★今日の画像は、民権弁護士として一生を捧げ、森永ヒ素ミルク事件の弁護を担当した『中坊公平さんの遺影』、浄土真宗の女性僧侶で、シンガー・ソングライターで説話する『三浦明利サン(35)』。そして南米『パタゴニアの景観』です。荒々しくも美しきパタゴニアは、世界の景勝地でもあります。右下をクリックすると、大きな画が見られます。
★★★政府は今年を『明治150年』として顕彰活動を勧めている。例えば、阿倍首相は念頭の施政方針演説を、『山川健次郎』で語り起こした。戊辰戦争で、会津藩の白虎隊士として政府軍と戦った人物だ。その後東京帝国大学の総長に任じられたことを挙げ『明治政府は、国の未来のために、彼の能力を生かし、活躍のチャンスを開きました』と。50年前、『明治100年』の時も、政府は明治を顕彰する記念事業を推進した。
他の時代と同じく、明治には国民にとっていいこともあったし、良くないこともあった。しかも、後者は今だに当事者達を苦しめている。その反省と問題解決を後回しにしたまま、『150年』を祝うことに反対する。1945年夏の敗戦によって、大日本帝国は崩壊した。2年後には新しい憲法が施行され、天皇主権から国民主権となった。国の形は大きく変わった。しかし、その日本国憲法は、大日本帝国憲法の定める手続きによって、同憲法を改正したものだ。あるいは毎年春と秋、メディアで大きく取り上げられる叙勲。これも明治の太政官布告によって運用されている。
このように私達の身の回りには明治に連なる『大日本帝国』の遺産がある。その中には負の遺産もある。最たるものが、第二次世界大戦の被害者達への未補償問題だ。軍人や軍属らは『国と雇用関係にあった』などという理由で、補償や援護を受けてきた。累計で60兆円に上る。一方で、国はその関係がなかった民間人達には全く補償をしていない。それは明治以来の海外膨張政策の帰結であり、かつ戦争を始めた国の指導層の多くが明治に生まれ育った以上、まさに『明治の負の遺産』だ。
例えば沖縄戦の被害者だ。補償されない人達が2012年、国に補償を求めて那覇地裁に提訴した。しかし16年に敗訴。福岡高裁那覇支部の控訴審でも昨年敗訴した。高い壁になったのが『国家無答責の法理』だ。これは明治憲法下においては、国や公共団体の賠償責任を定めた法律(国家賠償法。1947年施行)がなかったことから、国が戦争行為による被害の損害賠償責任を負わない、とする論理だ。明治憲法の論理が21世紀になってなお、何の罪もない戦争被害者を苦しめていることを、国のリーダー達はどれほど知っているのか。
空襲被害者達も長く補償を求めて闘って来た。東京、大阪、名古屋大空襲などの被害者達による訴訟が相次いだが、全て敗訴した。法廷闘争はほんの4年前、大阪大空襲被害者の訴えが最高裁で却けられる2014年まえ続いていた。被害者達は今、立法による解決を目指して政治運動を続けている。
あるいは朝鮮半島など旧植民地出身の元『戦犯』と呼ばれる人達の救済もなされていない。大日本帝国の『日本人』として連合国軍捕虜の監督に当たった人達が敗戦後、米英などから『戦犯』にされた。日本人であれば軍人恩給などで補償、援護されるところ、政府は日本の独立回復と共に日本国籍を失った彼らに対し『日本人でない』という理由で補償を拒否してきた。150年を祝う前に、戦争という国策で苦しめられ今も補償を求めて命を削りながら闘っているこうした高齢者達を救済すべきだと思う。
内閣官房『明治150年』関連施策推進室のHPには、『「明治150年」をきっかけとして、明治以降の歩みを次世代に遺すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは、大変重要なことです』とある。なるほど作家、司馬遼太郎も明治を高く評価した。しかし明治の青春を描いた代表作『坂の上の雲』第1巻のあとがきで、明治について書いている。『庶民は重税にあえぎ、国権はあくまで重く民権はあくまで軽く、足尾の鉱毒事件があり女工哀史があり小作争議がありで、そのような被害意識の中から見ればこれほど暗い時代はないであろう』と。
司馬遼太郎は、明治の暗い部分を知った上で、あえて明るい部分を描いた。同作に限らずこの向陽性こそが司馬作品の魅力であり、多くの読者を引きつけた。世に明治の人気が高いのは、この『国民的作家』の影響もあるだろう。だが歴史を直視し、教訓を得るべき国の指導者達は、明るい過去だけに目を向けるべきではない。
阿倍首相が紹介した元白虎隊士・山川のエピソードだけを聞くと、明治政府の柔軟かつ寛容な姿勢のみが全面に出てくる。しかしそこでは触れられなかったが、敗戦後の会津藩士とその家族1万7千人余は、青森県下北半島の移転させられた。23万石、実情は40万石と言われた石高は3万石にまで削られた。事実上の流刑で寛容とは言い難い。これも明治の一面であり、忘れていい歴史ではない。
過去の成功体験を振り返って未来への活力にすること自体に異論はない。しかし、明るい部分だけを強調するあまり、暗部が『なかったこと』になってしまう危機感がある。『明治150年』が、負の遺産を清算するスタートになるような報道を続けたいと思う。(参考:毎日新聞・栗原俊雄記者筆『記者の目・明治150年を考える』)
