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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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『東芝「地獄のS&W買収の悲劇」』

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今日の画像は、『プロペラのない風力発電機』と広島の自動車メーカーマツダが世界に送り出す名車4代目『ロードスター』。自宅の隣にある県立図書館でのイベントで展示してあったのをパチリ。初代は、確か1989年9月に新発売されて、予約だけで1万台を集めたと噂になった。その後、企業の浮沈はあったが継続して供給を続け、このジャンルでは累計100万台の生産を超えるギネス記録を達成している。まさに日本が世界に誇る名車となった。そして今や、更なる新しい名車の匂いがする『RF』です。画像の右下をクリックすると、大きな画が見られます。

★★昨年11月、米原発子会社ウエスチングハウスWHの買収10年を祝って川崎市のホテルで開かれたパーティーで、東芝会長(当時)の志賀重範(63)はひとり沈痛な面持ちでいた。『げっそりして暗かった。あんな志賀さんを見たことがない』。出席者の1人はそう言う。

原子力部門一筋に歩んできた志賀は、2006年のWH買収後、14年1月まで米国に駐在し、WHの会長、社長を歴任。15年に発覚した不正会計問題で多くの幹部が引責辞任する中、『若干グレーだが、原子力事業をやるからには余人をもって代えがたい』(社外取締役の三菱ケミカルHD小林会長)として、東芝の会長に就任した。『実はお金のことでもめていて』。東芝やWHで気心の知れた仲間が集うパーティーで、志賀はぽつりと漏らした。『暗い顔で「お金が、お金が」と言うもんだから・・・』。出席者の不吉な予感は、そのひと月後に的中する。

東芝社長の綱川智(61)は昨年12月末に記者会見し、米原子力事業で『数千億円規模』の損失を出す可能性を発表。その後の発表で損失額の見通しは7千億円を超え、今1兆円を超すとさえ言われる。東芝が巨額損失に気付いたきっかけは、昨年10月、WH傘下の原発建設工事会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)の下請けから撮った工事費用の見積もり。原子力事業を統括する志賀は、東芝役員で最も早く時代を知りうる立場にいた。

WHがS&Wを買収したのは15年末のことだ。08年に米国で原発4基を受注したが、11年に東京電力福島第一原発事故が発生。事故後の安全規制強化で急増した建設コストの負担を巡り、発注元の電力会社とWH、建設を請け負うCB&Iとの間で対立が起き、訴訟に発展するなどして工事が進まなくなっていた。WHは工事を進めることを優先し、訴訟の取り下げなどを条件にCB&Iから子会社のS&Wを買い取った。

東芝の公表資料からも、S&W買収の慌ただしさが浮かび上がる。東芝は、S&Wの企業価値の算定が買収時点で『初期的な見積もり』に過ぎないとし、『外部換算人の評価を得たものではありません』と記している。WHの資産査定が不十分なままS&Wを買収した時期は、東芝本社が不正会計問題への対応に追われた時期と重なる。東芝幹部は『不詳事件対応でバタバタしているうちに決められていた』と振り返る。


なぜ、それほど急いだのか。工事の遅延による人件費などコスト増の懸念に加え、『米政府の優遇税制の期限に間に合わせようとしたからではないか』と東芝の元担当幹部は指摘する。米政府が05年に制定したエネルギー政策法では、20年末までに新設の原発が運転を始めれば、発電量に応じた税額控除を電力会社が受けられる。だが、WHによる原発4基の工事は『16~19年』としていた当初の完成予定から大幅に遅れていた。『当然、電力会社は優遇策を適用してもらうつもり』(元担当幹部)で、20年末に工事が間に合わなければ、WHは電力会社から数千億円規模の補償を求められる可能性がある。期限が迫る中で、S&W買収で工事が進むなら、とWHが考えたとしても無理はない。

だが、S&Wの経営実態を精査すると、東芝が1基5千億円とみていた原発の建設費用は、実際には7千億円程度に膨らんでいた。『我々はだまされた』。昨年12月になって巨額損失について聞かされた東芝の幹部は今、こんな感想を漏らす。『ただでいいから、お金をつけてもいいから、どなたかWHを引き受けてもらいたい』。東芝は今月、WHの米連邦破産法11条申請の検討を始め、3月29日、これを実行した。

昨春頃から、国内原発メーカーの再編を描く経済産業省の幹部は、かつてWH買収を東芝と争った三菱重工の社長、宮永俊一(68)に『WHにご関心はありませんか』とたびたび打診していた。だが宮永は慎重な姿勢を崩さなかったという。『CB&IやS&Wについて知っていることをコメントしただけ』と話す宮永は、シカゴ大に留学した経験もあり、CB&Iなどシカゴ系の企業の実情に明るいとされている。S&Wを巡る東芝やWHの動きを冷静に見ていた。WHはこの2年で1兆円近い損失を出し、東芝の自己資本を食いつぶした。経営危機への足取りは、6千億円を投じた11年前の買収劇から始まっていた。

