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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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『現代の悲劇、国の方針で人生を踏み外した多くの博士達』

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法曹界の人材確保、拡大を狙って設立された『法科大学院』の灯火が揺れています。司法試験合格率の低さ、大学院生の資質の低下、法曹界を含めて卒業後の就職難などなど。同じ轍が『博士達』にも及んで。政府の肝いりで教育制度を改革したのもの、改悪の結果になり、多くの博士達が人生を踏み外します。この責任を政府はどうとるのでしょうか。またもや、無責任態勢で当時の担当者はすでに異動していて、責任逃れをするのでしょうねえ。被害にあった若者達こそいい面の皮ではあります。まあ、政府の言うことは『話半分』で聞くのがいいのでしょうねえ。選挙制度一つ改革できない政治ですから。これらの政策は旧自公政権のもと実施されたものです。事前検証と、途中でのチェックが甘すぎる結果とも言えます。

折角博士課程まで勉強しても、安定した職に就いたのは半数だけ――。成長戦略に欠かせない技術革新の担い手として期待される人材なのに、就職先は足りません。昨春の修了者1万6,260人のうち、無期雇用の正規職員は52%の8,529人。1年以上の有期雇用の非正規職員は15%の2,408人。主に1年未満の『一時的仕事』が5%、856人。進路が決まらない『就職も進学もしない』が18%、3,003人。つまり、安定した職に就かなかった博士が38%にも。

理由は、1991年度からの15年間で博士課程修了者は2.6倍に増えました。『研究者の需要が広がる』として国がその方針をとったから。だた、就職先は整いませんでした。修了者の多くは大学の教員職に就いてきました。91年には博士課程修了者6,201人に対し、全国の大学教員採用者は計8,603人。09年には、教員採用者は1万1,066人に増えたものの、修了者1万6,463人を下回りました。

企業への就職もふるいません。国が製造業を中心に主要企業に尋ねたところ、新卒の博士研究開発者として採用した企業は7%のみ。野村研究書の報告書では、『企業の博士に対する評価は低くないが、修士より能力が特に優れていると見られず、「協調性」といったチームワークに課題があるとの指摘が多い』などと分析しています。そんな中、博士課程へ進む割合は減ってきています。02年度に修士全体の14.1%だった『進学者』は、12年度には9.6%まで下がりました。

『非正規』の多くは、『ポストドクター=ポスドク』と呼ばれる任期付き研究者。主に数年間の研究事業ごとに雇われますが、その後の地位の保証はありません。その数、1万5,220人。『ポスドク問題』と呼ばれます。政府は先月まとめた『成長戦略』で、『イノベーションの推進』を柱の一つとし、大学や研究機関の環境整備や民間の研究投資促進を目標に掲げました。しかし、ポスドク問題の解決の道のりは遠いと。

一方で、博士やポスドクの就職支援に、独自で力を入れる大学も出てきました。企業でのインターンシップの紹介や、就職相談が出来る支援センターは、全国30以上の大学でできていると。中でも、名古屋大学が06年に設けた『ビジネス人材育成センター』は最大規模。登録している院生やポスドクは1,200人。6割は名大以外で、全国から利用があるのが特徴です。

名大大学院工学研究科でポスドクをしていた伊藤俊成さん(35)は、09年再生医療に関わる企業に就職。2年間のポスドク時代は450万円の年俸制で、研究費が続く保証もありませんでした。専門は生物工学で、細胞の培養経験もありますが、新しい仕事は病院を回る営業職。重いやけどなどで人口皮膚が必要となると、保冷バッグを抱えて病院に駆けつけ、培養のための患者の皮膚を受け取ります。『学会の最新情報を医師に伝えるなど、研究者から営業へという珍しさが「売り」になっている。研究室で培った忍耐力、論理的思考力が強み』と話します。名大支援センターの森准教授は『大学の教員にも「落ちこぼれが企業に行く」と考えている人がまだいる。多様に活躍出来る人材を育てる大学、という意識を、教員も企業も持ってほしい』と話します。

確かに、技術革新のためには高度な知識を持った研究者の存在が必要ですねえ。企業がまだそれを欲していないというのは、日本の企業がまだ研究開発で『夜明け前』の状態であるからではないでしょうかしら。『ロックフェラー研究所』『コッホ研究所』などのような世界的権威のある、研究所が日本にもどんどん誕生することを期待しますねえ。ユニクロの柳井社長、何千億円という財団も天国へは持って行かれません。せめて『ユニクロ柳井研究所』を立ち上げ、世のため、人のために貢献されたらどうでしょうかしら。何千億円という財産も、元をただせば世間様からいただいたものですし。(^.*)
 
★先日も書きましたが、日本国憲法。成立時に国民投票がなされていないものが、改正するためには国民投票が必要と。なんたる矛盾。友人にその話をすると、すでに成立したものは仕方ないと。まあそういってしまえば身も蓋もありませんが、この欠陥憲法を後生大事に『護憲、護憲』と宣う頭の中身が分かりません。(>.<)

★私の今夏の一番のイベントは、北ア・立山です。8月5日から2泊3日で。初日は大日岳連山縦走、2日目が立山三山縦走、3日目が浄土山と黒四。いざ、3千メートルの世界へ、です。唯一天気が気になります。(^.*)

■今日の画像は、阿蘇市一の宮町の『新郎がひく馬に乗って結婚式に向かう花嫁』と、『ナニワイバラ』『オウバイに似た黄色い花』『黄色いアヤメ』です。新郎がひく馬に乗ってお嫁入り、とてもロマチックですえね、素晴らしい。(^.^)  (昨日のアップからのアクセス件数は、361件でした)



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