どころか、いいものができれば、その都度、商品に反映する方針を表明し、これを実行している。ここに紹介するCX-5 25T Lパッケージ(4WD)もまたしかり。2017年早々に国内販売が始まった2代目CX-5は、翌2018年2月にエンジンの実用トルクと燃費の向上が図られ、同時に「360°ビューモニター」がオプション設定された。と思ったら、同じ年の10月にはスカイアクティブ-G 2.5ガソリンエンジンにターボ版を追加、「G-ベクタリングコントロール(GVC)」にブレーキ制御を組み合わせた「G-ベクタリングコントロール プラス(GVCプラス)」なる新デバイスを全車標準で採用すると発表し、翌月から販売を開始している。

CX-5のラインナップを整理しておくと、スカイアクティブ-G(ガソリン)2.0と同2.5、D(ディーゼル)2.2があったところにGの2.5Tが加わった。駆動方式は、2.0はFFのみ、それ以外はFFと4WDの両方がある。ギアボックスは6段ATが基本だけれど、ディーゼルには6段MTも2018年秋に追加されたことはマツダのエンスージアズムの真骨頂だろう。いったい何台売れるのだろう。2.5Tという表記はエンジンを、25Tと書くと“2.5Tを搭載したモデル”を表す。25Tが加わったことでガソリン陣営の厚みが増し、CX-5はディーゼルの旗艦とガソリンの旗艦、2トップをそろえたことになる。

テスト車は、25TのLパッケージという、2.5T搭載モデルの上から2番目のグレードで、この上に、ナッパレザーやオプションの10スピーカーのBoseサウンドシステム等を標準装備する特別仕様車「エクスクルーシブモード」が設けられている。とはいえ、この「特別仕様車」のベースはLパッケージで、装備はこちらで十分以上のものがある。実際、筆者は試乗車の特別塗装色「ソウルレッドクリスタルメタリック」(7万5600円)にオッと思い、ドアを開けて目に飛び込んできた雪景色のごとき、「レザー・ピュアホワイト」と呼ばれるシートカラーのインテリアにこれまたオッと思った。


◇驚くほどさわやか
エンジン横置きFFベースのSUVだから、居住空間も荷室も、後輪駆動ベースの同クラス車に比して広い。ドアの形状や内側も乗降性や使い勝手、スペース効率というものを大いに意識してデザインされている。

注目の国内初登場、スカイアクティブ-G 2.5Tは、ボア89.0×ストローク100.0mm、排気量2488佞猟称4気筒直噴エンジンにターボを装着して、最高出力230ps/4250rpm、最大トルク420Nm /2000rpm を得ている。自然吸気の2.5は188ps/6000rpmと250Nm/4000rpmで、回せば気持ちがいいユニットだけれど、ターボ版はグッと中低速トルクが分厚くなっている。ちなみにスカイアクティブ-D 2.2は190ps/4500rpmと450Nm/2000rpmで、つまり2.5Tはディーゼル並みのトルクを誇る。

というような数値を例によって予習することなく試乗した筆者は、ともかくその動きの軽くて、さわやかなことに軽く驚嘆した。軽く、というのは、最近のマツダ車は何に乗っても『ロードスター』を思わせる、という前提がすでに筆者の内側にあるということ、単に『驚嘆した』と書いたのでは読者諸兄の共感が得られまいという無意識の防衛本能が働いたこと、さらに直前に『アルファ・ロメオ・ステルヴィオ』の『クアドリフォリオ』、510psと600NmのモンスターSUVに乗っていた、ということが挙げられる。

ステルヴィオ クアドリフォリオの直後だというのに、ぽっかり穴が開いたようなクアドリフォリオロスが感じられない。それって、いまから考えるとすごいことでないか。河合奈保子のあとに堀ちえみに会った、という例えを思いついたけれど、それが何を意味するのか、筆者にもよくわかりませんが、ソフィア・ローレンのあとに河合奈保子に会った、あー、ともかくである、CX-5 25Tは軽やかに走りだしたのである。あまりにそれは自然なことのように思われたのだけれど、考えてみたら、こういう軽やかさを持つクロスオーバーSUVが国産車であっただろうか……。


◇目玉の技術は黒子スライドのごとく
2.5Tはエンジン自体の存在感は控えめで、ほとんど裏方に徹している。なめらかでトルキーなことはタダモノではないけれど、スポーツカーのような劇画調のエキサイトメントではなくて、スポーティーサルーン用のようなスムーズネスを身上としていて、ディーゼルと違って6000rpmまでストレスなくパワーを紡ぎだしながら回る。

