『台湾を「自転車の島」にしよう』。3月に台北市で開かれた国際自転車展示会。世界最大の自転車メーカー、台湾『ジャイアント』の劉会長はこう聴衆に呼びかけました。2012年に過去最高の620万台を生産し、世界有数の高級ブランドを築いた自負がにじみます。ジャイアントは米大手からの受託生産で成長しましたが、1980年代に低コストの中国に注文を奪われました。苦境に立った劉さんが仕掛けたのが自社ブランドの展開。
あえて激戦の欧州市場を選び、入念な市場調査を実施。一流デザイナーの採用や超軽量の炭素繊維の導入を進め、高級ブランドのイメージを浸透させました。苦労を重ねましたが、成果は如実に表れました。台湾の自転車の平均輸出単価は12年に418米砲10年前の3.3倍に上昇。『単なる乗り物にとどまらない価値を付ければ、消費者はお金を払う』と劉会長。
高い技術力を誇ってきた日本のモノ作りが揺らいでいます。中国や韓国など低コストのアジア勢が台頭。液晶テレビの不振にあえぐシャープはその象徴。さらに下請けから脱し、世界に打って出るジャイアントのような勢力が後に続きます。
アジア勢との競合で守勢に立ったオランダ『フィリップス』の決断は早かったです。12年4月、不振のテレビ事業をテレビ受託生産大手の台湾『TPVテクノロジー』に全面移管。成長のため伝統の事業と決別し、医療機器などの事業に経営資源を集中しました。パナソニックやシャープなど日本の家電各社はテレビ生産のあり方を今も悩んでいます。すでにソニーや日立などからテレビ生産を受託するTPVの宣CEOは『コスト競争力が高い私達に生産をまかせてほしい』と秋波を送ります。
インドネシア、韓国、上海――。進出先で圧倒的なシェアを占め、現地企業と間違われる隠れたニッポンブランドがあります。給湯器やコンロなどガス機器国内最王手の『リンナイ』。リンナイは海外展開で『ニッポン』にこだわらない道を選びました。現地のパートナー企業と折半出資で合弁会社を設立。先進技術を惜しげもなく相手企業に開示。『日本企業は何でも日本流にこだわる。現地のプロに任せるべきだ』。過去最高益を更新し続ける実績が、内藤社長の自信を深めます。
『技術はいつか追いつかれる』。金型技術に詳しい東京大学中川名誉教授は指摘します。過去の常識や成功体験を捨て去り、時に伸び盛りのアジア勢と手を携える。その先に日本のモノ作りの進化が見えてきます。
中川名誉教授、懐かしい名前です。かつて私が努めた会社で、積層金型技術を開発した子会社のメディア売り込みを支援したことがありますが、このときこの技術に太鼓判を押した人が、この当時の中川教授だったのですねえ。お元気でご活躍の様子、大慶に存じます。(^.*)
★J2が面白いですねえ。昨日23節、首位ガンバが千葉に0-3で負けるという異常な結果が。そして今季J2に初参入した長崎が山形に2-1と逆転勝ち。中国地方、岡山と鳥取は引き分け。首位ガンバ、2位神戸、3位長崎、4位京都、5位千葉、と。そこから6位栃木は勝点差が6もある大きな亀裂があります。まだまだ予断を許さないJ2ではあります。
★世界最大の造船国である中国で、造船会社の1/3が5年以内に閉鎖される可能性があるとの見方を、中国船舶工業行業協会が示しました。世界的な船舶供給過剰で、受注獲得が困難になっているため。 同協会では、閉鎖の危機にある造船会社について「非常に長期にわたって」受注を獲得できていないと指摘。『市場の低迷が続けば』、3-5年以内に操業を停止する可能性があるとの見方を示した。中国には造船会社が1600社以上あります。 元アナリスト、サラ・ワン氏は、『市場全体の問題なので、各社にとって逃げ道はない。強い企業だけが生き残るだろう』と指摘。『いかなる形の信用収縮も致命的となるため、中国の造船会社は今年、一段と厳しい状況に陥ると予想される』と述べています。 同協会によると、中国の造船会社の5月末時点の受注残は前年同期比で23%落ち込んだと。
川崎重工と三井造船の造船統合問題も、このような背景があるのですね。社長を解任した川崎重工の造船部門に未来はあるのか、この世界的造船不況を乗り切れるのか、関心が高まります。もし、川崎重工の造船部門が頓挫し、他社との統合に動けば、叛乱を起こした現執行役員は全員辞任しなければなりませえんねえ。
★今回の参院選。争点があまりにもプアーで、情けないですねえ。自公は『アベノミクス』を宣伝し、野党は『デコボコミクス』などと揶揄します。が、もっとダイナミックな論争は起きないのでしょうかしら。自公の拙速による政策で社会に亀裂が生じた『派遣問題』など、まさにその傷跡でもあります。そして一番の失政は『の業の再生に失敗していること』、そして『少子高齢化』に歯止めをかけることが出来なかったこと。これほど重大な失政があるのに、これほどの支持率。過去の反省が全くない、自公に政権を委ねていいのでしょうかしら、と私は思いますが、どうでしょうかしら。
■今日の画像は、『米サンフランシスコ国際空港で、着陸に失敗し黒煙をあげるアシアナ航空214便』と、『ナデシコの蜜を吸うキアゲハ』です。キアゲハが一心に蜜を吸う姿にはほれぼれします。(^.^) (昨日のアップからのアクセス件数は、305件でした)