3月30日、WHの破産申請を巡る記者会見で、記者からの『WH買収から10年余。東芝はどこで間違えたのか』と問われると、綱川社長は『私には分かりません』とだけ答えた。原発事業の暴走が引き起こした巨額損失の穴埋めに、自分が育てたメディカル事業を売却せざるを得なかった綱川さんの本音だろう。

東芝の経営には、隠ぺい体質がしみ込んでいる。予兆は何年も前からあった。『インペア(減損)があるらしいぞ』。東芝の原子力事業部門でそう囁かれ始めたのは2009年。WHの買収が2006年だから、買収の3年後にはすでに社内では減損が意識されていたことになる。

2012年3月末にはWHのCEOに内定していた、ジム・ファーランドが突然、退職した。彼は直前の3月まで、1ヵ月かけて『次期CEOです』と、米国の電力会社で挨拶回りをしていただけに、業界にショックが走った。『WHの内情はそれほどひどいのか』と。ファーランドの退職は、一身上の都合とされ、東芝の志賀会長が急遽CEOを兼務することになった。

半年後の2012年9月、ダニエル・ロデリックがWHのCEOに就任する。ロデリックはGEで長く原発事業に携わった男で、業界では『やり手』と言われた。東芝はWHを買収した後、志賀ら数名の役員を送り込んでWHの立て直しと一体化を進めようとした。だが『自分達は世界で最初の商業用原発を動かした会社だ』というプライドに凝り固まったWHは、東芝を格下に見て言うことを聞かない。おそらく買収から6年以上、東芝はWHの実態を把握できていなかった。


『これでようやくまともになるかも』。東芝社内に安堵の空気が流れた。しかし『ミイラ取り』のロデリックは、自らがミイラになってしまう。CEOに就任してしばらく経って、メディアに露出し始めたロデリックは『WHは米国、中国だけでなく、インドでもトルコでも順調に受注を獲得している』と言い始めた。『嘘つけ』。事情を知る東芝社員達は落胆した。『やり手』と期待されたロデリックも、実のところは原発事業からフェードアウトを始めたGEの『窓際族』であり、原発にしがみついて生きていくしかない男だったのである。

『海外の原発事業のリスクは遮断した』。綱川、平田、畠澤の3人は、1時間半の記者会年でそう繰り返した。だが真に受け取ることは出来ない。裁判所に駆け込むだけで、10年余のツケを払いきれるとは思えないからである。世界各国で建設中の原発を放り出し『あとは知りません』という無責任が通るほど世界は甘くないはずだ。

『もしスポンサーが見つからなかったら再生計画はどうなるのか』。記者会見の終盤で本質を突く質問が出た。『今回、減損対象になった米国で建設中の原発以外の事業は順調なので十分見込みがあると考えています』。そう答えた畠澤の顔は、『WHの燃料とメンテナンス事業は堅調で、減損の兆候はありません』と、1年半もの間言い続けた平田の顔に重なって見えた。2人とも、サラリーマンの役目に徹する『能面』のような顔をしていた。WHの崩壊は東芝が買収した時点ですでに進行していたのである。それを覆い隠し、メスを入れることさえ出来なかった東芝経営陣は今後どんな責任の取り方をするのだろうか。


★東芝は、ランプで有名な東京電気と重電の芝浦製作所が1939年に合併して誕生した会社。乾電池から原発まで、がスローガンだった。芝浦製作所の産みの親は、有名な『からくり儀右衛門=田中久重』。儀右衛門も墓の下で涙しているのではないだろうか。残念無念だと。東芝と同じ総合電機の三菱電機は、半導体を切り離し、携帯をやめて、インフラなどの事業に力を注ぐ。V字型回復をした日立製作所もそうだが、『総合力』では生き残れなくなり、ようやく個性が出始めた。成長事業を見抜き育てることが経営者の使命であり、変化を拒めば組織も守れず、新しい雇用も生み出せない。東芝の教訓はそう告げている。

★なんと、メキシコからアメリカへ密入国する不法移民の取り締まりが、トランプにより『国境の壁』が張り巡らされることから、その前に密入国を企てる者が激増と。しかもその中身は、メキシコ人より中国人が主流だと。米国不法移民は、メキシコ人が半数以上、これにグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスと続き、何と5番目に中国が登場。しかも、密入国メキシコルートが閉鎖されるとの思惑から、中国人密入国が急増していると。習大統領ではなかった、習主席殿、中国人の世界中にばらまき、新入するのは、どこの都市に行っても中国人街があるので証明されている。が、習大統領時代に密入国者がアメリカに急増するとは、それほど中国は住みにくい国かえ、さあどうだ。

★WBC、残念ながらよもやの菊池、松田のエラーでアメリカに敗戦。この試合に勝っていれば優勝の芽もあったのだから、残念至極。菊池はエラーを挽回すべくホームランを打ったが、松田は内野ゴロでいいところなし。が、いよいよ日本のプロ野球開幕。カープファンの前夜祭も賑やかだが、今年はどこまでやれるか。打線が今一歩の感じがするし、投打にわたって若手の台頭がみられない。サンフレの低迷とカープの行方が広島市民の大きな心配事にならなければいいがなあ。


