東京有楽町のガード下にある新聞配達員向けの食堂で、朝食を作って11年。野菜たっぷりのポークジンジャーがが得意な『食堂のおばちゃん』が『松本清張賞』に輝き、受賞作『月下上海』(文藝春秋)が、単行本として発刊されました。『山口恵似子さん』、55歳の快挙です。
戦時中の上海を舞台に財閥令嬢ながらスパイとして活躍する画家の恋愛物語。『やっと報われました』と感慨もひとしお。高校生の頃からの夢は漫画家。賞に応募しましたが、編集者から『絵が下手』と言われ、断念。早稲田大文学部卒業後、就職した宝飾の会社は3年で倒産。その後派遣で仕事を続けながら、脚本家を目指しましたが、任されるのはドラマの脚本の基になるプロットばかり。『お金も名前も出なかった』と。
求人広告で見つけた食堂の仕事に採用されたことが転機になって。気がつけばテレビ局のプロデューサーは自分と同世代。『40代半ばで脚本家の芽はない』と悟り、年齢が関係ない作家への道へ。
正社員になり、職場の責任者になったことから、『仕事が安定して周囲が見渡す余裕が出来た。この仕事をしていなければ、決断はしていなかった』と。
毎日午前3時半に起床。仕事後に2~3時間、週2日の休日に8時間、ケータイ小説などを書き続けました。『食堂も書くのも好き。両方続けて生きたい』、と抱負を述べます。
賞の贈呈式で副賞500万円を手にしました。『食堂スタッフとゴージャスなレストランに行きたい』と。座右の言葉は孟子の『恒産なくして、恒心なし=一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできないということ』。山口さんが派遣社員時代に代って、食堂の仕事が定職として決まり、そこから作家への意欲と行動が沸いたことを振り返って、この言葉を語ります。
まさに苦節30年ですねえ。でも、55歳の山口さんはとても若々しく、明るい表情をしておられます。艱難辛苦の時代をバネに、人生をジャンプさせた山口さん、おめでとうございます。早速『月下上海』読みますよ!
★今日の中国新聞、スタンド売りがよく売れたでしょうねえ。なにしろ、カープのプリンス堂林が昨日のヤクルト戦、9回裏、3-4で負ける直前に、ランナーを置いて、サヨナラ2ランホームランを打ったのですから。もちろん堂林にとってサヨナラホームランは初めてのこと。先発マエケンが今一歩の調子で、バレンチティンのホームランなどで4点のビハインドをひっくり返したのですから、ファンは喜んだですよねえ。やっと堂林も長いトンネルから抜け出しそうです。(^.*)
★CIAのスノーデン元職員が、CIAが国民の個人情報を密かに収集していると暴露した事件。本人は香港に逃亡。米国政府は香港政庁に引き渡しを要求していましたが、香港政庁は『米国の要請は、香港の法規に照らし対応できない。なお本人は香港を出国した』と。はてさてどこへ、まさか北朝鮮でもあるまいに、と思っていると、なんと逃避先はロシアだと。
憲法に照らし、国民の個人情報を収集することが違法だとの主張だったと思いますが、これだと『単なる米国政府への反逆』でしかありませんねえ。本人の主張を正しいとするなら、CIAの行為が憲法違反であることを法廷の前で明らかにする必要があったでしょうに。ということは、本人はこの情報を暴露することは米国の法律に照らして、違反行為にあたることを承知していたのですねえ。まったく情けない人です。
と、今朝続報が、彼はロシアに入国するのではなく、ここから更に第三国へ。ベネズエラかキューバとの観測が。と、この逃避行には内部告発サイト『ウィキリークス』が支援したと。その関係からエクアドルへの入国も有力に。どちらにしろ、彼は国家に対する反逆罪であることには間違いありません。本当に正しいこと、憲法の精神に許容された『国民の信条の自由』を問ったのなら、素直に裁判を受け、自説を展開すべきです。逃げ回るなんて、何だ、と言いたいですねえ。テロに脅かされる米国の悲劇でしょう。
★昨夜は、サンフレ敗戦のナビスコ杯をスカパー観戦した後、ルマンを。久方ぶりのルマン・スカパー観戦でした。最終的には、アウディとトヨタの戦いで、1位アウディ、2位トヨタ、3位アウディ、4位トヨタと棲み分けました。
終盤、突如ものすごいにわか雨が降り、トヨタの1台がスピンアウト。全体は30分くらい、オフィシャルカーに先導されたセーフモードのランで、ドライバー達がイライラしていました。アウディも1台、接触によりパンクし、そこから自力でもたもたとピットに帰り、この車は相当な遅れに。
かつてのBMWやベンツが出場していないのが寂しかったですねえ。91年の『マツダ787B優勝』の思い出に浸りながら。(^.*)
■今日の画像は、その『山口恵似子さんの職場での姿』と、山口県寂地山1337mの『イカリソウ』『スミレ』『米軍岩国基地のハイカー達と山頂での登山者達』です。後日アップしますが、子の寂地山、カタクリの宝庫でして、尾根道2繕瓩にわたり、道の両側にカタクリが乱舞しています。まっこと素晴らしい山ではあります。(^.^)
(昨日のアップからのアクセス件数は、284件でした)