今日の画像は、ホルムズ海峡付近で2隻の『タンカーが攻撃を受けて火災を起こした1隻』、いずれのタンカーかは不明。そして、加西市鶉野町の鶉野飛行場跡に姿を現した旧日本海軍の最後の切り札として開発された戦闘機『紫電改』の実物大模型(全長約9m、幅約12m)。見事に満開の『チューリップ』ですです。右下をクリックすると、大きな画が見られます。
タンカー攻撃については、即座にアメリカはイランの攻撃だと声明で発表し、非難しました。今日は石油市場価格が急騰するでしょうねえ。それにしても、これほどの攻撃はかつてなかったのではないでしょうか。米中貿易戦争に加えて、世界経済の大波乱の勃発要素ですねえ。困ったことだ。
★★★VWは何故、プレミアムブランドを多く抱えるのか。客層を拡大するだけでなく高収益にも結びつくからだ。VWグループのブランドの一つ、『ポルシェ』の飛び抜けた収益の高さについて、それをもたらす要因について考えてみたい。
ポルシェの代表的な車種は『911』である。911は、ポルシェ初のモデルで大成功した『356』を引き継いで1963年にデビューした。356の特徴であったリアエンジンを踏襲しつつ、よりハイパワーを求めて重い水平対向6気筒エンジンを採用したのが災いしてか、当初は操縦性に難のある、欠陥車に近いモデルだった。重いエンジンが後端にあるため、高速コーナーリング時にお尻を振り出してしまうのだ。また、高速直進性も悪く、フロントが浮き気味になるという悪癖があった。
しかし911は、モータースポーツの世界では大活躍した。エンジンが後端にあって加速時に過重が後輪に掛かることで、エンジンのパワーを有効にタイヤに伝えることが出来る。うまいドライバーが乗れば、素晴らしいタイムを出すことが出来たのだ。乗りこなすのは難しいが、乗りこなせば速いというマニアックな操縦性と、その独自のエンジンレイアウトだからこそなし得たフォルムで、熱狂的なファンが沢山生まれたのである。
その後フロントエンジンへの試行錯誤もあったが、ポルシェファンはそれをよしとせず、ポルシェも脇目も振らずに911の改良型へまい進した。1997年には、基本コンセプトは不変のままフルモデルチェンジを敢行。エンジンは全く新しい水冷エンジンとなり、911は最新のスポーツカーとなった。
結果としてポルシェは、水平対向6気筒エンジンを車体の後端に搭載するという、911以外ではほとんど例のない異端の基本コンセプトを全く変えないまま何十年も作り続けることになった。最新型のボディは初代911よりかなり大きくなったが、エンジンのキースペックの一つであるボアピッチ=シリンダーの中心間の距離、は初代911から変わっていない。
このように『唯我独尊』の車作りをしてきたポルシェは、熱狂的なファンを世界中に生むことになった。あの生沢徹さんなんか、世界中に分散して60台も保有している。筆者もその一人であり、小学生以来の熱狂的なポルシェファンである。
コンセプトが他社と違うユニークなものであるというだけではなく、同じコンセプトで50年以上作り続け、完成度はモデルチェンジのたびに高まる。新型車は必ず前のモデルより良くなる道理となり、一度911のファンになるとお金が許す限りずっと911を乗り続けることになるのだ。自動車の世界でもっとも熱狂的なロイヤリストの多いブランドではないかと思う。911は高価だが、ほとんど値引きすることなく買われ続けているのもうなずける。(参考: 山崎明著『マツダがBMWを超える日』)
■■昔、昔、その昔、人気テレビ番組ロッテ歌のアルバムの司会者』として一世を風靡し、日本歌謡界の発展に尽くした『司会者・玉置宏』。その玉置さんが、遺作として自分の辿った歌謡界を綴っている。昭和の昔が懐かしい。川崎市生まれ、1934年1月5日 - 2010年2月11日、享年75歳。
★★★<『玉置宏の「昔の話で、ございます」㉔ 「黒い花びら」作詞秘話』> 歌謡曲の歴史の中で、今日まで大きな役割を果たしているのが、昭和34年(1959)から始まった『日本レコード大賞』だ。この賞は、歌謡界の前進と発展のため、その年に大きな功績を残したもの表彰しようと、日本作曲家協会が提唱し主体となって生まれたものだ。
