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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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ジャーナリストの魂⑯『読者をつなぎ止める、超ハイパー・ローカル・サイト』

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アメリカの新聞社のトレンドは、読者をつなぎ止めるあめに地元密着型を目指しています。そしてそれを進化させ、地元回帰の路線に走るのであれば、そのローカル情報だけを集めたサイトを作ればかなり景気のいい商売が成り立つと考えた人達がいます。

ハイパー・ローカルのニュースばかりを集めるニュースアグリゲーター(集める人)『Outside.in Neighborhood News』。NYを中心拠点に2006年10月、資本金1,400万円で設立されたサイトで、2011年春時点の社員は17人。全米6万地域の『ご近所情報』を徹底的に集め、読者のニーズを捉えたサイトと話題を呼んでいます。

このサイトでは自分の住む町の名前や郵便番号を打ち込むと、地域のニュース、話題を綴ったブログなどをまとめたページが出てきます。トップに掲示されるのはヘッドラインとブログで、地元に関するニュースへのリンクやフリージャーナリストの記事などが読めます。その下にあるのは、地元住民によるツイッター。投稿される度に更新されるので、コミュニティーに住む人々の交流も生まれています。

Outside inは当初、ベンチャー企業からの投資で運営されていましたが、09年には米CNNテレビが資本参入、700万砲鯆鷆,靴泙靴拭11年春、ローカル情報を重視したニュースサイト作りを進めるAOLが1,000万砲杷禺AOLはもともと自分のサイトと統合し、名称を『Patch』とします。Patchは全米規模のサイトですが、それぞれの地域にレポーターを配し、ジャーナリズム学校を出たばかりの若者やブロガーなどが取材や執筆を担当している点が面白くて。

NYT紙もThe Nabe(地元を意味する)という地元密着のニュースサイトを作り、NY市内のジャーナリズム・スクールと提携。そこの生徒がいわば、OJTも兼ねた形で記者といて地元の話題やイベント、注目のスポットなどを紹介しています。

いずれのサイトも無料で、収入源はあくまで広告収入。ネット広告を出す企業の目標は『ターゲットを絞った効率性』と『聴衆の大きさ』だと言われます。地域を限定することでより狙いを定めた広告を打ち、それが住民の反響を得られれば広告費はペイする、という訳。

広告会社側から見ると、こうしたハイパワー・ローカル・サイトはターゲットを絞った広告を出しやすい。アメリカは日本と比べものにならないほど貧富の差が激しい国。地域ごとにそこに住む人々の年収や買い物の嗜好などが分かれていると言っても過言ではありません。例えば安売りスーパー『ウォルマート』がある地域はブルーカラー中心の労働者層や中流層が多いとか、高級スーパー『ホールフーズ』の集中するエリアでは富裕層の白人街といった緩やかな『住み分け』があります。

もう一方で、広告会社からすると広告をどれほど沢山の人が見てくれるかが重要になります。このような理由から、『ハイパワー・ローカル・サイト』が、ローカルと言いながら実はNYやシカゴといった大都市の街に集中しているのも、そのパイの大きさと関係しているのでしょう。大都市は若者が多く、ネットユーザーも多いからに他なりません。

さすがにアメリカ、と言いたいですねえ。日本でもその芽が育って欲しいですねえ。戦時情報統制を反映した、地方紙一県一紙主義を打破するためには、この『ハイパー・ローカル・メディア』がとても効果的と考えますが、どうでしょうか。 (参考: 大治朋子著『アメリカ・メディア・ウォーズ』)

★嬉しいですねえ、大村智北里大学栄誉教授のノーベル賞受賞。日本人で23人目。農家の長男で稼業を次ぐ気持でいたところ、盲腸の手術で入院中に父親から、大学へ行ってもいい、と許可が出て猛勉強。大村さんのいいところは、東大、京大ではなく地元『山梨大学』。そして夜間教師を経て研究者の道へ。しかも伊豆のゴルフ場で採取した微生物から抗生物質『イベルメクチン』を開発して、アフリカなどでの寄生虫による感染症退治へ大きな成果を上げたと。年間3億人がこの薬を使っています。普通の子供が、普通の進学をし、必死に研究をした結果、これが日本人ノーベル賞受賞者の特徴でしょうねえ。まさに『努力は報われる』『努力なしに成果なし』ではあります。

