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Channel: Freeman 雑記帳・広島
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『広島学19 防虫剤の「フマキラー」』

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<広島学を30回、毎日更新アップします>
★今日の画像は、五輪銀の『平野歩夢と渡部暁斗』、カープの開幕戦(オープン戦)投手に指名された『2年目、19歳の高橋昴』、そして外務省が発表した、東シナ海でベリーズ船籍タンカーが東シナ海公海上で北朝鮮タンカーに石油製品を移し替える『瀬取り』の様子。そして春先の花、『クリスマスローズ』『西洋さくら草』『イベリス』です。いよいよ春らしくなってきました。

★★先年から、人間に危害を加える『ヒアリ』が、港町を中心に発見され、ちょっとしたパニック症状呈したが、そんな状況下ヒアリを退治する殺虫剤が注目を浴びている。広島に工場を持つ『フマキラー』はその一つである。

日本が国を挙げて高度成長の道をまっしぐらに進んでいた昭和40年代は、品質のいいものさえ作ればどんどん輸出出来た。また、人々の所得が増えるにつれ、国内の市場も拡大を続ける。広島で言えば大正12年(1920)創業の『マツダ』がその筆頭で、あれよあれよと言う間に世界的ブランドに成長してしまった。

だが、そんな時代はとうに終わりを告げ、多くの製造業は生産部門を海外・途上国等に移さざるを得ない時代になっている。それは広島でも変わらない。そうした中にあって、これまで長い間に築き上げてきた海外市場を足場に、派手さはないが地道に成長を続けている企業もある。その一つが『フマキラー』である。『フマキラー』は知らなくても、電気蚊取り器『ベープ』という商品名はご承知だろう。

平成22年(2010)6月初め、『日用品のエステーが電気蚊取り器で有名なフマキラーの筆頭株主に』というニュースが新聞の経済面を賑わせた。エステーがフマキラーの第三者割当増資を16億円で引き受け(15%)、役員も派遣、フマキラーを持ち分適用会社とすることになったのである。もともと両社は、エステーの防虫剤をフマキラーが受託生産するなど提携関係にあったし、互いに株式を持ち合う関係にもあったので、それほど驚くことではない。だが、そこには、フマキラーと同じ家庭用殺虫剤の業界で凌ぎを削り合うアース製薬との確執が影を落としていた。すでに平成9年(1997)頃からフマキラー株を買い集めていた業界トップ・アース製薬の持ち株は、20年1月には8.5%ほどに達して、筆頭株主となり、その後も買い増しを続けていた。業界内では『敵対的買収に発展か』との憶測も飛び交ったようである。

その『フマキラー』は現在、東京に本社を置いているが、創業の地は広島で、工場は今も廿日市市にある。社名のフマキラーは『フライ(fly=はえ)・マスキート(mosquito=蚊)・キラー(killer)』から考案したと言う。創業者、大下大蔵のアイディアである。


明治23年(1890)に薬種商として創業した大下は、蚊取線香から始め、大正9年(1920)に殺虫剤『強力フマキラー』を開発、販売を始める。同13年に特許を取得したのを機に大下回春堂を創立、この時期すでに海外進出を果たし、上海にも工場を設けていた。昭和25年(1950)に本社を東京に移し、フマキラー株式会社に商号を変更、翌年世界初の電気蚊取り器『ベープ』を開発したところ、これが大ヒット。同48年(1973)のイタリアを手始めに、現在はマレーシア、インドネシア、インド、メキシコなど海外9カ国で現地生産を行い、販売網も80カ国以上に広がっている。同業大手のアース製薬、大日本除虫菊(金鳥)を凌いてダントツだ。

アース製薬がフマキラーの株式を買い集め、経営統合を企画した背景にも、同社が海外に展開している生産拠点、販売網に狙いがあったのは間違いない。日本を始め、先進諸国での市場が飽和状態にある中、蚊取線香などの殺虫剤は、その後を追いかける国々、さらにはこれからの工業化、都市化が見込まれる発展途上国の市場が大きなターゲットとなる。それを一から立ち上げるのは大変だが、すでにそれらの国々に基盤を築き上げているフマキラーのような会社と提携、あわよくば買収することが出来れば、それは大きな成長要因となる。その海外市場を早い時期から追及してきたフマキラーは、いかにも広島らしい企業と言える。