車重1680kgで、FFベースだから車検証に見る前荷重は1000kg、後ろ荷重は680kgと明瞭にフロントヘビーのクルマだ。それが山道でも気持ちよくノーズを向け、気持ちよくコーナーを駆け抜ける。これが、新たに全車標準装備となったGVCプラスのおかげである、かどうか筆者に確信はない。GVCはターンイン時にドライバーのステアリング操作に応じて、エンジンの駆動トルクをドライバーにはわからない程度の範囲で絞り、前荷重にするという世界初の制御技術である。たとえわずかでも前荷重にするとフロントのタイヤのグリップ力が上がって曲がりやすくなる。

GVCプラスはこれに加えてターンアウト時、ステアリングを戻すと同時にフロント外輪に若干ブレーキをかけて車体をまっすぐにする手助けを自動的に行う。ターンインの際、コーナーに対してフロントの内輪にブレーキをかけて曲がりやすくするシステムを持つクルマは珍しくない。でも、コーナーがどれだけ曲がっているのかを予測するのはむずかしい。対して脱出の際、車体を直進方向に戻すのにブレーキを使うのは、ドライバーがステアリングを戻したことで判断すればいいのだからより簡単で、より安全である、とマツダは考えた。

ということなのだけれど、前方の道が曲がっていたら、たいていのドライバーは減速するだろう。とすると、GVCの働く余地なんてどのくらいあるのだろう? と猜疑(さいぎ)心の強い筆者は思う。思うけれど、事実としてCX-5はよく曲がる。そして、コーナー脱出時にピピッとボディーが瞬時に動いている、と感じることがあって、おそらくこれがブレーキ制御によるものだろうと思うけれど、なんせ一瞬のことであって、あからさまに不自然な動きともいえない。つまり、GVCプラスは巧妙に働いている、と推測される。


◇いまとなっては貴重な存在
CX-5 25Tの4WDは、全高1690mmという高さから生まれるであろう不安をいささかも感じさせることなく、主にターンパイクだけれど、スイスイと登ってスイスイと曲がってみせた。ロールは大きく、足は柔らかめの設定で、225/55R19という大きなサイズのタイヤを履いているけれど、いわゆるバネ下がドタドタ動くこともない。

2019年のこの時点でおいて、フツーによいのである。ハイブリッド、電動化へと流れるいまの時代にあって、内燃機関のよさで成り立っているCX-5 25Tの貴重さときたら、いったいいかばかりであるか。2代目の発表と同時に2.5Tが国内にも登場していたら、もっともっと注目を浴びていたに違いない。徳大寺有恒さんの表現を勝手に拝借すると、「さりげなくさりげあるものを」であると筆者は思う。

CX-5 25T Lパッケージ(4WD)の車両本体価格は355万3200円。ディーゼルの同仕様より、5000円ほどお求めやすい。これに特別塗装色(7万5600円)に、CD&DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(3万2400円)、Boseサウンドシステム(8万1000円)等のオプションが付いていて378万5400円。一番高いエクスクルーシブモードとLパッケージは30万円(+税)しか違わないから、Lパッケージにオプションを付けていくより、エクスクルーシブモードの方がお値打ちかもしれない。お気をつけください。

なお、FFと4WDの識別点は、「AWD」のバッジ以外にリアフォグランプ(運転席側)とヘッドランプウオッシャーの有無がある。前から見て、ヘッドランプの下にウォッシャー用の小さな出っ張りがあったら4WDである。トリビア問題で出る可能性があるかも……。(参考: 今尾直樹筆 試乗レポート)


◇テスト車のデータ   
マツダCX-5 25T Lパッケージ  
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4545×1840×1690mm
ホイールベース:2700mm   車重:1680kg   駆動方式:4WD
エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:6段AT  最高出力:230ps(169kW)/4250rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2000rpm
タイヤ:(前)225/55R19 99V/(後)225/55R19 99V(トーヨー・プロクセスR46)
燃費:12.2km/リッター(WLTCモード)、9.1km/リッター(市街地モード:WLTC-L)、12.4km/リッター(郊外モード:WLTC-M)、14.1km/リッター(高速道路モード:WLTC-H)
価格:355万3200円/テスト車=378万5400円
オプション装備:ボディーカラー<ソウルレッドクリスタルメタリック>(7万5600円)/CD&DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー<フルセグ>(3万2400円)/Boseサウンドシステム<AUDIOPILOT2+Centerpoint2>+10スピーカー(8万1000円)/360°ビューモニター+フロントパーキングセンサー<センター/コーナー>(4万3200円)
テスト車の年式:2018年型  テスト開始時の走行距離:3206km