この薬、アメリカの会社と共同で開発し人への使用前に、20年間馬や牛、羊など動物への投与を行っており、世界一の動物用薬品になっていると。そして、今までに北里研究所には米製薬企業から250億円もの分配金が入っているそうです。この資金が大赤字で経営破綻状態にあった北里を救います。さらに、大村教授にも相当な額が、と想定されますねえ。美術館などの自費運営など、まこと素晴らしいことだと思います。あの中村修二さんが訴えたLEDの特許を巡りる紛争で、チマチマした対応をした徳島の日亜化学とは大違い、ですねえ。素晴らしいです。

と、翌6日夜、今度は東京大学の梶田隆章宇宙線研究所が物理学賞を。ニュートリノに重さがあることを初めて確認しました。2008年、ニュートリノの観測に成功したことで小柴東大名誉教授に授与されたものに続く、ニュートリノ関連です。人類にとって道の分野を切り開いた功績が認められています。

この2つのノーベル賞受賞を見て、韓国のメディアはさすがに反日の風を吹かすのをたじろいだのか、日本の学術の深さを誉める論陣が目立ったそうです。早く韓国も学術面でノーベル賞を1つでも受賞すると国民の世界観、日本を見る眼が変わるでしょうねえ。

★TPP環太平洋戦略的経済連携協定が、5年を越えるロングラン交渉の末、大筋合意に達しました。世界のGDPの4割を稼ぐ、太平洋に面した国々12カ国が参加します。この協定により、ECをも凌ぐ世界最大の経済圏に発展します。細かい問題のフォローは必要ですが、主立った産物の相互自由化に向けてジャンプします。TPPは、『自由、民主主義、基本的人権、法の普遍的価値を共有する国々と共に』と謳われており、この定義から中国は参入不適格な国になりますね。韓国は中国とFTA自由貿易協定を結んでおり、現在この二国間協定を15カ国・地域に拡大しています。が、TPPに参加しないことがこれからの韓国経済の先進性を失わせるきっかけになりそうな予感がしますねえ。

オバマ米大統領は、演説で『TPPを世界の通商のスタンダードにする。中国のような国に世界のルールは作らせない』と断言しました。はてさて、行く末が楽しみではあります。

★安部首相は、新内閣組閣後、憲法改正への意欲を表明しました。そのための国民的議論の成熟を目指すと。私は憲法の改正手続き条項は、法理論からしておかしいとかねてから感じています。というのは、現在の憲法が制定されたのは、国民投票を得てからのものではなく、旧帝国議会の賛成多数で決議され、発布されているからです。国会が、憲法改正手続きをそれ以上の段階の国民投票に定めたこと、実質的に上位段階への困難手続きにしたことで、これが法理論上許されるのか。極端に言えば、都議会が国会の手続きについての越権行為が許されるのか、ということです。このような疑問を唱えた憲法論は聞いたことがありませんが、この改正手続きには、GHQが『何が何でも、国民投票手続きで、実質的に憲法を改正させない』という極度の日本支配思想が入り込んでいると思います。が、恐らくその後の冷戦は中国の台頭などを見て、このGHQの思いこみが米国ののど元のトゲになったことに大きな反省があるとにらみます。ちなみに、米国憲法の改正は『連邦議会、両議員の2/3の賛成』で(具体的には、修正条項になるが)改憲が出来ます。なんたる暴挙GHQではあります。

★広島カープが、最終戦対中日に負け、CS進出がなりませんでした。阪神戦で、田中のホームランを誤審されたのも大きかったです。が、中日戦、何と言っても首脳陣の采配が無策でしたねえ。日経は、『結果的には8回にマウンドに上がった大瀬良が打ち込まれた。「一生懸命やったが最後は実力不足」と右腕はうつむいた。が、責任を負わすのは酷だろう。黒田、ジョンソン、福井の先発陣をブルペンに待機させる総力戦で臨みながら、従来の救援人から起用する「いつも通り」を貫いたのだから仕方ない』と厳しく、首脳陣の策のなさ、手落ちを指摘しています。

★今日の画像は、千田公園での『少年サッカー大会』。なかなか面白い試合が見れました。ちびっ子達の元気な姿がとても良かったです。(@_@)

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