この3月、企業年金を運営する『京都府建設業厚生年金基金』が解散説明会を開き、大きな損失を抱え今年度中にも解散を決めました。府内の中小建設業者180社が加入する基金。引き金は、2012年に発覚した『AIJ投資顧問』の巨額詐欺事件。
AIJは、74の基金から預かった1,600億円のほとんどが返せなくなって。京都の基金もAIJに15億円を預け、ほとんどを失いました。昨年11月には、『プラザアセットマネジメント』に預けた5億円も失ったことが判明。上乗せされる予定の企業年金はなくなり、社員の老後も細ります。厚労省の試算では、年金のうち月に7千~1.6万円の企業年金が失われると。解散には、基金の損失を補填する必要があり、参加企業には踏んだり蹴ったり。
福岡県に住むタクシー運手手(62)は既に企業年金を失いました。08年、勤めていたタクシー会社が福岡県乗用車自動車厚生年金基金から脱退したから。この基金はリーマンショックによる金融危機で運用悪化に拍車がかかりました。必要な積立金が半分ほどに落ち込んで。もっと損失が拡大すると判断した会社は、社員分の損失を穴埋めして、脱退。この時運転手は脱退一時金を28万円受け取りました。結果、安い賃金で働いてきたことも影響し、40年かけてきた厚生年金は月14万円ほど。標準モデルの16万円を下回ります。
タクシー会社が入っていた基金は、今年9月に解散することが決まりました。運用成績が立て直せなかったことに加えて、昨年11月『プラザアセット』に預けていた30億円が戻ってこなくなったため。プラザは17の基金から86億円を預かっていましたが、損失が出て、ほとんどの資金が返還されなくなりました。厚労省は、企業の損失補填がなくても解散を認める見通しです。
AIJ事件やプラザ問題の背景には、厚生年金や国民年金などを運営していた厚労省・旧社会保険庁が厚生年金基金を天下り先にしていた歴史があります。積立金の運用や管理に十分な知識のない天下り職員が基金を運営してきたのです。厚労省によると、09年5月時点で614基金のうち399基金に旧社保庁などの国家公務員の天下り職員が646人もいました。
『天下りは基金の設立を認可する際の条件で、社保庁の人事にも組み込まれていた。みんな運用の素人なのに、厚労省は放置した』。大手銀行出身のある基金の常務理事は明かします。京都建設業厚生年金基金の関係者によると、事務局を取り仕切る常務理事は旧社保庁の出身。AIJもプラザも、知り合いの旧社保庁出身者が紹介したもの。
九州の建設関連業者の基金もAIJ事件で30億円を失いました。当時の旧社保庁出身の常務理事がOBのつながりで運用をまかせた結果。今の常務理事は『天下りが自分の仕事を守るために、解散も延ばし、損失が広がった。そのつけが年金受給者と加入企業に回る』と憤ります。
厚労省の罪、ですねえ、これら中小基金の解散、そして受給者の損失の発生は。なのに、知らんぷり。厚労省の罪を数え上げたら数限りない感じを受けます。まさに、サラリーマン化し責任逃ればかりに落ち込んだ厚労省職員だと、私は思います。
厚労省の罪、まずは、あのいまわしい『水俣病事件』。病根を『チッソ』という企業に求めず、被害者のわがままと放置した結果、被害者は鰻登りに増えて。また、あの『森永ヒ素ミルク事件』では、加害者・森永製菓の肩を持ち、被害者に低額の示談を勧めるなど、厚労省が聞いてあきれます。
そして消えた年金5,000万件。コンピュータ化で、転職した人の年金が幽霊になって漂う始末。このような結果になることは社保庁の関係者には十分予測出来たはず。まったく責任感のない仕事ぶりですねえ。こんな仕事を民間でしていたら、会社は倒産します。
