J1王者として徹底マークされた今季。目立った補強はなくとも『広島包囲網』を見事に打ち破って。勝点は昨季から1減っただけ。森保監督は『より厳しい状況で積み上げた分、価値がある』と胸を張りました。
29失点はJ1最少。特に無失点試合がリーグトップの15と、守備は抜群の安定感を誇りました。得点こそ昨季から12点減ですが、佐藤は警戒をかいくぐって17得点。そのエースをおとりに、空いたスペースを石原、高萩が生かすなど意思疎通にも磨きがかかった攻めは、対戦相手の脅威に。
それも個々の連携の向上があってこそ。固定されていないポジションは左サイドのMFだけ。残りの10人は『鉄板のレギュラー』と織田強化部長。このうち1人でも先発から欠いた9試合は、1勝6敗2分。逆にそろった25試合は、18勝3敗4分と、極端なまでに勝率が上がります。チーム戦術の熟成は、大型補強にも勝ちました。
森保監督のマネジメントも見逃せません。運動量が求められるサイドのMFや31歳の佐藤を、終盤にベンチへ下げる策は恒例化。コンディションを整え、レギュラーを欠く試合を確実に減らしました。
将来を見据えた編成が花開いたとも言えます。昨季加入した石原には2008年終了時からラブコール。同じく数年越しのオファーで獲得した千葉は、7月の東アジア杯で初代表に選ばれるほどに。浦和へ引き抜かれた森脇の穴も、昨夏にJ2水戸から塩谷が、補って余りある仕事を。プロ1年生の野津田が試合に絡むなど伝統の育成力も健在です。森保監督も『織田部長の先見性ある選手眼で、いい人材を獲得してもらい大変助かった』と謝辞を送ります。
選手年俸などのチーム人件費は14億円で、J1でも中位以下。そんな地方クラブが09年のJ1最昇格以降、常に賞金圏の7位以上をキープ。地道な歩みあってこその、快挙です。中核を担う高萩や青山、水本らは20代後半と、脂の乗る時期にさしかかったばかり。黄金時代の予感すら漂わせ、07~09年の鹿島しか達成していない『3連覇』への挑戦権を得ました。
(参考: 朝日新聞 藤木健記者筆・サンフレ優勝記事コラム)
昨夏、森脇が浦和から水面下のオファーを受け、移籍が濃厚となった段階で、J2水戸から塩谷を。塩谷は国士舘大卒で、J2水戸柱谷監督の後輩。大学4年の時、プロの道を決意し、柱谷さんに学びます。卒業後は1年半、水戸でプレー。大宮、清水、広島からオファーを受けましたが、サンフレに。柱谷監督は、森保監督に『塩谷を絶対に育てろよ。日本代表になれる力を持っているから』と引き継ぎ。塩谷は森脇なき後を完全に穴埋めし、評論家筋では、それを上回っているという評価も出ました。
抜けた、柏木、槙野、李、森脇も素晴らしい選手達でした。が、これを埋めた石原、千葉、塩谷、そして新人のファン、清水、野津田など、チームがまさに『一丸』となったこの2連覇は、大成果だと言えます。来季はさらに個々の技量を磨き、全チームから恐れられる選手団に成長して欲しいですねえ。一つ付け加えれば、高萩君、FK、CKの精度を俊輔並に上げてくれ。これだけで大きな戦力アップに寄与すること間違いなし、です。頼むよ、高萩選手殿。
サンフレのサッカーは面白くない、という人達がいます。なら、どんな試合が面白いのか。攻撃優先で、守備は穴だらけ、が面白いのか。昨季、大久保、野沢、田代、ポポというブランドプレーヤーを抱え、J2に降格した神戸のような試合が面白いのか。はたまた、興梠、関口、槙野、森脇、原口、柏木、とこれもブランドプレーヤーを要した浦和の戦術が正しいのか。見方を変えれば、サンフレのプレーは決して面白くないというものではありません。攻守の切り替えの素早さ、スリータッチでシュートまでワンタッチパスで持ち込むカウンター。私が特に感心するのは、左手前から、右前方のミキッチへのロングパス。これがほとんど正確無比に届きます。他のチームの試合に比べ、とてもダイナミックと言えます。守ってはゴール前の球裁きも正確に切り抜ける細かいパスワークも見物です。そして何と言っても、守護神西川の素晴らしいプレー。完成度が高くなった今季のプレーはまさに素晴らしい、と私は思いますねえ。O(^-^)o
★昨夜横浜アリーナで『Jリーグ・アウォード』が開催されました。MVPには中村俊輔が。サンフレは、チームと個人で佐藤寿人がフェアプレー賞を受賞。優秀選手賞には、優秀選手賞は、西川、塩谷、水本、ミキッチ、青山、高萩、佐藤が、ベストイレブンには、西川と青山が選ばれました。来季に向け、新しいエネルギーを得たようです。が、まだ天皇賞が残っています。是非W優勝で2014年の幕を開けて欲しいですねえ。ガンバレ、日本一サンフレッチェ!
★セリーグ新人王のヤクルト小川投手が、契約更新を。年俸1,200万円が5,600万円と大幅増。菅野には400万円差がつきましたが、なかなかの数字。お金の使い道を聞かれ『時計や車も欲しいですね』と今時の若者らしい答が。来季も頑張ってヤクルトの屋台骨を支えて欲しいですねえ。
カープのマエケンは7千万円増の2億8千万円で合意。また、大リーグへ移籍への希望も公表。来年チャレンジの可能性を示しました。カープもサンフレ同様、育てた選手が草刈り場になりますねえ。なんとかしろよ、経営陣、です。
★米政府は、リーマン・ショック後の経営危機救済に際し取得していた全株式を売却。損失は、1兆800億円に達したと。財務長官は『米国の自動車産業が安定したことで、多くの雇用が生まれた』と述べ、成果を強調。日本だったら、どうでしょうかねえ。まあ、トヨタと日産が同時に経営危機に陥った状態が想定されますが、そんなことは起こりえないでしょうし、ねえ。
★そのGMの次期CEOに、開発部門でトップの女性上級副社長マリー・バーバラさん(51)が就任すると発表。世界の自動車大手で初の女性トップ誕生と。来年1月15日付け。ヒューレット・パッカードの再建に、女性トップが就任したことが話題になりましたが、このGMの新女性CEOも世界の注目を浴びるでしょう。それにしても、開発陣のトップが女性とは、アメリカらしいというか、日本ではまだまだ実現の可能性が薄い現実ではあります。
■今日の画像は、『パキスタン・ラフォーレの路上。荷重な荷物で押しつぶされた馬』と、『Jリーグアウォーズ受賞者たち』です。〕ゾ.肇蹈侫を手にしたサンフレ、MVPの中村俊輔、フェアプレー賞・高円宮杯チーム賞を受けた森保監督、て姥朕余泙虜監寿人、ゥ戰好肇ぅ譽屮鵑寮樟遏↓ζ雲鳥魁↓10月下旬、平和大橋東詰めで出合ったサンフレ5人集、です。パキスタンではこれほどの荷を背負わされるのですねえ、かわいそうな馬たち、です。(@_@)
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