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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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ジャーナリストの魂④『米ベンチャーネットメディア台頭す―大治朋子』

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■毎日新聞エルサレム支局長。1965年生まれ。89年、毎日新聞社入社。サンデー毎日編集部、社会部などを経てワシントン特派員、外信部デスクを歴任。防衛庁による情報請求者リストの作成に関するスクープで02年度の、続いて自衛官募集のための住民基本台帳による情報収集活動のスクープで03年度の新聞協会賞をそれぞれ受賞。米メディアの再編の動きを追った『ネット時代のメディア・ウォーズ』で10年度ボーン・上田記念賞を受賞。

私の学生時代はバブル全盛期で、節操なく金融も損保も受けたのですが、毎日の会社説明会みないなのがあって行ってみたら、これがなかなか面白そうだな、と。それで毎日に入りました。振り出しが阪神支局で3年、その後神戸支局3年、横浜支局に2年いて、合計8年のうち7年が警察回りでした。その後がサンデー毎日編集部で。支局時代と違ったのは、週刊誌はまず自分で企画しなくちゃいけない、ということです。自分がやりたいこと、興味を持っていることを記事にするので、企画力みないなものが身につきました。サンデー毎日は、他系列の週刊誌と違ってアンカー制度をとっていないので、自分で企画し、最後まで自分で書くという。

たいてい現場に行くと、他の新聞社や週刊誌がすでに同じようにまわっているのですね。そうすると最初に訪問したところには、既に『週刊文春』『週刊新潮』『週刊現代』や『週刊ポスト』『週刊朝日』が来ている。さらに回って行くと、置いてある他社の名刺が3、4枚となり、さらに次に行くと、もう1、2枚になる。そして、その次になると、もう誰もいない。私だけ。最初は団子レースだけれど、最後もう一歩、二歩を頑張った週は必ずほかの週刊誌と比べて違う、内容が一番面白い。サボった週は明らかに負けている。『サンデー毎日』ではそんな感じで4年間いました。

私の取材スタイルは、情報をあげる人ともらう人という関係ではなくて、一緒に問題を考える人という立場。そうなれば、取材を受ける人も組織を裏切るという気持にはならない。私は力を貸してもらうという感じですね。

防衛庁関連のスクープ記事で2年連続新聞協会賞を受賞したが、これらは日常の仕事の中で『あ、そうか』と思っているようなことなんです。事実、取材した識者の中には『防衛庁なんだからそれくらいはやるよね』という言い方をした人はいっぱいいましたね。

近著『アメリカ・メディア・ウォーズ』では、アメリカで新聞が衰退し、ネットニュースにとって代わられていることを書きました。私は、ニュースを運ぶ媒体が二輪車になったり四輪車になったり、電気自動車になったりしてもいいと思っているんです。運ぶニュースが社会にとって有益であるならば私達の仕事はなくなりません。

アメリカの大手メディアをスピンアウトして、ベンチャーのネットメディアを創業する米国ジャーナリスト達のバイタリティ、ダイナミズムには驚かされました。でも日本ではああいうNPO的なメディアは出来にくい。日本では新聞社も放送局も大手がものすごく影響力があります。アメリカみたいに小さい新聞社がいっぱいあるわけではありませんし、働く人達の気質や取り巻く環境は大きく異なる。日本はどうしても慎重で保守的、新しいことには常に慎重になりますね。でも、紙媒体からネットでプラスアルファ的な記事を書くことも増えました。質感は紙の方がいいですが、私は動画も撮っています。動画は紙では出せませんからね。  (参考:大鹿靖明著『ジャーナリズムの現場から』)

★村山富市元首相と河野洋平元官房長官が6月9日、日本記者クラブで行った対談と質疑応答にはあっけにとられました。日本記者クラブから色紙への揮毫キゴウを求められた河野氏は、あろうことかこう書いたのです。『真実』。
平成5年8月、証拠資料も信頼に足る証言もないまま、慰安婦募集の強制性を認めた『河野談話』を発表した当人が河野さんです。河野さんはメディアのインタビューなどで、河野談話の根拠は韓国人元慰安婦16人への聞き取り調査だと強調していましたが、実は聞き取り調査の前に談話の原案が作成されていたことが判明しています。しかも、聞き取り調査の実態はアリバイづくりのための『儀式』(外務省内部文書)でした。

河野さんはまた、河野談話の趣旨・文言をめぐって韓国政府との間で事前にすり合わせが行われたことを否定し続けていました。が、実際のところ談話は、大幅に韓国側の要求を取り入れた合作であったことも明らかになっています。にもかかわらず、河野氏は色紙に『真実』と記し、その理由について『ジャーナリストの仕事は真実を追求すること』と前置きした上でこう説明しました。『とにかくまず最初は事実を認めることが大事。真実、事実を認めることからやらなきゃダメだ。一つ細かいことを持ってきて、だからなかったんじゃないかと言って否定する。よそでもやっているからいいじゃないか、と言わんばかりの言い方をする。こんなことが、どのくらい日本人の名誉を傷つけているか。私は非常に怒っている』。

