★今日の画像は、岐阜県高山市奥飛騨で養殖されて高級食品『キャビアを生むチョウザメ』、そして『ご飯にかけて食べる、贅沢なチョウザメ茶漬け』、倉敷市真備町で被災者救出に活躍する『防災ヘリ』。そして『ユリの木の花』『薄ピンクのバラ』、名称不明の『青い花』です。今朝の段階で、大雨被害による死者は計88人、行方不明者が50人以上になっています。なんという大災害でしょうか。まさに亡くなられた方々へ合掌、以外にありません。右下をクリックすると、大きな画が見られます。
★★★積水化学は、都市ごみや産業廃棄物を丸ごとエタノールに変える技術を開発した。ごみがもたらす『都市油田』がにわかに現実味を帯びてきた。石油化学製品であふれかえる日本が資源大国になり、温暖化ガスの排出など環境負担の軽減にもつながる。原料の自給率向上と合わせ一石二鳥を狙う衝撃の技術だ。
積水化学の技術は、焼却や埋め立てで処分していたごみを燃料や化学製品の原料に転化する。プラスチックに使う化石資源を使い回せば、原油を輸入せずともプラスチックの需要を満たすことが理論的には可能だ。これがまさに『都市油田』なのである。
都市ごみや産業廃棄物をエネルギーや化学原料に転換する技術開発には様々な試みがあった。農水省が支援して、エタノールを発酵生産するパイロットプラントも作られた。また、日立造船や新日鉄などエンジニアリングメーカーもこぞって研究開発に参入している。自治体でも積極的な取り組みを見せる地域も現れた。しかし、実用化にはコストの壁が立ちはだかった。ほとんど事業化には至っていない。
これを解決したのが、ごみを蒸し焼きにして、どんなごみでも一酸化炭素と水素ガスに分解するガス化技術だ。既に確立した技術だが、実はごみの多様性故に余計な成分がこのガスには混入してくる。エタノールの発酵生産を阻害する物質も含まれる。
積水化学はこれに対処すべく独自の精製・管理技術を確立した。フィルターや吸着、触媒による分解技術などを駆使し、400成分を徹底的に排除・管理する。また、ごみの種類によっては、生成するCOと水素の割合も変化する。そしてガスの成分をオンラインで計測し、COと水素の割合などを適正化する技術も開発。都市油田の『採掘』でごみの多様性が課題となっていたが、ガス化とエンジニアリング技術を組み合わせて克服した。
提携先の『米LanzaTech』が提供する微生物が、このガスをエタノールに発酵生産する。天然から分離・育種された菌で、分子のCOと水素ガスを効率よくエタノールに転換する。ごみの焼却プラントから取り出したガスを隣接する発酵プラントに吹込み、エタノールを連続発酵生産するという具合だ。
埼玉県寄居町のごみ処理施設内に、2014年からエタノールの生産能力が年間20キロリットルのパイロット工場を稼働、低コスト化に自信を深めた。JAAS規格の高品質エタノールを1リットル当たり90円以下で生産出来ると言う。またライフサイクル分析による二酸化炭素排出量は焼却する石油代も不要になるため135%も削減出来た。
最大の市場である米国にはごみ焼却場が少なく、ほとんどのごみが埋め立て処分される。分別収集と焼却処分というインフラで世界をリードする日本こそ、『都市油田』の採掘に成功する可能性が高い。積水化学は18年に10分の1スケールの実証プラントを稼働させ、20年に本格商業化に乗り出す。バイオのエネルギー・資源分野の応用で世界に遅れをとった日本にとり、起死回生の一撃と期待される。
★<ポンペオ国務長官訪朝>アメリカのポンペオ国務長官が訪朝した。米朝首脳会談で合意した北朝鮮の『完全な非核化』の進め方を巡り、金正恩委員長の側近である金英哲副委員長と協議に入った。
なにやら、先の米朝首脳合意、芝居じみていると見るのは私だけだろうか。前回同様、北朝鮮にアメリカがたぶらかされているのではないか。完全な非核化は、北朝鮮にとってみれば、リビアの悪夢の再来になる。簡単にはいかないだろうな。韓国情報としても、『北朝鮮が6月12日の米朝首脳会談後も兵器用核物質の生産や弾道ミサイル開発などの活動を続けている』と報じられている。トランプ大統領は中間選挙に向けて、なりふり構わない行状を示している。この米朝和平も首脳会談の生煮えのまま、会談に臨んだ風情がある。
中国との関税新設の貿易戦争の仕掛けもその一つ。世界平和と言いながら、世界の秩序を破壊しているのだ。『貿易赤字が膨大だ』とは大統領の言葉だが、真相はそれだけアメリカ人が分不相応な贅沢な生活をしているからなのだな。
実際、関税が出動され、アメリカ企業にコスト高などブーメランで跳ね返ってきた時、アメリカ国民は何と嘆くのか、怒るのか、予想も出来ないな。