★★<米共和党幹部が債務増大予算教書批判>米上院予算委員会のマイク・エンジ委員長(共和党)は、トランプ大統領の2020年度予算教書について不満を示し、債務増大によって米国は『不吉な方向に向かっている』と述べた。予算教書に関する同委員会の公聴会で『われわれはクレジットカード議会にいる』と指摘。米政府の赤字は近く、年1兆ドルを超えるとし、『われわれは明らかに不吉な方向に向かっている』と語った。

トランプ氏の予算案は、下院の過半数を握る民主党の反対に直面し、成立する可能性は低い。公聴会で民主党は、トランプ氏の社会保障費削減案に焦点を当て、2020年の大統領選で社会保障の拡充を目指す考えを鮮明にした。

予算委員会の委員で、来年の大統領選に民主党から出馬すると表明したバーニー・サンダース議員は『予算教書はロビン・フッドの原則を逆さまに実践している。貧困層や労働世帯から取り、富裕層に与えている』と指摘した。

トランプ大統領は、4兆7000億ドルの予算教書を議会に提出。国防費の拡大のほか、メキシコとの国境沿いに壁を建設する費用として86億ドルを要請する一方、対外支援費の削減のほか、低所得者や高齢者に対する社会保障費用の削減を求めた。エンジ委員長は、多額の赤字に向かう傾向について、共和、民主両党を批判した。

共和党内部からも、トランプ批判が出だしたねえ。末路、トランプ、だなあ。

と、共和党優位である米議会上院までもが14日、トランプ大統領が『国境の壁』建設のために出した非常事態宣言を阻止する決議案を可決した。野党・民主党のほか、与党・共和党からも12人の造反が出た。トランプ大統領は同日、就任後初となる拒否権を発動すると表明した。民主党との対立が一段と激しくなるほか、共和党との協力にもきしみが生じる可能性がある。


上院(定数100)は、非常事態が終わったと認定して宣言を無効にする決議案を59対41の賛成多数で可決した。採決に参加した民主党議員47人全員に有力議員のロムニー氏ら共和党議員12人も賛成した。民主党が過半数を占める下院は2月に決議案を可決している。

トランプは可決直後にツイッターで『国境を開き国内の犯罪や薬物、人身売買を増やす、民主党に感化された決議案を拒否するのを楽しみにしている』と書き込んだ。造反には触れずに『何としても必要な壁と国境警備を支持した強い共和党議員すべてに感謝する』と述べた。近く正式に署名を拒否する見通し。

民主党は、議会承認を得ずに壁建設の予算を捻出するのは憲法違反だとして決議案を出した。共和党からも議会軽視だとして懸念の声が上がり、トランプ氏の政策に与野党がノーを突きつける異例の事態となった。拒否権は上下院それぞれ3分の2以上の票があれば覆せるが、現時点では難しいとの見方が多い。トランプは2月中旬、非常事態を宣言して国防費などから計81億ドル(約9千億円)の壁建設費を2019会計年度予算(18年10月~19年9月)で捻出した。

一方、カリフォルニア州など16州も非常事態宣言の差し止めを求めて提訴しており、議会とは別に、司法が宣言の無効を判断する可能性もある。なんとしても、末路に迷い込んだトランプではあるな。


★★<伊藤忠、デサント株40%確保 TOB終了 、現在の社長の退任不可避に>
伊藤忠商事によるスポーツ用品大手デサントへのTOB(株式公開買い付け)が14日、終了した。目標の721万株に対し倍近くの応募があったとみられ、相手の合意なしで行う敵対的TOBとして日本の主要企業同士で初の成立例となったもよう。伊藤忠は一段と増した資本の力をテコにデサントに経営体制刷新を求める。デサント内でも社長交代は不可避との見方が広がりだした。
伊藤忠はTOBの具体的な結果を15日午後に公表する予定。TOB価格(2800円)は直前の株価の5割高と通常2~3割の上乗せ幅より厚く成立は確実視されていたが、関係者によると応募数は倍近くに上ったという。伊藤忠はデサント株の約3割を持つ筆頭株主だが保有比率は4割に高まった。まず手にしたのが『3分の1超』というM&A(合併・買収)など重要事項への株主総会での拒否権だ。加えて過半がハードルとなる役員選任案にも王手をかけた。