その一方で、フマキラーの創業者一族は、自分達よって立つ地元への思いも失うことがなかった。大下回春堂時代の二代目社長・大下俊春は、草創期の広島カープに資金を提供すると同時に、球団の取締役を引き受けている。カープのユニフォーム・ビジター用を見ると、昭和27、8年の2シーズンは、左袖のところに『フマキラー』の商標を示す布が縫い込まれているし、帽子のマークも『C』とカタカナの『フ』を組み合わせたものになっていた。今はこうしたデザインも当たり前だが、この当時、ここまで大胆なものはなかった。そうした辺りにも、前例にこだわることのない広島スピリットの片鱗がうかがえる。 (参考:岩中祥史著『広島学』)


★<川崎造船ドッグ>明治29年(1896)、川崎造船所創業者、川崎正蔵は第一線を退き、全権を若き30歳の『松方孝次郎』に託した。早速の仕事は、ドックを作ることであった。当時の川崎造船所にあった船架は、台車を使ってロープで船を陸上に引き上げるスタイルで、2千トン級以上の大型船の船底修理には全く用をなさなかった。すでに三菱は長崎に大ドックを持っており、ドックの有無は将来の造船所の存亡に関わる大問題であった。前身である、官営兵庫造船所の時代、この地に乾ドック建設の地質調査を行っていたが、周辺は湊川から運ばれてきた土砂がうずたかく堆積しており、どこを掘っても砂と柔らかい泥ばかりが続き、結局『建設不可能』の烙印が押されていた。

一時、地質調査で岩盤を掘り当てたと、工事を進めたが、それは一部の海底にあっただけで、ドックを建設する地中は砂と泥で埋まっていることには変わりなかった。そこで、コンクリートを厚く壁として支え、その中でドックを建設する手法を用いたが、コンクリート壁も海水の圧力をはねのけるまでには至らず、工事は中断の憂き目になった。孝次郎は辞表を胸に正蔵を訪ねたが、正蔵はその胸中を察し、『乾ドックの完成なくして川崎の発展はない。社運をかけてもやり遂げるように』と、逆に葉っぱをかけた。


難関突破の苦肉の策が、松材を継ぎ足し、20mの杭を打ち込み、土壌を安定させる策だった。イタリアのヴェネチアが多くの島の集合体で、湿地に出来た街であるが、この地を使用可能にしたのは、多くの杭を湿地、島に打ち込み土壌を安定させたからである。これと同じ方法を湊川河口に打ち込むという作業だ。20mのくい打ちは、当時の技術からしたら時間をかけ、ゆっくりと押し込むしか方法がなく、1日にせいぜい20~30本しか打ち込めなかった。6,000トンの船を支える強固な土壌作りには、明治31年から33年まで、計1万本の杭を打ち込み、土壌の安定を果たし、ドック内にコンクリートを打ち込んで完成した。が、ドックとして完成するまでには更に2年の月日がかかった。

明治36年6月、第1号として日本郵船の『三河丸2,884トン』がドック入りした。この年だけで、修理の依頼は320件に達し、年内に軍艦4隻、商船17隻がドック入りした。中でも孝次郎にとって感慨深かったのは、アメリカ留学の際、横浜から乗船した全長128mの巨船『シティ・オブ・ペキン号』が楽々とドック入に納まったことであった。このドックこそ、後の『川崎重工業』発展の礎となり、第一次世界大戦で未曾有宇の富をもたらし、孝次郎に『松方コレクション』として残る絵画の収集への資金を作り出す黄金の槌となったのである。

この工事中、孝次郎はアメリカ留学時代にワシントンの日本公使館で出会った旧三田藩の藩主九鬼隆義の二女、好子と結婚した。九鬼家は、信長の時代、志摩の国衆から身を起こし、信長水軍として活躍し大名に躍り出た出目の家系で、船に関係ある家柄であった。二女好子が幸次郎に嫁いだのも何かの縁であろう。仲人は西郷隆盛の弟で、父薩摩出身の松方正義内閣で海軍大臣を務めた西郷従道であった。ここにも薩摩藩閥政治の陰が感じられる、そういう時代に幸次郎は時代の寵児として飛び出したのである。幸次郎まだ30歳を前にした紅顔の青年であった。


