マグロ資源の減少から、マグロの成魚の捕獲制限に加え、稚魚を使う養殖の拡大が禁止されました。それを受ける形で、近畿大学が技術確立した卵から成魚まで養殖する『完全養殖』を使ったビジネスが広がります。長崎県五島列島の福江島には東洋冷蔵が設備した、直径30~50mのいけすが整然と並びます。いけすで飼った親魚に生ませた卵を人口孵化させ『完全養殖マグロ』を育てます。
水槽での採卵を既にビジネスにつなげているのが『ブリ養殖』。国内最大の生産地、鹿児島県長島町のでは2013年、夏が旬の『新星鰤王』を売り出しました。ブリは本来、冬に脂が乗ります。これまでの養殖業では春先に生まれた稚魚を捕まえて池に入れ、2年目の秋から冬に売ります。難点は天然物と旬が重なること。
『新星鰤王』は、水槽内の光や水温を調節して親魚に春が来たと錯覚を与え、天然魚より3~4ヵ月早い11月に産卵を促します。『早生まれ』の2年魚は夏には出荷サイズに成長し、旬を迎えます。漁協では他産地に先駆け、米国などに輸出を開始。漁協では『海外は環境への意識が高い。天然の稚魚を使わない養殖はそれだけで付加価値がある』と話します。
山あいにある『岡山理科大学』。この大学の養殖技術の特徴は『海水を使わない海水魚の養殖』。山本教授は『海水魚にとって海水は最適な環境ではない』と強調します。海水の成分のうち、魚が生きるのに必要なのはナトリウム、カルシウム、カリウムだけ。強い塩分は成長を遅らせる原因にも。必要な成分だけを真水に加えた『好適環境水』を循環させてトラフグやクエ、車エビなどを育てます。また『理大のさかな』として卸売市場にも出荷して。
海水を使わない最大の利点は、養殖の場所を選ばないこと。例えば市場の地下で養殖すれば、物流費はかかりません。海を使わなければ漁業権も発生せず、誰でも新規参入が可能に。海水に住む病原菌の心配もなく無投薬で育てられます。
水を循環させるコストが問題ですが、ゴミ焼却場などの熱エネルギーを使えば採算ベースに乗せられます。『設備やノウハウをパッケージにして1~2年のうちに大学外でも実用化出来る』と山本教授。国内の企業や自治体以外に、東南アジアや中東からも視察団がやってきます。
日本でクロマグロの養殖が本格的になったのは、2000年以降のこと。養殖業の進歩はそれだけ早いという証明に。近い将来、砂漠育ちの海水魚が食卓に載ったとしても、驚くにあたらない時代が来ます。
まだに、『漁業の工場化』ですねえ。『農業の工場化』も進歩が早いですが、漁業の工場化もそれにまけないほどの早さです。日本の技術開発力は電機・自動車などの工業製品に止まらず、あらゆる分野に発揮され、波及していく様相です。
★SMBC日興證券が、マツダの業績予想を上方修正。連結営業利益について、14年3月期1,920億円、15年3月期2,640億円、16年3月期3,120億円と。会社の計画は14年3月期1,600億円。なんとも破天荒な上方修正ではあります。が、もしこの通りにいけば、この4~5年超円高で苦しみもだえた逆境を跳ね返し、一躍優良企業に返り咲きます。是非とも証券会社の予想をクリアして欲しいですねえ。サンフレ、カープのためにも。(^.*)
★輸出立国ニッポンの昨年11月の貿易収支がなんと『1兆2,543億円の赤字』だと。配当や利子収入などを加えた経常収支でも『5,928億円の赤字』で、比較可能な1985年以降最大に。貿易収支の赤字は、原油、LNGなどの輸入に加え、台湾からのスマホの輸入増によるものと。輸出立国ニッポンもかたなしではあります。昨日の円高は、ヘッジファンドが12月の新規雇用数の少なさを取り上げ、ドルを売り込んだ気配ですが、こんな赤字が続く日本の円が高くなるはずもありません。(*.^)
■今日の画像は、『都知事選立候補を決意し、小泉元首相とメディアに対応する細川元首相』と、『イワシジャン』『バラの切り花』『キク』です。元首相X2=勝利、の方程式になるか、興味がもたれます。(^.^) (昨日のアップからのアクセス件数は、384件でした)