総会への出席率を勘案すると、役員選任に関する普通決議に必要な票数は45%超に下がる。確保した40%に加え、他の株主からの5%超の協力で可決が可能になる。既に約7%を実質保有する中国のスポーツメーカー、安踏体育用品(ANTA)が支持を表明している。焦点はデサントの石本雅敏社長の進退に移る。両社はTOB開始後、計4回にわたり取締役会の構成を巡って水面下で交渉を続けた。

現在の役員構成は社外取締役2人、伊藤忠出身2人、デサントプロパー6人の計10人。自社出身者の比率を増やしたい『伊藤忠案』と伊藤忠の影響を薄めるために社外取を増やしたい『デサント案』の綱引きだった。一時は石本社長が退任し、伊藤忠の繊維事業トップ、小関秀一専務執行役員が社長に就任する『折衷案』で折り合ったという。ところが、デサントが持ち帰った後『社外取をもう1人増やすべき』との意見が強まり合意が流れた経緯がある。一度は石本社長自らが退任を容認しただけに、今後の議論はこの『「幻の合意案』が下敷きとなる。あるデサント幹部は『トップが誰かはそれほど問題ではない』といい、社内の空気も退任に傾いているという。

両社の対立が続く間、置き去りになったのが成長戦略だ。そもそも伊藤忠はなぜデサントに固執するのか。年間で5000億円の純利益を稼ぐ伊藤忠のなかで、繊維部門の利益は300億円程度でうちデサントの貢献は二十数億円。数字上、必ずしも欠かせない存在ではないが、繊維は伊藤忠の祖業であり岡藤正広会長兼最高経営責任者(CEO)の出身母体でもある。縮小傾向の国内アパレル市場にあって数少ない有望分野が、デサントが得意なスポーツ要素を街着に取り入れる『アスレジャー』だ。高級ダウン『水沢ダウン』も大ヒットになった。

アジアでは2020年の東京、22年の北京と五輪が続き、関連需要拡大が見込まれる事情もある。伊藤忠はデサントの中国事業展開に『スピード感が遅い』と不満を募らせており、22年に向けてウインタースポーツウエアの拡販体制を築くには「今がギリギリ」との見方も背中を押した。その障害がデサント取締役会の意思決定過程にあるとみており、社外取の増員には、『一段と経営のスピードが鈍りかねない』と否定的だ。


伊藤忠は今後、臨時株主総会の開催を要求し、新たな役員選任に関する株主提案を出すことも視野に入れる。取締役会刷新の実現性は高い半面、デサントの国内従業員の9割弱、1040人はTOBに反対署名をした。『経営陣は替えても会社そのものを変えるわけではない』 (伊藤忠幹部)――。従業員の理解を得るには、新経営陣による確かな成長戦略の提示が欠かせない。

私はここ十数年、山歩きを続けている。最初に登山靴を用意し、そのうち登山服、パックなど用品類を集めた。そのブランドは『モンベル』。最近の山歩き番組で出演する人達が多く着用している。あの田中陽気さんの、直近『三百名山一筆歩き』でも随所に登場している。その後、私はこのモンベルのグッズを日常でも使い始めた。パンツ、シャツ、フリーズ、キャップ、シューズなどなど。一番気にっているのは、シューズ。トレールウオーカーを日常のシューズとして使っているが、レザー張りのシューズは色もスタイルも恰好よく気にっている。

この『モンベル』。山好きの『辰野勇さん』が、28歳の時、1975年、仲間と3人で起こした会社。最初のヒット商品は『寝袋 シェラフ』。米デュポンの新素材を使ったシェラフを西ドイツの見本市に突撃特攻で販売活動を開始したところから始まる。以来、ユーザーの意見に耳を傾け、また自身の経験から割り出したユーザーフレンドリーなグッズを開発販売してきた。

特徴的なのは、辰野さんの人脈による世界的広がり。なんとモンベルのショップはあのマッターホルンの町『ツェルマット』にもある。最初に驚いたのは、広島にもまだ店がなかった頃、大山の麓、大山寺村にショップがあったことには驚いた。今、『年商800億円超』。デサンの年商1,300億円強だ。私はやがてモンベルがデサントの業容を超えると感じている。