★<大幅赤字の米予算>トランプ政権は、2019年度の予算教書を議会に提出した。財政赤字は107兆円と、7年ぶりの水準に悪化する。大型減税で歳入が頭打ちになる一方、国防費や公共事業の積み増しで歳出が膨張する結果だ。この影響で、金利は急激に高まり、市場では19年末には3.5%を上回るとの見方が浮かんでいる。このバラマキで支持率を維持しようとするトランプに、今秋檄鉄が落ちるだろうなあ。米国民もバカではないから、この措置には厳しい態度で臨むと思うが、どうだろうか。まあ、日本も一緒だな。予算の30%が国債返済、借り換え、金利に消える現状を、異常とは感じない、赤字に麻痺した日本政府、閣僚、官僚達だから。しっかし、アメリカの金利が上がるのに、何故円安にならず、円高になるのか理屈がわからん。


★<アメリカの累積赤字予想>なりふり構わない、猪突猛進のトランプ。その結果、2019年から10年間の赤字総額は770兆円に達する。国防費の膨張に加えて歳出増加や巨額減税によるもの。赤字国債増でこれをまかなうが、10年後28年度末の赤字累計は3,289兆円、48%増にもなる。日本の国家予算の30年分だ。こんな事実、真相をアメリカ国民は知って、トランプを支持しているのだろうか。おかしいと思ってんだよね、企業の大幅減税、財政大赤字なのに何故って。不安になるなあ、トランプの行方。


★<サンフレP有料化>サンフレッチェは、今季からスタジアム周辺の駐車場を、事前予約の有料制にする。早く出て、駐車場を確保するという面倒さを払拭する一方で、サンフレには1試合250万円、シーズン計で4千万円の収入増になる。まあ、コロンブスの卵で、有料は自然の成り行きだねえ。

それよっか、松井市長、早く新スタジアム作っておくれ。まったく、熱意がほとんど感じられない。新スタジアムに熱心さが欠ける広島市長ではある。広島の市長の資格なしと見るねえ。


★<春闘>組合員の賃金交渉の場である『春闘=春季生活闘争』が始まった。今春闘では、『賃金の3%アップ』が、労使間だけではなく、安倍内閣からもお墨付きをもらっている。が、先頭を走るトヨタの要求を見て、はて、と。『3%の賃上げで、3,000円のベア』と言うのが、その不思議な内容だ。3%の賃上げ額が3,000円、となると、要求基礎額は『100,000円』ということになるが。はたして、これが正しいのかな、トヨタの要求基準=月収が10万円とはいささか現実離れしたはなしではある、と思うがね。トヨタの平均賃金はまあ35万円くらいと推測するから、要求額は10,000円でなくてはならない勘定になるが。私の計算、どっか間違っているかしら。


★<ヨネックス>ピョンチャン五輪で、ヨネックスブランドが目につく。思い出すねえ、創業者『米山稔』の苦労話を。確か戦後、長岡近辺の古里に帰った米山は、付近に桐の木が多いのに目をつけて漁網の浮きの製作販売に乗り出す。一定の業容に拡大したが、その頃石油製品が国内に侵入。業網の浮きもプラスチックになってしまった。そこで、新製品に目を付けたのが、バトミントンだったか、テニスだったか、のラケット。テニスラケットを売り出すために、イギリスの名プレーヤーと契約を結び、製品作りにも反映させ、突破口を見出したと。その後、ゴルフ用品で頭を持ち上げ、今に至っている。創業者の苦労、そしてそれに続く経営者の苦労は、並のものではない、と感じ入るなあ。素晴らしき、ヨネックスではある。


★<金正男暗殺>そうだったのか、昨年金正男がマレーシアの空港で暗殺された裁判が進み、その実態が明らかになってきた。2012年、金正日の後継者を巡り中国人脈に強い、叔父にあたるチャン・ソンテクが、中国胡錦涛主席と個別会談の折、金正男を後継者に推す案を提示。この会談を、中国の周永康政治局員が盗聴し、金正恩に密告したという背景があったと。結果、チャン・ソンテクは死刑となり、周永康も国家反逆罪で服役中と。以後、中国と北朝鮮の関係は険悪な状況になった。なんとも007並みの情報合戦なんだねえ。まあ、兄弟は他人の始まりとか言うが、殺すまで憎いかねえ。北朝鮮の常識は、世界の非常識なんだろうねえ。


