Quantcast
Channel: Freeman 雑記帳・広島
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1093

『プレミアブランド小話㉜ ソニー、ウォークマン成功によるブランド価値の低下』

$
0
0

















今日の画像は、が今月、米ヨセミテ国立公園にある花こう岩の一枚岩エル・キャピタンのロッククライミングでの登頂に史上最年少で成功した10歳の米国人少女、『セーラ・シュナイターさん』と、米NBAのドラフトが行われでウィザーズから1順目、全体9位で指名された日本人初『八村塁』。そして広島縮景園の『キクモモ』と、1本の木で白とピンクの花が咲く『源平モモ』です。

大偉業ですねえ、『八村塁』。中学校の先生に『NBAを目指せ』と言われ、それを本当の目標にして頑張ったんだから。少年少女時代の教育、指導が如何に大切かを証明しましたねえ。右下をクリックすると、大きな画が見られます。


★★★ソニーは日本を代表する企業であり、日本企業として珍しくインターナショナルで垢抜けたイメージもある。しかし直近は、業績こそ回復傾向にあるものの、かつての輝きは失われているように思える。ソニーはプレミアムブランドになれるポテンシャルを持ったブランドであったが、結局はそうはならなかった。そのいきさつを筆者なりの視点で考察してみたい。

ソニーが世界的に飛躍するきっかけになったのは、小型トランジスタラジオである。世界初ではなかったが、小型化により携帯性を高め、『ポケッタブルラジオ』としてヒットした。さらにトランジスタの製造品質を高め、より小さいものを提供し続けた。その後小型テレビなど、ソニーらいし『凝縮の美学』で評価を高めることになる。

『凝縮』は『高性能』の方角にも向かい、マイクロフォンや携帯型テープコーダーなど、プロに支持されるオーディオ製品を多数輩出した。またビデオの世界でも、プロ用ビデオ機器が世界を席巻した。さらにソニーの評価を決定的にしたのが、トリニトロンテレビである。トリニトロン管は独自のアパチャーリング方式により、他社製のブラウン管より明確に高画質だった。製造コストがかさみ高価ではあったが、高品質を求める層にアピールした。

つまり、1970年代までのソニーは『凝縮の美学』と『高性能』『プロ用』でブランドイメージを築いたと言える。高くても売れるため、デザインにも力を入れることが出来、ソニー製品は売り場において独特のオーラを示すことになった。定価が高価なだけでなく、割引率も低く、ソニーを買う層は性能やデザインにこだわった『どうしてもソニーが欲しい』という層であり、ソニーを選ぶこと、ソニーを所有することはひとつのステータスであった。

ソニー自身が意図した訳ではないが、結果的にソニーはエレクトロニクス市場の中で『プレミアムポジション』を得ることになった。当時、競合社は世界的に見ても実質的に日本のメーカーのみであり、ほとんどの競合社が『より安く、より多く』というモノ作りを行っていたため、そのイメージが際だっていたとも言える。

しかしながら、良い意味でも悪い意味でも、ソニーという会社およびブランドが大きく変化するきっかけになったのがウォークマンの大成功であると考える。ウォークマンは1979年に発売されたが、それは全く新しいコンセプトであり、人々のライフスタイルにも大きな変化を及ぼした。


余りに影響力が大きく、かつ当初は唯一無二の存在であったため、ウォークマンは世界的な大ヒットとなった。ウォークマンはパーソナルオーディオの代名詞にもなったため、その優位性は長く続くことになった。ウォークマンでソニーは初めて、コンシューマー市場でナンバーワンシェアを獲得出来る大型商品を得たのである。

同じ頃、家庭用VTR市場も立ち上がりつつあった。1957年に発売されたβマックスは、高品質とコンパクトなカセットサイズでそれなりのシェアを獲得したが、1980年に松下電器が20万円以下のVHS方式の普及機を発売してから市場は一気に膨らみ、熾烈なシェア争いとなった。性能的にはベータマックスが有利であったが、結果的には販売力・価格競争力とソフト支配力でVHSの後塵を拝することになった。

しかし1985年、ソニーはまた画期的な製品を発売する。パスポートサイズのビデオカムコーダー、ハンディカムCCD-TR55である。まさに『凝縮の美学』を象徴するソニーらしい製品であった。これでビデオカムコーダーの普及が一気に進み、ウォークマン同様、ハンディカムはその代名詞となった。当然ソニーはシェアナンバーワンを獲得することが出来た。

高性能だが高価だったトリニトロンテレビにも変化が生じた。1990年代に入ってPCが普及期に入り、鮮明でくっきりした画像を映し出すことの出来るトリニトロン管がPC用モニターとして脚光を浴び、トリニトロン管の生産台数が飛躍的に上昇したのである。生産台数の上昇と共にコストも下がり、他社のテレビとさほど変わらない価格でトリニトロンテレビを売ることが出来るようになった。PC用モニターとしての高い評価もテレビの販売に寄与し、1990年代中頃には、テレビにおいても世界シェアナンバーワンとなった。

