『味の素』が、東南アジアで、『足で売る』販売戦略を徹底し、売上を伸ばしています。味の素は東南アジアで5,000人の自社営業マンを抱えます。庶民的な市場や零細店で1個十数円の調味料をコツコツと販売。売上高は年1,500億円に伸びました。近代的な大型店が急増する東南アジアですが、食品などでは零細店の比率が依然高い存在。泥臭い営業は、市場開拓の正攻法でもあります。
インドネシア・ジャカルタ。味の素の現地法人の社員、ナノ・スハルトさん(37)の営業。『マサコの方がおいしいし、きれいだろ。ほら、売ってみせるから』。英蘭ユニリーバなどの強豪商品をひょいとつまんで、目立たぬ場所に押しやります。店先に並べ始めたのは、スハルノさんの営業の三種の神器。『マサコ(粉末)』『サオリ(液体)』『マユミ(マヨネーズ風)』の調味料3姉妹。
マサコは現地語で『料理する』の語感に、好感度の高い日本人女性のイメージを重ねたヒット商品。『さっさと売るのがコツだよ』と言うとおり、スハルノさんは10分ほどの間に4人のお客をさばきます。インドネシアだけで、スハルトさんのような味の素の営業マンは1,800人もいます。人が集まる市場で8万店を取り込み、郊外に散らばる零細店もローラー方式で取り込んで。『チリも積もれば山となる』の作戦です。
食品などの業界では、こうしたルートセールスは卸業者や販売代理店に任せるのが一般的。味の素も日本ではそうしています。それが東南アジアでは自社の営業マンにこだわるのは、半世紀前のフィリピン進出の時から。当時は日本と同様に卸経由で調味料の味の素を売ろうとしましたが、発注単位が大きい大店舗向けに偏ってうまく売れず、在庫が大量に発生。急遽30g入りを3gに小分けして自社で零細店に売り回ったところ、完売したと。この成功体験が、以後アジアでの戦略を形作りました。フィリピンで800人、タイで1,200人といった規模の営業員が動きます。
今最重要マーケットと位置付けるインドネシアでも体制を整え、主戦場の『風味調味料』で6割のシェアを確保。味の素のASEAN地域の売上高1,500億円は日本の食品企業で最大、10年前の2倍になります。『新興国に最適の営業スタイルを武器に』、2020年に4,500億円の達成を狙います。
効率化にも取り組みます。トヨタ自動車やキャノンの工場をモデルにした、営業マンが1人何役にもなる『多能工』と『ユニット化』です。スハルトさんのように営業先では販売、陳列、接客をこなします。『針金とトンカチを忘れずに出発』『おつりは手を添えて丁寧に』―。味の素の東南アジアの営業所では営業の基本工程を共通化。40枚のカードにまとめ日々徹底します。
さすがに、日本の食品産業の代表的企業、味の素ではあります。味の素がアメリカを席捲したのも、このような現地に合わせた販売方法、戦略が奏功したから、と聞きます。海外への飛躍は、自動車、電機などの専売特許ではなく、日本企業が持つDNAなのでしょうねえ。味の素で途上国の食文化が進展すれば、これに勝る営業成果はないでしょう。ガンバレ、味の素。
★サンフレ優勝から1夜明けた昨日、まだその余韻に。優勝からのスポーツ番組を全て録画し、何度も見直して。あきらめずによくやった、と言うのが正直な気持ち。選手達のバイタリティに感動です。
サンフレは、Jリーグ発足2年目に前期優勝し、年間優勝を争いましたが、ヴェルディに惨敗。天皇杯もこの20年間で(確か)4度決勝戦に進みましたが、決勝戦ではカチカチになり実力が出じまいで敗退。と、チーム事態が大舞台に慣れていないローカル球団でした。
それが、昨年の優勝で吹っ切れた感じを持ちます。最終節を待たずにC大阪に勝ち、優勝を決めた2012年。勝点5のビハインドを持ちながら、一筋の光明を期待し6点積み重ねた2013年の最終2連勝はその持ち味が最大限発揮できた試合です。これほど見事なチームに育ててくれた森保監督に20年間ファンとして応援し続けてきた身から感謝、感謝です。
そして、天皇杯。準々決勝は甲府と、準決勝は仙台-F東京の勝者と。反対トーナメントで上がってくるだろう、横浜と元旦試合を成立させ、これを破り、W優勝を遂げれば、まさに日本一。最後まで気を抜かず、頑張って欲しいですねえ。幸い、航平が今季一番のクロスで石原の2点目をアシストし、チーム内の雰囲気も上昇気流でしょうから。しなやかに変身したサンフレに期待、です。O(^-^)o
★横浜のファン、選手には、勝負の世界とはいえ、大変ショックを受けられたと思います。お見舞い申し上げます。川崎戦を再度見るに、川崎陣内で中村俊輔がボールを持っている所に、川崎の中村憲剛が体ごとぶつかり、俊輔を倒します。その際、憲剛はボールにさわっておらず、単に暴力的体当たりをしたに過ぎません。倒れた俊輔は笛がならないのを不可思議に思いつつ、苦笑い。この球が川崎の速攻と相まって失点につながっています。これは審判のファウル誤審ですね。何故俊輔はもっとアピールしなかったのか、不思議です。球団としてもこの試合の持つ意味合いを認識し、リーグに審判提訴とすべきだ、と私は思います。横浜の名誉のためにも。しかし、もし失点なくしても、0-0のドローですから、結果、サンフレが得失点差で優勝していたことには違いありませんが。
思うに、横浜が終盤戦で2連敗した相手は、後半勝ち星トップの川崎、9月以降猛烈なチャージで順位を上げてきた新潟と、類似チーム。まず失点を防ぎ、かつ得点にという采配にはならなかったか、と。仮に、死んだ子の歳を数えるようですが、横浜は2戦引き分けでも優勝できた、という事実に注目しました。
■今日の画像は、『「スキーノルディックW杯」女子ジャンプで優勝し喜ぶ高梨沙羅』と、安佐北区『白木山の道標石仏と登山道、山頂の風景』です。高梨沙羅、素晴らしい戦果です。お見事!
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