★<北の瀬取り>外務省が発表した2例目の、東シナ海でベリーズ船籍タンカーが東シナ海公海上で北朝鮮タンカーに石油製品を移し替える『瀬取り』。まあ、日本がこのように瀬取りを摘発していけば、摘発された船は今後国連加盟国の港に寄港できなくなるから、密輸で稼ぐなんてばからしいこととなっていくだろう。北朝鮮の内情はもう瀬戸際まで来ていると予測出来る。もう一押しだから、バカな文政権のようなことはやらないことだね。風前の灯になってきた北朝鮮を一気に倒し、朝鮮半島を統一する強い気持ち、気概になってほしいねえ、韓国政府、国民は。

ビットコインが、イタリアでも盗まれた。盗んだ盗人は誰か。ふっとその犯人に浮上するのが、ハッキングで腕を磨いている、ゴロツキ国家の北朝鮮ではある。


★<ベリーズ>北の瀬取りのベリーズ船籍って、ベリーズという国を初めて聞いた。調べると、ユカタン半島の先にある人口30万人余りの英連邦の王国だそうだ。船の名前は『Wan Heng 11号』となっているので、本当の船主は、韓国か中国か、台湾か香港だろうな。


★<韓国の遠吠え>日本の高校学習指導要綱改正案で、『竹島』を『我が国固有の領土』と明記したことについて、韓国外務省は『我が国固有の領土である独島に対し、不当な主張を繰り返したことに深い遺憾の意を表する』と述べ、『即時停止』を求めた。

岸田外務省殿、その『即時』に敬意を表し、『即時、国際調停裁判所』に、領土確認の訴訟を起こしてはいかがかな。とってもいいチャンスだ、いいクレームを韓国がつけてくれたのだから、これを逆手にとって裁判沙汰にし、歴史的な証拠で『日本領』であることを世界に訴え、韓国のウソつきを、慰安婦問題も含め、真相をはっきりさせる、という手はあるよなあ。そうすれば、岸田外相の次期総理大臣の席も現実味を帯びて来るが。ここは勇気をもって正道を明らかにすべきだろうな。いいチャンスだ。


★<米乱射で17人死亡>米南部フロリダ州のパークランドの高校で発生した銃の乱射事件で、生徒ら17人が死亡したと。銃撃犯は19歳の男で、まもなく身柄を拘束された。この高校は、在籍する生徒が3,000人を超す市内有数のマンモス校で、進学校として知られている。犯人は、この高校から退学処分を受けた男だと。

トランプ君、どうするね。次々起こる大量銃乱射事件について。まあ、あなたは全米ライフル協会から相当の政治献金を受けていて『銃社会』を認めている方だから、何もしないとは思うが。こんな国をよくも世界一だと叫ぶねえ。おそろしい社会、銃野放し国家のアメリカなり、なのだ。


★<カープ開幕投手>驚いたねえ、カープ緒方監督が2年目19歳の『高橋昴』を開幕医投手に指名したと。スポニチの報道。よく読むと、シーズン開幕戦ではなく、18日の中日戦ということだ。『昴也を先発させる』と明言。さらに『いい内容のものを見せてくれれば、また次もある。生きのいい若手が出て来ることがペナントを勝ち取るカギになる』と期待した。高橋昴は『自分がどれだけ通用するか、確かめたい』と気合十分。打の坂倉とともに面白くなってきた、カープではある。


★<小平支えた相沢病院>1500m銀に輝いた、小平奈緒が一夜明け、支援した長野県松本市の『相沢病院』が話題になっている。ユニフォームに『相沢病院』が縫い込んであったから、私はこの病院が支援しているとは思っていたが、とても濃い内容に感動した。一夜明けた15日午前中には、ツイッターの『話題のキーワード』で『相沢病院』が上位にランクされた。相沢病院は2009年3月に、信州大学の卒業式を終えても所属先が決まらず困っていた小平を職員として受け入れた。そして給与、住居費、競技用具の購入費など年間1,500万円ほどを支出するなど、小平の成長を支えてきた。こうした支援ぶりが報道され、ネットでは『素敵な人達に支えられているんですねえ』『サポート企業とサポート受ける選手が増えるといいですね』など、この病院を称える書き込みが多くみられた、と。素晴らしい人間愛に満ちた、信州松本の宿であるなあ。

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