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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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『東芝のDNA、「からくり儀右衛門」脈々と』

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構造改革が一巡した後、これからを担う30~40代前半を中心にプロジェクトチームを作った。合宿には私も参加し『創業者まで遡って東芝のDNAが何かを探って欲しい』とお願いした。

東芝には数多くの世界初、日本初の商品がある。例えば、白熱電球や電気冷蔵庫、自動式電気釜は日本初、ビデオの記録時間を飛躍的に高めたヘリカルスキャン方式VTRなどは世界初だ。それらはどんな人々が創り出したのか。そもそも創業者はどんな思いで東芝を創業したか、それを知る必要があると考えた。

東芝の創業者は田中久重と藤岡市助である。2人がそれぞれ創った会社が1939年に合併し、東京芝浦電機となった。ご記憶の方もいるだろう、45年前ほど前にNHKで『からくり儀右衛門』というドラマが放送された。あれが田中久重である。

チームには久重の故郷、久留米市まで行ってもらった。久重は若い頃から発明家として名を上げ、20代でからくり人形の職人・興行師をとして大阪、京都、江戸などを行脚した。その後、大阪に移り住み『いつまでも消えない灯り』と商人に人気を博した『無尽灯』を発明。さらに47歳で西洋天文暦学の総本山、京都の土御門家の門をたたく。そして完成させたのがからくり時計の最高傑作『万年時計』だった。

黒船が現れ、開国への圧力が高まると、佐賀藩に招かれて蒸気船の開発に取り組んだ。東芝を創業したのは75歳の時。1875年7月、現在の東京・銀座8丁目に工場を作り、『万般の機械考案の依頼に応ず』と看板を掲げた。

『人を喜ばせたい』『世の中のためになるものを作りたい』との思いで次々と新しいものに挑んだその人生には総合電機メーカー、東芝の原点があった。チームからは『東芝も過去には困難が多かったが、それを乗り越える時に一人ひとりが発揮してきた「飽くなき探求心と情熱」をDNAとして残したい』と報告があった。

『あなたが活きるとき、東芝が活きる。』というキャッチフレーズがそこから生まれた。おの思いを共有したいとDVDを作り、全員に配った。『お父さん、お母さんはこんな会社で働いているんだよ』と家族で話しつつ自信を持ってもらったようだ。

くしくも再生を進めていた2004年、江戸時代の日本の技術力を検証する文部省の国家プロジェクトの一環で『万年時計』が復元・複製されることになった。05年3月、私は佐々木国立科学博物館館長と共に2つのゼンマイを回した。万年時計が初めて時を刻んでから154年が経っていた。
  (参考: 日本経済新聞 岡村正元東芝会長・社長著 コラム『私の履歴書』)

東芝といえば、先般韓国ハイニックスを相手取り、『フラッシュメモリー』の技術情報不正使用=産業スパイ事件で1,000億円の賠償訴訟を起こしたのが有名ですねえ。この岡村さんが、技術の絞り込みを行った時、このフラッシュメモリーの事業を残すかどうかで相当の内部議論があったようです。ところが今やこの事業が東芝全体を支える強力な4番バッターになり、パナソニック、シャープ、ソニーなど弱電系が瀕死の重傷を負う中、元気はつらつです。経営者の目、将来へのビジョンメーキングがいかに大事か、証明しています。(^.^)  

★1966年に静岡県の一家4人が殺害、放火された『袴田事件』で死刑が確定した元プロボクサー『袴田巌死刑囚(78)』の第2次再審請求で、静岡地裁は再審開始を認める決定を。犯人のDNAが袴田被告のものと異なり、裁判長は『捜査機関が重要な証拠をねつ造した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る』と。もしえん罪だったら、恐ろしいことです。死刑囚の再審開始決定は、これで6件目。異常な時代があったのですねえ。袴田さんは、昨日17時過ぎに釈放されました。

★化粧品大手DHCの吉田会長が、みんなの党渡辺党首に8億円も貸して。うち5億円は衆院選前に貸し、利息や担保、返済方法などを決めておらず、借用書も入っていないと。みんなの党から結いの党の分離のやり取りに、みんなの党に嫌気がさし、公表したと。なんとも、だらしない渡辺喜美代表ではあります。

★特殊鋼板の製造技術を盗用されたとして、新日鉄住金が韓国の鉄鋼大手ポスコなどに1,000億円の損害賠償を求めている訴訟で、新日鉄住金側は、ポスコ元幹部の陳述書を東京地裁に証拠として提出。それは、 ポスコが組織的に機密情報を技術者から入手していたとする内容。ポスコ側は組織的な関与を否定しているが、裁判所の判断が注目されます。当時の韓国企業はみなそうだったのではないでしょうか。それで大きくなった、サムスン、ポスコ、現代自動車なのですねえ、全く。(>θ<)

★セブン-イレブンがJR西日本と駅中出店に合意。500店舗が一斉に。鳥取県など未進出の地域にも駅中ショップで新しく出店に。やることが大胆ですねえ、セブン-イレブン。セブン-イレブンの店はもう最新のショップニーズを満載した、すごい店になりつつあります。

■今日の画像は、テニス・ソニーオープン『準々決勝で世界ランク5位のロジャー・フェデラーに勝ちベスト4に進出した世界ランク21位の錦織圭』と、東区『呉婆々宇山~藤が丸山の風景』です。すごいですねえ、錦織、やっと世界舞台での大活躍が見られそうです。『自分も打っていたので、負ける気がしなかった』と胸を張りました。(^.^)

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