権力は、腐る。けだし名言ではある。昨今の『モリカケ問題』を見ていると、その通りだと思う。そして官僚達は権力に追随し、忖度する。直接関係はないが、この小文を読んで、中坊公平さんの『私の事件簿』を思い出した。その中に『森永ヒ素ミルク事件』を弁護した下りがある。そしてこの事件は中坊さんに一番印象に残った事件として、冒頭陳述全文を収録された。その中で、当時の厚生省の役人達が、森永が示した低い補償内容に署名するよう、被害者に働きかけていたと憤慨しておられる。
一体官僚達は誰の見方なのか。憲法には『公僕』と記してあるが、あれは単なる言葉だけのことか、と。被害者側に立って、物事を進めるのが筋であるのに、加害者側に立って被害者を虐めていた厚生省の役人達。これは氷山の一角であり、明治以降累々と続いた『太政官のDNA』ではないか、と思う。戦後補償、公害補償、どれを取っても被害者の立場で考えるという思考力はチリほどにも見かけられない。情けない国だと思う、明治以降の日本国の実像は。
★<尾木直樹さん、詐欺被害>尾木ママこと教育評論家の『尾木直樹さん(71)』が、テレビ番組で『PCのハッキング詐欺にやられた』と激白。尾木さんが16日夜、ロシア杯の決勝をPCで視聴しようとしたところ『このパソコンは、ハッキングされました。直ちに以下に電話を』との表示と共に警告音が鳴ったと言う。そのため連絡先に電話をしたところ、セキュリティ対策費用としてクレジットカード番号を教えるか、プリペイドカードを購入してくださいと勧められた。
その後、プリペイドカードを購入しカード番号を教えたと言う。家族が不審に思い電話番号を調べたところ、これまで詐欺で使われていた番号と同じものだったことから詐欺が発覚。プリペイドカードの番号を入力すると、すでに使われた後だった。
尾木さんは『僕は騙されない自信はあったんだ。200%自信があった。申し訳ないが、騙される人がうかつだと思っていた』と反省。『プリペイドカードの詐欺被害への注意喚起が小さすぎる。老眼だから見えなかった』と訴えた。MCの坂上忍さんは『そういう情報はたいてい小さくしか書いていない。常識です』とバッサリ。だが、この手はちょっと騙されやすいなあ、ご用心、ご用心だ。
★<不可解な坂本の2軍落ち>選手に不祥事が連続的に起こったとして、巨人は老川オーナーが辞任した。同時に、発表とともに、キャプテン坂本の2軍落ちも。前日の阪神戦で脇腹を痛めたという診断で、復帰まで1カ月かかるとの説明。が、その試合にはフル出場しており、どのプレーで痛めたか判然としなかった。全裸動画騒動パーティーに、坂本も参加しており、全裸の勃発時にはすでに帰宅していたと説明されている。そして、坂本に出された注意は『後で問題になるような宴席に同行していたことがキャプテンの自覚を欠いている』と言うもの。なんたって、坂本なんだよな。こんな不自然な理屈をつけるなんて、巨人も老大国巨人だなあ。
★<安倍政権支持率・読売調査>先週末、読売新聞が行った安倍内閣支持率は、支持率は前回と同じ45%、不支持率は1ポイント増の45%だった。政権支援者の読売新聞でこの数字。日経、朝日、毎日の数字はもっと悪いのだろうなあ。ポイントは阿部首相自身の透明感にある。『モリカケ問題』、とりわけ加計孝太郎に掛かる疑問・疑惑は払拭されていない。平気でウソをつく人物と国民からは疑惑の目でみられている。こんな学園に81億円もの国家補助金を文科省は出しているのだ。
何故、加計学園だけしか申請が出来ない締め切り日程を内閣府、文化省は設定したのか。ここが解明されない限り、安倍政権を国民がもろ手を挙げ、支持するとは思わない。都合のいい、国民に耳障りのいい話しかしない、安倍晋三。一体、この30年の日本のGDPはどれだけ増えているんだ。中国で75倍になり、日本は1.5倍という停滞ぶり。アベノミクスが聞いてあきれるよな。オーストラリアだって7.4倍だ。威張るな、驕るな自民党安倍晋三、だ。
★<奇妙な茨木夫殺人事件>夫を殺して、コンクリートに詰めたという殺人事件が茨木県で。犯人の妻の幼稚さが、なにやら不思議、不可解。コンクリートに詰めて、重さが100kgにもなっていたそうだが、一体これをどうしようとしたのか。そして、バカさ加減の不思議は、旦那の失踪届を出した後、すぐに離婚届けを出して。私文書偽造で逮捕され、家宅捜索で死体発見と。なんで7年じっくり待たなかったのか、肩を持つわけではないが、この行動の幼稚さを理解できない。
★<汚い企業、ヤマト>これほど汚いヤマトとは知らなかった。小倉元会長が墓の下で涙しているのではないか。もともと収益力はあったに拘わらず、人手不足を理由に料金を値上げ。その結果、従業員の給料が上がったのかと思えば、ヤマトの利益はが大幅増になった。汚い。そして今度は、引っ越し費用の代金を、2,630社に対して過大請求していたと。17億円も。きな臭い企業、ヤマト運輸なり、だ。