初回の大賞は、23歳の水原弘が歌った『黒い花びら』。この曲は、作曲・中村八大(28)、作詞・永六輔(26)で、二人が初めてコンビを組んだ作品だった。きっかけは、東宝映画『青春を賭けろ』で、初の映画音楽を担当することになった八大さんに、制作担当者から、『とりあえず、明日の朝までに10曲ほど用意してくれませんか』という注文が発端。この映画は、当時大人気だったロカビリーをテーマに、ミッキー・カーチス、山下敬二郎、釜萢ひろしら人気ロカビリー歌手や新人の坂本九などが総出演するもので、昭和34年に東芝レコード入りを果たす水原弘も出演していた。
八大さんも心積もりはしていたので、曲の方はなんとかなりそうだったが、詞が出来ていない。どうしようかと東宝本社を出て有楽町を歩いていると、日劇前で顔見知りだった放送作家の永さんとばったり出くわした。
この時の会話は、永さんによると、
八『君、作詞したことある?』
永『いいえ、ありません』
八『やってくれる?』
永『できるかどうか?』
八『できる、大丈夫!』
と、そのまま、八大さんの仕事場、東急アパートへ直行。朝までに、二人で10曲を見事書き上げたのだ。その中の一曲が『黒い花びら』だった。
映画『青春を賭けろ』の中では、水原寛の芸名で歌っているが、34年に東芝レコードから発売された途端、爆発的な大ヒットとなった。
水原弘はみんなからは『オミズ』の愛称で呼ばれていて、銀座のバーなどでもよく見かけたが、酒はブランデーのレミーマルタンしか飲まない。いつも4~5人の取り巻きがついていて、氷を入れた器にブランデーをドボドボ注いで、みんなで回し飲みする。そして酔ってくると、見知らぬ人でも挨拶されると一緒に連れて行ってしまう。最後には十数人の大所帯になっていたなんてこともざらで、一晩に300万円飲んだという豪快な噂も聞いた。
このあと、しばらくして人気に陰りが出て、その後昭和42年(1967)に『君こそわが命』で奇跡的な復活を遂げ、私も産経ホールの舞台で復活リサイタルの司会をしたが、その時は『これまでの苦労をバネに、一から出直します』と神妙に言っていた。
このオミズが大賞を受賞した時に、『夜霧に消えたチャコ』で歌唱賞を受賞したのがフランク永井。実はオミズとフランクさんのお二人は、素人の頃『素人のど自慢』番組に出まくって、次々に賞をかっさらっていた、名うての『のど自慢荒し』。同じ仲間同士だったというのも何やら妙な因縁だった。(参考: 玉置宏著『昔の話で、ございます』)
★★<ランドセルに新たな命を>『大切に使っていたので、これからも誰かの役に立てたらと思って』。広島市安佐南区の中学1年生、村田君(12)は4月下旬、母親と話し合い、途上国への寄付を決めた。ソフトバンクがネパールの子に向けた『愛のランドセル寄付プロジェクト』を始めたと聞いたからだ。
持ちこんだのは自宅近くの携帯ショップ。担当者に手渡すと、活動の報告が見られるQコードが印刷された証明書をもらった。『手放すのはちょっと寂しいけど、引き継いでくれた新しい持ち主が楽しく勉強出来たらうれしい。手元になくても、ずっと心に残ります』と満足そうだ。
ランドセルはNPO法人を通じて、山岳地帯が多い現地の公立学校196校に贈られる。丈夫で貴重な教科書を傷つけずに持ち運び出来るため喜ばれる。背負いやすく、山道を何時間もかけて通学する子の体にも優しい。家で勉強する時、ちょっとした机代わりにも出来て便利だと言う。
寄付出来るのは、破損や落書きがなく、経年劣化がしていない卒業後5年以内のもの。事前申し込みをし、名札などを外して持ちこむ。送料はソフトバンクが負担する。
アフガニスタンへ贈る団体もある。世界の女性を支援する公益財団法人『ジョイセフ』は2004年から、使わなくなったランドセルの寄付を呼びかけている。女性の就学率が低いアフガンで、学校へ行くきっかけにしてもらう。昨年までに20万個以上を贈った。『現地ではランドセルがとても目立っていて、教育を身近に感じられるようになっている。親達が自分の子供に背負わせたいと、子の就学を考えるようだ』と話す。確かな手応えを感じている様子だ。
いいねえ、使わなくなったランドセルの寄贈。最近のランドセルは高品質で、小学校6年間使った位でへたりはしないものねえ。いいことだ。