更に、極めつけは『少子高齢化』を止められなかった大罪。常に多めで楽観的な人口予測をし、結果有効な少子高齢化阻止の政策も打ち出せず、将来放置すれば国が破綻するほどの赤字を国に作るのです。少子高齢化では、フランスやフィンランドで成功例があるにかかわらず、小出し政策に終始し、社会を変革する政策は打ち出せませんでした。歴代厚労相、そして歴代厚労省職員の作った罪は、殺人罪など個別犯罪の域を超えて、『無過失の社会的犯罪』だと、私は断定します。(怒)
★政府はこのまま放置すれば、2060年に日本の人口が8千万人に減ることを避けるため、これを1億人規模に維持するための政策を集中して打ち出すそうです。何を今頃、と思いますねえ。20年前にこのような考えを打ち出せば、もっと費用対効果がビビットに現れたのに。ここまで高齢化社会になれば、子供を産める夫婦自体が少なくなっています。自公政権の最大の欠点は、将来を遠望した長期的政策の立案が出来ないこと。本当に腹が立ちます。それでも政治家か、と。
★政府は、全国の専修学校に通う学生を対象に、授業料減免などの経済的支援を行うための検討を始めました。専修学校生は、大学生と比べて経済的に余裕がない家庭の割合が多いことから、安心して学業に専念してもらう狙いがある。2015年度予算の概算要求に関連予算を計上する方向。専修学校は、3,200校あり、生徒総数は66万人。専修学校のうち、高等専修学校は高校授業料無償化の対象となっていましたが、専修学校は取り残された格好になっています。そのため、政府が昨年6月にまとめた成長戦略には、専修学校生への支援を講じる方針が盛り込まれていました。まあ、納得ですね。
★『STAP論文』問題が輪を広げ、調査委員会委員長の論文がねつ造の疑惑にさらされ、小保方晴子ユニットリーダーの不服申し立てを巡る審査も揺らいでいます。理研は所員3,000人に対し、自分の論文の自首点検を指示したそうです。まあ、一体この世界はどうなっているのでしょうかしら。困ったものです。
★次々に暗い部分が浮かび上がる『韓国旅客船沈没事故』。すでに救命いかだは、保管機具がさび付き、ボートを海上に下ろすことが困難な状態だったと報道されています。が、この事故の核心は、実はこの錆びた救命ボートが役に立たないことを船長以下乗務員達は承知しており、船内放送で乗客に待機するよう指示し、犠牲者が拡大したとのこと。海上交通センターは、船の沈没前にいかだを使って乗客を助けるよう無線で指示しましたが、乗員は従わなかったと。韓国社会の『正義』とは一体何なのでしょうかしら。
★『人は誰でも死ぬるもの』。当たり前のことですが、作家『渡辺淳一さん』が逝去されました。享年80歳。若い逝去です。最近では男女の愛を赤裸々に書いた、人によるとポルノまがいと酷評される『失楽園』『愛の流刑地』などを発表。私は初期の『リラ冷えの街』『パリ行き最終便』『阿寒に果つ』『野わけ』、とりわけ野口英世を描いた『遠き落日』など初・中期のものは読みましたが、最近のものはご無沙汰です。札幌を訪問したとき、中島公園にある安藤忠雄さん設計の『渡辺淳一文学館』も訪れました。医師から作家への鮮やかな転身でしたが、人は寿命に勝てないという事実を残された感じです。死因は誰でも直ると言われ、PSA数値のチェックで簡単に症状がチェック出来る『前立腺癌』。何故医学に詳しい渡辺さんがこんな病気で亡くなったのか、分かりませんねえ。ご冥福をお祈りします。 合掌
■今日の画像は、『マウイ島の雄大な夕焼け』と、『牛田山からの風景』です。“校海ら二葉山と広島市内、尾長山から宮島と市内、5軼鳥海ら尾長山、二葉山、市内と瀬戸内、さ軼鳥海ら江田島、サ軼鳥海ら武田山、Φ軼鳥海ら広島南アルプス、Ы珍のミズナラの新緑。春っていいですねえ。(^.^)