冗談ではないですねえ。ほとんど悪い冗談のようなセリフです。怒っているのは国民で、事実関係を軽視し、旧日本軍や官憲がやってもいないことを浅薄な政治判断で認め、現在まで日本人の名誉をおとしめ続けてきた河野談話の当事者が河野さんなのです。天につばするとはこのこと。自国民より特定近隣国の要望を優先させてきたかのようにみえる河野さんは、自らの独善的で軽薄な言動にどれだけ多くの日本人が非常に怒っているか、まだ分からないのでしょうかねえ。
  
★安保法問題で、憲法適合、改正問題がかしましくなっています。が、この日本国憲法どっかおかしいと感じるのは私だけでしょうか。この日本国憲法は、改正するには『各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない』と定めています。つまり、国民投票で過半数を獲得することが条件。ふと考えました。改正に国民の承認がいるなら、新憲法設定にも国民の承認が必要なのではないか、と。新憲法を、帝国憲法の改正手続きで、安直に国会承認で済ませたこと自体が問題だと、私は考えます。当時GHQから押し付けられ、やむなく行った手続きとはいえ、なら日本が独立した時点で新しく憲法の確認が必要だったのではないでしょうか。吉田内閣の手抜かりではないかと思いますねえ。面白いのは、このGHQ押し付けの憲法を、護憲派と称する人達は後生大事に守ろうとしていることです。私は、日本人の手による、日本人のための新しい憲法を求めます。

★スカパー!で黒人冤罪事件『ザ・ハリケーン』を見ました。黒人ボクサーが言われのない罪に問われ、22年刑務所で過ごし、カナダの黒人少年と彼を支える白人の若者達の熱意が無罪の証拠を発掘し、冤罪を証明したものです。本当、アメリカという国は身勝手な国だと思います。黒人への人種差別は、白人がアフリカから奴隷として黒人を輸入したからに他なりません。全ての根源は白人にあることは明白。それなのに、今だ黒人への人種差別が存在します。KKK団をテーマにした映画も見ましたが、本当アメリカの白人達は身勝手です。先日の、教会内で9人の黒人を銃殺した白人の事件もまたしかり。ベトナム戦争、アフガン紛争、イラク侵攻、中米圧迫・・・。独りよがりなアメリカの失政が世界を覆い、結果イスラム国ISIが世界に害毒を流します。そのイラク侵攻の大失政を下したブッシュ元大統領の弟がまた大統領に立候補すると。アメリカという国には、反省とか正義とかはないのでしょうかねえ。不思議な国、傲慢アメリカです。

★河野元官房長官が、慰安婦問題、集団自衛権問題で政府批判を強めています。慰安婦問題について言えば、彼はあらゆる資料を調査して談話を出したと語っています。が、一番の肝は、元慰安婦達が本当に慰安婦だったのか、本当に強制連行されたのか、という点で証拠は一切確認されていません。韓国の支援団体が証明・推薦している、という一点だけ。韓国の支援団体は『従軍慰安婦』という間違った言葉を使ったあの朝日新聞記者とつながっており、いわばでっち上げの感をぬぐえません。当時の韓国の経済状況からして、強制連行しなければならないほどその種の人達が不足していたとは思えないからです。私が1980年、韓国を初めて訪れた時、ソウルにも釜山にも、その種の女性達が営業する特定地域が広く存在していました。その数は日本人が想定する以上に多かったという事実からみても、戦前の韓国の状態が推察出来るのです。

★新派遣法、何か中途半端。3年契約をベースに再契約を結ぶというもの。被雇用者の就業安定にはほど遠い内容です。昔の臨時工だって、これほどむげな扱いはなかった。なぜ雇用安定を中心に、企業側の努力を促す内容にならないのだろうか。ワーキングプアーの言葉が示すように、派遣社員は一生プアーに甘んじなければならないのか。このような世相で、出生率を上げようとしても、若者達が応じることは物理的、金銭的に、また子供の将来を考えて、応じることが困難になるでしょうねえ。厚労省、政府役人の考えることは机上の楽天的設計図で、巷の人の心や悲観論に対峙できるものではありません。日本独自の派遣法にリニューアルすることを期待しますねえ。『恒産なければ恒心なし』、まさに名言です。

★浦和レッズがJ1、前季優勝を果たしました。8年ぶりの優勝。まあ、優勝しない方がおかしいよねえ。サンフレから監督、選手5人も引き抜いたのだから。それに、ペトロビッチ監督にも優勝の勲章が必要だしねえ。おめでとう、浦和レッズ。サンフレは、勝点2位で浦和を追撃。年間優勝はサンフレが勝ち取りますよ、間違いなく。監督・選手5人を引き抜かれても優勝を2回もした本家本元ですからねえ。(笑)

★今日の画像は、『クレマチス』。釣鐘型薄紫色『エトワーズローズ』、ブルーの『ロマンス』、ポピュラーな『白万重シロマンエ』。雨露に濡れるエトワーズが好きです。O(^-^)o

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