★★<京都死体遺棄 容疑の市職員、『前科あると聞き、逆らえず』>京都府向日(むこう)市のアパート駐車場で女性の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された市職員の余根田渉容疑者(29)=京都市西京区=が、一緒に逮捕されたアパート住人の橋本貴彦容疑者(55)について、『傷害致死などの前科があると聞き、怖くて逆らえなかった。死体遺棄も指示されて手伝った』との趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で明らかになった。
捜査関係者によると、橋本容疑者は同居の女性に対する傷害致死などの罪で服役したことがある。市地域福祉課保護援助係主査の余根田容疑者は、ケースワーカーとして生活保護を受けている橋本容疑者を昨年1月から担当し、本人から過去の事件について聞かされていたという。
橋本容疑者は近隣の店で因縁をつけて騒ぐなど乱暴な言動で警察に通報されることもあり、恐怖心を抱いた余根田容疑者は日常的に自分の車を貸したり、買い物などの命令に従っていた。
遺体は橋本容疑者が交際する大阪市の40代女性とみられ、捜査関係者によると、橋本容疑者は『交際女性と口論になって殴ったら死んでしまった』という趣旨の供述をしているという。府警は、橋本容疑者が遺体の置き場所として余根田容疑者に同じアパートの階上の部屋と大型冷蔵庫を用意させ、異臭で発覚しそうになったため余根田容疑者の車で運び出すのを手伝わせたとみている。府警は両容疑者を送検した。
何だ、この市職員は。捕らえてみれば我が子かな、の典型だなあ。よくもこんな意志薄弱な職員を雇っていたもんだなあ、日向市は。情けない。
★★<石原信雄さん、東大合格の秘話>竹下首相時代、内閣副官房長官を務めた『石原信雄さん』。仙台の旧制二高から東大に進学したが、その秘訣は『フランス語』で受験したラッキーによると述懐する。
仙台の旧制第二高校は『勉強なんてくだらない』という雰囲気があった。私の入った明善寮は、文科も理科も一緒で夜な夜な哲学や文学を論じ、人生いかに生きるべきかを語り合った。
校長の野口明先生はフランス語教育で知られる暁星学園の出身で、私が入学した1946年(S21)にフランス語を第1外国語とする丙類を作った。希望はしていなかったが1期生となり、陸軍幼年学校で教えていた先生に基礎からみっちり教わった。フランス語は『明晰メイセキならざるものフランス語にあらず』と言われるように論理的な言語で、私の性分に合っていた。
戦後間もない当時、ルネ・クレール監督の『巴里祭』や、ダニエル・ダリューを国際的な女優にした『うたかたの恋』といったフランス映画が人気を博していた。内容を全て理解したわけではないが、フランス語を習っていない上級生に解説するのが私の役目になった。
二高に入れば東大に入れると聞いていたので、初めから東大に行くつもりでいた。ところが行ってみると二高からは半分位しか東大に受からない。学制が切り替わる時期で、旧制高校だけでなく、専門学校からも東大を受けられるようになり、そのしわ寄せが旧制高校に来ていた。
中学に一度落ちた私はもう失敗は出来ない。寮は勉強する雰囲気にないため、3年生になると寮を出た。下宿先は夫を亡くした奥さんが子供と暮らす屋敷で、離れに二高生を下宿させていた。配給の時代に奥さんは教え子の実家から食糧を取り寄せ、下宿代以上の食事を出してくれた。勉強に専念出来る恵まれた環境である。
東大は就職を考え法学部に決めていた。迷ったのが入試の語学だ。二高のフランス語を最初に習った学年だけに東大受験に通用するか、みな不安で法学部をフランス語で受けようという者はいなかった。先生は『私の教え方が十分でなかったのか』と悲しい顔をされた。私は義憤を覚え、思わず『フランス語で受ける』と宣言した。
すると、よくしたもので試験当日、フランス語の問題は存外にやさしかった。英語は難しく、英語で受けたフランス語クラスの級友は不合格。私も英語なら落ちただろう。義理で受けたフランス語だったが、先生に感謝した。