★<産科医のつぶやき>私は大阪の南端にある『りんくう総合医療センター』に勤務している。専門は周産期医療。周産期とは妊娠22週から出生後7日未満までを指すが、『22週以降しか診ません』という産科医はいない。私も、妊娠前や妊娠初期は勿論、月経困難症から更年期の諸症状、子宮や卵巣の腫瘍や避妊相談まで診察している。
私は1980年代後半に学生時代を過ごした、いわゆる『バブル世代』だ。当時私はジャズにのめり込み、プロのテストさえ受けた。医学部医学科は6年制。さすがに4年次後半の臨床実習ともなると実際に患者さんと接しないといけない。にわかに勉強を始めた。
通っていた『香川医科大』では、消防署への泊まり込みのほか、離島のハンセン病施設や山の中の診療所での実習など、ダメ学生の目を覚まさせる経験が数多くあった。そこで救急医療に興味が湧いた。生死が隣り合わせの極限状態の医療の迫力に圧倒されたのだ。実は父も産婦人科の勤務医で、『産婦人科医だけにはなるな』と言われてた。僕のようなぐうたらは迷惑だと考えたのだろう。ところが、産婦人科の実習に言ってみると、緊急搬送は来るし、緊急帝王切開はくるしで、かなりシビアな外科系救急の診療科だった。
更年期や思春期などに関わる内分泌医学や子宮ガンや卵巣ガンなどの腫瘍外科学、筋腫や内膜症などに加えて、不妊治療なども産婦人科医の重要な仕事だ。すると大変興味が湧き、産婦人科医になってしまった。そんな経緯で女性の相談には何でも乗りたいと考えている。
担当した患者さんの中に、マンガ家の奥様がいた縁で、『産科医療の現場をマンガにしたい』という相談を受けた。取材に協力して出来たのがドラマにもなった『コウノトリ』というマンガだ。不思議な縁だと思う。妊娠・出産は病気ではない。だから『産科医』なんて必要ないはずだ。しかし、妊娠出産は女性にとって『生理現象』で済まされないほど負担がかかる。日本は、現在世界で最も周産期の安全な国と言われている。が、まだまだ課題が多く残っている。(参考:萩田和秀筆『奇跡の傍らで』)
★<世界にも負けない『奥飛騨キャビア』>『キャビア』の原料となる卵を産むのは『チョウザメ』と呼ばれる魚で、名前は似ているがサメの仲間ではない。チョウザメは何億年も前から姿を変えずに地球上に生息している古代魚だ。
かつては日本の川にも生息していたチョウザメだが、キャビアの原料となる卵や、コラーゲンを豊富に含んだ肉を目当てに乱獲され、絶滅危惧種となっている。しかし現在、日本の各地でチョウザメの養殖事業が盛んに行われており、中でも岐阜県高山市奥飛騨で作られるキャビアは、最も高級とされるカスピ海産に負けないほど良質だと高く評価されている。
キャビアはクラッカーやパンに乗せて食べるイメージが強いが、やはり日本人としては白いご飯に乗せたくなってしまうもの。贅沢にお茶漬けにするのも美味しそう。
チョウザメは淡水魚なので、水槽で飼育出来、きれいな水を豊富に手に入れることが出来る山奥が適している。奥飛騨では山の地下水をくみ上げ、太陽光を完全に遮断した部屋で厳重に飼育されている。チョウザメの養殖は、高山市の他に、北海道の美深町や宮崎県日南市などでも取り組まれている。2015年には国産キャビアの海外輸出も解禁され、奥飛騨に限らず副業としてキャビアの養殖にチャレンジする人も増えている。実入りのいいビジネス、これからも国産キャビア熱は高まっていくと予測されるな。
★<大雨被害のメカニズム>今回の西日本を中心とする大雨は、梅雨前線が東日本~西日本の上空で数日間ほぼ同じ位置に停滞したことが原因だ。
梅雨前線は、北側にある『オホーツク海高気圧』と南側の『太平洋高気圧』が、日本の近くでぶつかり、停滞することで生じる。太平洋高気圧の勢力が次第に強まり、前線が北上することで梅雨が明ける。今回は暖かく湿った空気が前線に向かって流れ込む梅雨末期の典型的な雨の降り方だが、前線が同じ場所に長時間居座ったことが異例だったと。高知県の馬路ウマジ村では3日間で、年平均の4分の1に当たる1,091mmの降水量を記録した。
関東地方は『梅雨明け宣言』があったものの、梅雨前線が再び南下し、台風7号が運んできた暖かく湿った空気が雨雲の供給源となり活発化した。気象庁は『戻り梅雨』だと説明する。さらに、上空を流れる偏西風の影響などで、太平洋高気圧が北上出来ないまま、オホーツク高気圧との拮抗が続いたことで、停滞が長時間にわたって続いたのだ。