★『また出たと坊主びっくり貂テンの皮』、という落首が江戸で評判になった。11代将軍家斉の時代。この頃播州脇坂5万1千石の当主淡路守安重という人物が、23歳という若さで寺社奉行になった。当時寺院が腐敗し、僧房が隠避インピを極めていたという風評があったので、この能吏はそれを調査し、ことごとくえぐり出して処分し、日本中の僧侶の肝を冷やさししめた。この彼が後同じ寺社奉行に再任した時、『また出た』と僧侶達は震え上がった。川柳はそれを風刺しているのである。

初代脇坂甚内は近江の出身。明智光秀の配下で陣借りをする野武士風情であったが、秀吉が長浜に城を建てた頃家来に取り立てられた。甚内は決して武勇の士ではなかったが、素朴で正直でかつ粘り強かった。賤ヶ岳の7本槍で秀吉の近衆、福島正則や加藤清正が手柄を立て、秀吉が世に配下の功績を宣伝したため歴史に残ったが、甚内もそれほどの功績はなかったものの、数の内に入れられ、7本槍の一員として歴史に名を残した。関ヶ原では西軍に属したが、それより1年前、家康に味方することを内通し、戦いでは何も行動を起こさなかった。この功を認められ、その後7本槍の面々は取りつぶしにあったり、淘汰されたりしたが、脇坂家は播州で家系を保ち、維新まで続いた。武勇だけは一時の手柄、家名を残すが名をなすことなく、自然体で世の流れをきちっと読み切るリーダーだけが残り得るのであろう。平成の今も同じことが言える。消え去る東芝、何を思うか。


★台風のない欧州で生まれた風力発電。よって、台風に弱く、羽根が壊れたり、塔が倒壊したりする事故が起きる。なら、羽根のない、塔でない風力発電は出来ないか。まさにコロンブスの卵。これを実行したのが東京都墨田区にある『株式会社チャレナジー』の代表『清水敦史さん』。この会社は研究開発型のものづくりスタートアップ(立ち上げ)企業で、世界初となるプロペラのない次世代型の『風力発電機』の実用化に向け、町工場の『株式会社浜野製作所』と共同で試作機開発や実験を行っている。

風力発電といえば、大きな風車型の発電機が一般的。ところが、同社によるとこうした発電機は台風による強風が仇となりプロペラが変形、折れ曲がるなどの故障の可能性があるため、台風接近時には運転を停止する必要があるそうだ。大型の台風のエネルギーは、日本の総発電量の50年分にも相当するというのに、それを享受することが出来ないのが現状。

清水さんは、そこにイノベーションの必要性を感じ、プロペラではなく、円筒を気流の中で自転させた時に発生する『マグナス効果』に着目。つまり、ナックルボールのように、空気抵抗を受けることで、回転方向に沿った空気の流れが発生し、物体の軌道が曲がる効果。この効果を応用して、世界初の実用化を目指すのがプロペラのない風力発電機『垂直型マグナス風力発電機』。プロペラ型に比べても、安全性の向上、低コスト化、静音化が期待できる。そして、理論上は大型台風等の強風下でも発電可能となる。さらに、この台風で収穫した大量の電力は、発電した電気を使って水を分解し、『台風水素』を生み出し、それをタンクに貯蔵する。そしてタンカーで水素を世界各地に売却する、と壮大な夢と製図を描く清水さん。そうなれば、CO2も抑えられるし、新興国の電力不足も補える。現在沖縄で実証実験中。

清水さんは、大手電機メーカーに務めていたが、東北大震災で受けた原発事故を目の当たりにし、原発は将来廃止せねばならない。なら代替えの発電力は何か、と考え、新しい風力発電の構想にたどり着いたと。世界に向けての公式発表を、オリンピックの2020年に向ける。日本の見事な自然エネルギー発電を、オリンピック競技の支援電力に供したいとも。まさにエジソン級の発明かも。素晴らしい頭脳力。これぞ日本の宝、と思うなあ。本当に。
  https://www.recruit-lifestyle.co.jp/lifeshift/ls21854_20161125


★新社会人、スピードスケートの『高木美(22)』が、日体大氷上スポーツ研究室の助手となる。高木は『社会人になったという実感はまだないが、どんどん時間が過ぎてもう4月。さらに気を引き締めたい』と決意を話す。来年の平昌五輪まではスケートに専念する。高木の活躍を知ったのは、まだあどけない顔立ちの中学校2年生の時。もう22歳。こちとらも歳をとる訳だねえ。

★認可保育施設に入れない待機児童は昨年10月時点で、全国47,738人に達していたことが判明。2年連続の増加。一体政府は『少子化』に歯止めをかけ、人口増の画を書く気持ちがあるのか、疑わしい。あれほど防衛力強化には、迅速かつ潤沢な予算が投入されるのに、ああ、それなのに、日本国政府は問題解決の順位を間違っている。残念な日本国だ。

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