二高は東北出身者が半分、残りは北海道と関東が半分ずつで各地の話を聞くのは新鮮だった。関東生まれの私にとって憧れだったのが京都や奈良など関西の文化だ。寮で一緒の横田辰雄君からお兄さんが大阪にいると聞き、1カ月ほどお邪魔して2人で京都や奈良の神社仏閣巡りをした。
自社巡りは意外な御利益があった。東大入試で『奈良時代の仏教芸術について論じよ』と出題されたのである。仏像と暮らす日々をひと月も送れば、論文はお手の物。フランス語といい、寺社巡りといい、人生、何が幸いするか分からない。横田君も無事、東大への切符を手にした。(参考: 『私の履歴書』)
★★<西野朗氏、岡田武史氏、佐々木則夫氏の殿堂入り決定>日本サッカー協会は、都内で理事会を開き、西野朗さん(64)、岡田武史さん(62)の元日本代表監督2名と、元女子日本代表監督の佐々木則夫さん(61)の日本サッカー殿堂入りの特別選考による推薦を承認した。これで殿堂入りは80人と2チームとなった。令和初の掲額式典は9月10日に行われる。
西野さんは指導者として、96年アトランタ五輪では日本を率いてブラジルを破る『マイアミの奇跡』を起こした。G大阪などを率いJ1では監督として最多の通算270勝。18年W杯ロシア大会では直前に急きょ日本代表監督に就任し、ベスト16に導いた。
岡田さんは97年10月に日本代表コーチから監督に昇格し、悲願のW杯初出場(98年フランス大会)を成し遂げた。07年11月に病に倒れたオシム氏の後を受け日本代表監督に再登板し、10年W杯南アフリカ大会でベスト16。日本協会では副会長も務め、18年にシニアアドバイザーに就いた。
佐々木さんは、07年に日本女子代表なでしこジャパンの監督に就任。11年女子W杯ドイツ大会優勝、12年ロンドン五輪銀メダル、15年女子W杯カナダ大会準優勝と、女子サッカーの発展に貢献した。
いずれの方も、日本サッカー発展、躍進に寄与されたねえ。異論はないはずだ。嬉しいニュースだねえ。
★★<70万円でも大人気 ライカ・小型フルサイズの魅力>ライカのコンパクトデジタルカメラ『ライカQ2』が人気だ。価格は税込みで約70万円というカメラなのだが、今予約を入れても約3カ月は待つという。ライカというとレンズ交換式でレンジファインダータイプの『ライカM』シリーズを思い浮かべるが、この『ライカQ2』はレンズ一体型かつオートフォーカスで誰でも気軽にライカの味わいを楽しめる。それが大人気の理由のようだ。2015年6月に登場した前モデルの『ライカQ』から約4年を経てのモデルチェンジとなっている。
そのスタイリングは極めて上質である。カメラを知らない人が見ても『なんかスゴい』と思ってしまうほどスタイリッシュで美しいフォルムだ。一切のムダがなくソリッドなデザインは使い勝手の良さにも繋がっていて、手にするだけで『撮る気』が沸いてくるはずだ。なお『IP52』という防じん防滴仕様となっている。過酷な用途には向かないが、生活防水程度の防水や、有害な影響が発生するほどの粉じんが中に入らないレベルの防じんを備えている。
『ライカQ2』の存在感はなかなかのものだ。約718gと手に重量がズシリとくるが、コンパクトなボディーとはいえセンサーはフルサイズフォーマットなので当然だろう。画素数は4730万と、ハイエンドのフルサイズ一眼と同等レベルだ。レンズ焦点距離は開放F値1.7の28mmだが、35mm、50mm、75mmとクロップ撮影が可能となっていて、高画素をうまく切り取って使えるようになっている。その切り替えも右手親指がかかるサムレスト左にあるボタンを押すだけでクイックに切り替わるので、とっさのシャッターチャンスでも安心である。ちなみにクロップした画角がライブビューに表示されるのではなく、選んだ画角のブライトフレームが28mmのライブビュー像にオーバーレイされる
写りも素晴らしい。ライカらしい落ち着いた絵作りというよりは、やや鮮やかで色のりが濃い味付けである。『フィルムモード』機能を使って自分なりにパラメーターを調整すれば、風景からスナップショット、ポートレートまで好みの画質を得られるはずだ。