太平洋高気圧の位置は今回、昨年の北九州豪雨に比べ東寄りだったことが、その理由だと言う。太平洋高気圧が南東に移動したことで、東日本~西日本にかけて広範囲に暖かく湿った空気が大量に入り込みやすくなった、と説明されている。とにもかくにも、数十年で1度という『乱痴気天気』には、とても対抗しきれない。自然の驚異を再び印象づけた大雨被害であった。
昨日、広島地方はJRが全線不通、高速も不通。市内電車、バスは運行というとても暗い日曜日であった。今日から被災地の本格的な復興が始まるが、からりと晴れた暑い日差しのもと、大変な作業ではある。
★<変貌する鈴木誠也>今季の鈴木誠也は、打ち方が変わった。と言うよりも、打席での考え方が変わったように思う。昨季の途中までの鈴木は、打順が何番であれ、ストライクゾーンに来た球をフルスイングして打ち返すという比較的シンプルな打ち方だった。ところが4番に座ってから時間が経過するにつれ、少しずつ打ち方が変わっていった。もっと言えば、右足首を骨折してから長期にわたって戦列を離れたことにより、考える時間が多くなったのも一因になっていたのかも知れない。
今季は、やみくもにバットを振らなくなった。その結果、ど真ん中のストレートを見逃したり、力なく三球三振で終わったりすることがある。普通なら『何やってるのか』と言うことになるが、実は、筆者はそう思わない。彼は、4番の仕事として『一発で仕留める』ということに徹しているのである。あらかじめその仕留める球を予測して打席に入っているため、その球がこなかった場合には、バットを振る気配もなく平然と見送っているように見える。
この打撃姿勢は、その雰囲気がそのまま投げてくる投手にも伝わる。それは、投手にとって一番怖いことである。その結果、鈴木への四球が増えてきた。カープは、鈴木の四球を足がかりにして、それを松山、野間、會澤などの一打でホームに返すというパターンが増えてきた。この点については、かつてのカープの4番を張っていた『栗原健太』の話が参考になる。『鈴木の見送り方がいい。四球を選んだときも、球が捕手のミットに収まるまで、しかりとした意図が感じられる』。(参考:迫勝則筆『カープの独り言』)
★<『万引き家族』、祝意辞退>『万引き家族』でカンヌ国際映画祭の最高賞を受賞した『是枝裕和監督』が、林文科相の祝意に対し『公権力とは潔く距離を保つ』として、辞退するとの報道があった。監督のサイトには『映画がかつて、「国益」や「国策」と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば』とあり、戦前の状況を意識した行動だと思う。
国家や国益という『大きな物語』に回収されていく状況に対して、映画監督が出来るのは多様な『小さな物語』を発信し続けることだ、とも書いている。映画を見たが、家族の生活は阿倍政権が目指す『一億総活躍』や、『女性が輝く社会』、『働き方革命』から大きくかけ離れている。しかし、小さな物語は現実だとも思える。文化の一翼を担う表現者が大臣との距離を保とうとする意図が理解出来る。
優れた業績を残した文化人やスポーツ選手などに公権力が賞を与えるが、今回の祝辞辞退を通して公権力と文化や仕事との関係を改めて考えさせられた。(参考:太田光一さん筆・朝日新聞投書)
★<『獺祭ダッサイ』が製造不能に>国内外で知られる日本酒『獺祭』の旭酒造は、今回の記録的大雨で、山あいにある蔵が浸水するなどの被害を受け、獺祭の製造が出来なくなったと。浸水したのは『本社蔵』と呼ばれるビルの一部。停電で冷蔵設備などが稼働出来なくなり、今のところ復旧の見通しは立っていない。90万本は廃棄せざるを得なくなり、普及にも数カ月かかりそうだと。
旭酒造は、山口県の小規模な酒蔵であった家業を、34歳で継いだ3代目の『桜井博志社長』が、それまで醸造していた普通酒『旭富士』の醸造をやめ、『酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて』とのポリシーの下で純米大吟醸酒を醸造したところ、これが東京で山口県出身者を中心に口コミで広まり、年間売上100億円を超えるまでにの大手メーカーにのし上がり、伝説的な日本酒メーカーになった。
日本酒売上ランクは、’鯆瓠↓月桂冠、J↓ぢ膣悄↓テ楡垢搬海が、旭酒造は堂々のベスト8位(16年)。広島県のトップメーカーと目される賀茂鶴や中国醸造はベスト20にも入っていない。酒造メーカーって意外に売り上げ規模が小さいんだねえ。
★<カープ3連戦中止>カープは今日からの阪神3連戦を予定していたが、西日本豪雨災害の影響で中止する。振替試合の時期は未定。想像を上回る甚大な被害状況に照らし、また犠牲者が多く出ている広島県の現状を見て、試合中止を決定したと言う。中止は残念だが、けだし当然なことではあろう。