6年前、スペインで800キロの『サンチャゴ巡礼』を歩いた。韓国人は30%がキリスト教徒と言われるだけあり、『日本人か』と思うと韓国人だった場面に多く出くわした。その韓国の人から、日本語で私が持っているスティックを『モンベルですね』と言われた。なぜ知ってるのかと聞くと、韓国でも有名で、モンベルのグッズを使う人が多いと。日本のショップで尋ねると、現地資本のライセンス販売らしい。デサントが自身で直接手を出しているのと違い、相手からのリクエストに応じた形だ。

登山グッズから、今やアウトドア全般にわたるグッズを来ナップしたモンベルは、おそらく世界的な『アウトドアブランド』に成長すると見る。あの強力なブランドを作り上げた『BMW』にも似、さらにあの『ミニ』を復活させたブランド育成力にも似た力がモンベルにはあると見る。デサントよ、油断するな、後ろからモンベルが追いついているぞよ。


★★<NZ銃乱射犯、ネットに極右思想「マニフェスト」投稿>ニュージーランド南島クライストチャーチで15日に起きたモスク(イスラム礼拝堂)銃乱射事件で、49人を殺害したとされる男(28)は事件前、憎悪に満ちた『マニフェスト』をインターネット上に投稿し、ネオナチ思想と欧州への移民流入が動機だったことを示唆していた。

74ページにわたるマニフェストは、『壮大な入れ替え』と題され、欧州の白人が非白人の移民に意図的に置き換えられているという、極右の間で広まっている陰謀説が語られている。このタイトルは、フランスの作家ルノー・カミュの著書から取ったものとみられる。マニフェストでは、カミュが広めた『白人ジェノサイド(大量虐殺)』という言葉が使われ、自問自答形式の記述も含まれていた。

容疑者は『民族主義者』を自称していたほか、ノルウェーで2011年に多文化主義への憎悪から77人を殺害した人種差別主義者のアンネシュ・ベーリング・ブレイビク受刑者を含む極右過激派の人物らに『触発』されたとも述べている。

さらに1930年代の英国の悪名高きファシストの指導者で反ユダヤ主義者のオズワルド・モズレーについて『私の信条に最も近い歴史上の人物』と説明。自分はドナルド・トランプ米大統領の支持者であり、トランプ氏は『白人のアイデンティティーと共通目標の復活の象徴』だと記している。
容疑者はまた、2017年4月にスウェーデンの首都ストックホルムで起き5人が死亡したイスラム過激派の男によるトラック突入事件に言及。事件で最年少の犠牲者となった少女エッバ・オーケルルンドさん(当時11)の死に対する復讐が動機の一つだったと説明している。

この事件では、隣国オーストラリア出身の容疑者が拘束された。豪州出身の男がなぜNZで犯行に及んだのか。 AP通信は実行犯とみられる男の声明文に『世界で最も遠隔地とされる所でさえ、移民流入から逃れられないことを示すため』という趣旨の記述があったと報じた。


NZは18世紀後半以降に入ってきた英国系の白人が多かったが、最近ではアジアなどからの移民が増えている。先住民のマオリと共生する努力を続けてきた歴史もあり、少数派に寛容な社会として知られてきた。
NZの13年の国勢調査では、イスラム教徒は約4万6千人で、国内全体の1.1%にすぎない。ただ、06年と比較して約1万人と3割近く増えていた。昨年には『白人社会の再生』を掲げる極右グループが各地のバス停などで『過去を取り戻せ』と書かれたパンフレットを配布。首都ウェリントンでフィリピン人旅行者が『帰れ。ここは白人だけの国だ』と罵声を浴びせられた事例も報じられた。

一方、豪州はイスラム教徒人口が約60万人。移民の流入で30年で6倍、10年前から2倍近くに増えた。全人口比では2.6%だが、イスラム教徒が目立つ地区が現れている。

無惨、悲惨な事件だねえ。もう盲目的に『人種差別者』だ。これで、トランプがアメリカの大統領としても相応しくない『人種差別主義者の棟梁』であることが、世界的に実証された。アメリカ国民よ、トランプを次期大統領に選ぶような歴史的な愚行だけは辞めて欲しい。世界平和のために。

トランプも欧州から流れ着いた移民の子孫、このNZ乱射事件の犯人もイギリスで犯罪を犯し、オーストラリアに流刑になった犯罪人の子孫。いずれも、祖先をたどれば威張れた輩ではない。ゆめゆめ、自分たちの血が清く貴いなどと、誤解、盲信するなかれ、だ。

しかし、このクライストチャーチには、日本人が3,000人住み、14,000人が滞在してるのだそうだ。語学留学先としても人気があるそうだが、すごに日本人ブームだねえ。狙わなければいいが。



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