しかしながら、結果的にこれらの『量的な成功』により、ソニーは当初のプレミアムブランド的な位置づけから、パナソニックと争うようなマスブランドに変質したのである。それは即ち『シェアを守る・伸ばす』ということが経営上の至上命題となり、本質的に普通の日本の家電メーカーの一つになってしまったのだ。

加えて、1983年には事業部制が導入されており、事業部は製品開発だけでなく、販売にも責任を持つようになった。そうなると、より多く売れるもの、売りやすいものを求める声が更に大きくなる。シェアを狙う以上、こだわりのない一般層にも買ってもらわなくてはならなかった。その結果、個性的な商品、超高性能な商品は作りづらくなり、平凡な商品が多くを占めるようになった。そして店頭でのソニー商品のオーラは徐々になくなっていった。ソニーの縦軸でのポジションが下がったばかりでなく、横軸のポジションもエッジのない、ぼやけたものになってしまったのである。(参考: 山崎明著『マツダがBMWを超える日』)


★★★『玉置宏の「曲ナレーション集」◆―嫺郎、村田英雄、三波春夫』
<『お富さん』 春日八郎>
  しがねえ恋の 情けが仇で
  めぐる月日も 三年越し
  江戸の香りを マイクにのせて
  しのぶよすがも 玄冶店
  歌舞伎ソングは
  『お富さん』

<『無法松の一生』 村田英雄>
古き時代を美しく
新しき世のたくましさ
花の舞台にちりばめて
心にじんとふれながら
強い男の人生を
いつの世までも唄いつぐ
度胸占領 無法松

<『船方さんよ』 三波春夫>
  棹は三年 艪は三月
  風が仲間の 船頭暮らし
  想ってくれてる ひとがいる
  自慢ののどで
  『船方さんよ』


★★<三菱国産ジェット、開発費回収後ずれ=70席級、23年に新たに投入>三菱重工業子会社で国産初のジェット旅客機の開発を進める三菱航空機は2023年に、MRJ(三菱リージョナルジェット)から名称変更した『スペースジェット』の70席級を新たに投入する。20年半ばから納入予定の90席級と並行して、19年後半に本格的な開発を開始。開発費増加により、30年代初めごろと想定された費用の回収時期が遅れるのは必至だ。

パリで開幕した航空ショーで記者会見した水谷久和社長は『スペースジェットをグローバル市場へ届け、世界中の旅行者に貢献する』と強調。ただし、既に7,000億円規模の巨額を投じた90席級の開発に70席級が加われば、1,000億円単位の追加費用が必要となる。こうした負担が経営を圧迫するのは避けられない。MRJは仮契約を含め407機の受注も16年を最後に途絶えており、採算ラインにはほど遠い。

2,000億円を超す超豪華船の赤字といい、開発費が8,000億円に上る旅客ジェット機といい、三菱重工の戦略にはどこか歯車が欠落しているような、経営上の大きな欠陥を感じるな。アメリカ市場の変化に対応する形で70人乗りに路線変更したとは言うが。全世界市場ではこの身勝手な変身は通用するか、な。ひょっとして、もう三菱重工は政府経産省の管理経営に陥っているのではなかろうかな。心配だ。


★★<米上院、サウジへの武器売却阻止を上院可決 大統領は拒否権発動>米上院は20日の本会議で、トランプ大統領が計画するサウジアラビアなどへの81億ドル相当の武器売却を阻止する法案を賛成53票、反対45
票で可決した。

トランプ大統領は上院の決議に対して拒否権を発動し、武器売却を進める方針を示している。上院が大統領の拒否権を覆すには67票以上の賛成が必要だが、現状では難しいとみられる。

武器売却阻止の法案を支持する民主・共和両党の一部議員は法案について、サウジ人記者ジャマル・カショギ氏が昨年殺害された事件などサウジの人権問題に米政府が不満を抱いているという超党派のメッセージをサウジに送るものだと主張した。

一方、法案に反対の立場を取る共和党上院トップのマコネル院内総務は、米国はイランとの関係が悪化しており、上院が法案を可決すれば最悪の時期に間違ったメッセージを送ることになると訴えていた。

上院は共和党優位なのに、売却反対を可決したのだねえ。共和党議員の造反者が4人いるということだねえ。トランプの足元もぐらつき始めている。


★★<10歳の米国人少女、『エル・キャピタン』に最年少で登頂成功>10歳の米国人少女が今月、米ヨセミテ国立公園にある花こう岩の一枚岩エルキャピタンのロッククライミングでの登頂に史上最年少で成功した。