無料でダウンロードできる『Leica FOTOS』というアプリでスマートフォンとの親和性も高まった。Bluetooth LEで常時接続できるので、『ライカQ2』で撮影した写真をすぐスマホに転送し、SNSなどにアップできる点も人気のひとつだろう。ライカというとクラシックで難しいというイメージもあるが、この「ライカQ2」は新しいライカのイメージを作る一台になると感じている。
やっぱり『ライカ』はプレミアムブランドだねえ。フジがこの高級コンデジ路線を歩んでいるが、ライカには勝てないだろうなあ。ご立派、ライカだ。
★★<チケット不正転売禁止法14日施行>音楽のライブやスポーツイベントなどのチケットを高値で転売することを禁止する新法『入場券不正転売禁止法』が14日、施行される。人気チケットは転売目的での買い占めが横行しており、同法は有償譲渡の禁止を明記するといった要件を満たしたチケット『特定興行入場券』について、転売を厳しく規制。罰則も定められており、利益目的でのダフ屋行為の抑制が期待される。
《転売はやめましょうね》。4月、ロックミュージシャン、YOSHIKIさんのツイッターへの投稿が話題を呼んだ。添付されていたのは、8月からスタートする自身のディナーショーのチケットを高額転売しているサイトの画像。1枚18万円と倍以上の値を付けているものもあるなど、明らかな高額転売だった。
チケットの高額での不正転売は、音楽業界にとっての死活問題とされてきた。路上などでのダフ屋行為は各都道府県の条例で禁じられている一方、インターネット上での転売は規制の対象外。音楽業界では、コンピューターの自動プログラムで販売サイトへのアクセスを繰り返してチケットを買い占め、不当な高値で転売する『ネットダフ屋』が続出し、購入希望者が定価よりも高い金額を払わないとチケットを入手できないケースが相次いでいた。
こうした状況に、ライブに足を運ぶ機会が減少するなど、業界の衰退につながることを危惧したコンサートプロモーターズ協会(ACPC)など4団体は平成28年8月、転売反対を表明する共同声明を発表。ホームページを開設して転売禁止を訴える傍らで、法整備に向けた働きかけも行い、同法の成立にも大きな役割を果たした。同法成立後、不正転売の数は減っており、ACPCの担当者は『ようやく法整備が追いつき、抑止効果も出始めている』と期待感を示す。
ただ、法施行後も、転売は完全に根絶されるわけではない。同法で規制の対象とするのは、特定興業入場券を正規の販売価格より高い値段で『業として』転売する行為。個人がチケットの二次流通サイトやネットオークションで転売する行為は、法規制の対象にはならない。
こうした条項や、SNSが不正転売の抜け道になる可能性も指摘されており、音楽業界では独自の二次販売網の整備や啓発活動を続けていく考えだ。ただ、高額で転売されても購入する一部のファンがいることも事実だ。
YOSHIKIさんはツイッターで、こう続けていた。《システムの強化はもちろん大切ですが、今後もいたちごっこになるでしょう。結局はモラルの問題だと思います》
◇規制の対象は?
どんなチケットが入場券不正転売禁止法の規制の対象となるのか。同法で転売を規制するには、有償譲渡禁止を明記する▽入場資格者を指定している▽販売の際に購入者の氏名や連絡先などを確認する-の3要件を満たす必要がある。スマートフォンなどを使った電子チケットも対象となる。
同法での規制が難しいチケットもある。本人確認を行わずに窓口などで購入可能なプロ野球やJリーグといったスポーツのチケットで、多くの人が当日券を求めるという特性上、この要件を満たすのは難しい。一方で、人気球団の試合では高額転売が常態化している現状もあり、対策が急務となっている。
転売については、所用や体調不良でイベントに参加できない場合など、一定のニーズがあり、同法は興行主側に「正規の再販システムを構築すること」を努力義務として課している。音楽業界ではすでに公式再販サイトが運用オープン。2020年の東京五輪・パラリンピックでも再販売サイトを運用する方針だ。
確か、カープの入場券もこの転売業者の標的となっており、その防止対策として球団は複数枚買う顧客に対しては個人名の確認を実施している。転売されたチケットでの入場を防ぐ措置だ。これはこれなりに防止効果がありそうだねえ。