今月12日に父親らと共に高さおよそ900メートルの『ザ・ノーズ』と呼ばれるルートの登頂に成功したのは、コロラド在住の『セーラ・シュナイターさん』。登頂には5日かかり、その偉業をピザでお祝いしたという。頂に到達した瞬間を収めた動画の中でシュナイターさんは、『自分がやったなんて信じられない』と歓喜に満ちた声を上げた。

米ABC系列の地元テレビ局の取材に、シュナイターさんは家族の大事なモットーが『象をどうやって食べる?少しずつ』だと語った。シュナイターさんの父親よるとロッククライミングは一家の生活の大きな部分を占めており、自身と妻との出会いもエル・キャピタンの登頂中だったという。

シュナイターさんは今、7歳になる弟にもエル・キャピタン登頂を挑戦させようとしている。エル・キャピタンでは2017年、著名なロッククライマーであるアレックス・オノルド氏が史上初めてロープも安全器具も用いずに登頂に成功。わずか4時間足らずのその偉業の模様はドキュメンタリー映画『フリー・ソロ』に収められ、同作は2019年米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

見事だねええ、あのエル・キャピタンに12歳で登頂するとは。次は『ハーフドーム』への挑戦かな。両親の愛情豊にロッククライミング、素晴らしき家族ではある。私がエル・キャピタンと聞いて思い起こすのは、スーザ作曲の行進曲『エル・キャピタン』だ。が、これもヨセミテの名峰エル・キャピタンをモチーフに作曲されたものだろうな。素晴らしき『エル・キャピタン』だ。


★★<ウィザーズ『八村塁』NBA1巡目9位!最大年俸約5億>ついに『NBA八村』が誕生した。20日(日本時間21日)、NBAドラフトがニューヨーク・ブルックリンのバークレイズ・センターで行われ、八村塁(21=ゴンザガ大)が1巡目9位でウィザーズから指名を受けた。名前を呼ばれた八村は、ウィザーズの帽子をかぶって壇上に上がり、アダム・シルバーコミッショナーと笑顔で握手を交わした。最大年俸は4.9億円。

八村塁は日本の国旗の着いたピンを付けて登場し、『クレイジーです。現実じゃないような気もします。家族、日本にとっても大きな意味を持っている。感謝します。中学のコーチに感謝。中学の時に行きたいと決めた。高校のトレーナーやコーチにも感謝したい。(日本語で)日本人初NBAです』と挨拶した。

前日は取材対応やイベントに引っ張りだこだった。日本から駆け付けた母麻紀子さんら家族と会食、ゴンザガ大のロイド・アシスタントコーチとも会った。指名上位候補者による会見では、歴史的瞬間を前に『信じられない。日本のバスケット界にとっても大きなこと』と話していた。

富山・奥田中時代にバスケットボールを始めた八村は、中2で初めて世代別代表に選ばれた。宮城・明成高では1年からレギュラーで、ウインターカップ3連覇を達成。中学時代の恩師に『NBA選手になれ』と言われ、高1冬の飛躍的な成長ではっきりとした目標となり、夢に向かって米ゴンザガ大へ進学した。


ゴンザガ大入学時は英語もできず、1試合平均わずか2.6得点に終わった。明成の恩師・佐藤久夫コーチから礼儀や上下関係を教わり、精神的にも成長したが、自分のプレーができずにいた。そんな時、同大のフュー監督から『もっと攻撃的になれ』と言われ、積極的にアピールするようになりレギュラーをつかんだ。

昨年11月のマウイ招待では、全米スカウトが見守る中、優勝候補だったデューク大を破って優勝。ペリカンズから1位指名を受けたザイオン・ウィリアムソンらスター軍団相手に残り1分から2回ブロックした後にフリースローを決めMVPを獲得した。2年前ゴンザガ大が決勝まで進んだ年にはレギュラーでなかった八村。2年たち、1試合30点以上を挙げるエースに成長し、夢を実現させた。

ドラフトで日本人が指名されたのは、81年ウォリアーズから8巡目(全体171位)で指名された岡山恭崇以来2人目で、契約すれば初となる。またプレーすれば田臥勇太(38=栃木)、渡辺雄太(24=グリズリーズ)以来、日本人3人目となる。

八村塁は、父親がアフリカ西部のベナン人、母親が日本人のハーフ。卑近な例で、カープのアドゥワは、父親がナイジェリア人、母親が日本人だ。そういえば、テニスの大坂選手の父親もハイチ人だねえ。ハーフの活躍に隠れてしまっている純日本人の活躍だなあ。しっかし、素晴らしい偉業ではある。如何に少年期の教育が大切かを実証しているねえ、安倍晋三殿。いや、違った、麻生太郎殿。

ベナンなんて国初めて聞いたなあ。元フランス領だったらしい。塁クンとは直接関係ないけれども、黒人奴隷貿易の盛んだった地域で、相当の歴史的被害が出ている国ではあるなあ。悲劇だ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1093

Trending Articles